当時としては大きなサイズだが、さほどページ数のない薄い冊子だった。時代を経た古書の雰囲気がした。表紙に何があったか覚えていない。遠く異国の香りがするように思えた。紙質はくすんで変色していた。絵本の内容は、ページ全面を黒色に塗りつぶして、白線で物語を描画していた。まるでネガフィルムの世界のようだった。登場人物の記憶が無い。遠くから覗き見るように情景が淡々と続いていた。
(本ブログ関連:”メールストロムの旋渦”)
昔見た絵本を知りたくて、ネットを探したが、それらしいものが未だ見つからない。それに、絵本が本棚にひっそりしまわれていたことに別の意味で興味がある。