KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/13)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、儀式「大監ノリ(대감놀이)」ほか関連した3曲を紹介した。
始めに、巫堂(무당)の儀式「クッ(グッ、굿)」から、家の敷地を守る儀式「大監ノリ」について次のように紹介された。
・巫堂(巫女、即ち”シャーマン”)が神に祈りを捧げる儀式を「クッ」と言う。この儀式には、歌や楽器演奏、踊りもある。時には神の能力を示す不思議な見せ物を披露する。テレビや映画のない昔、静かな田舎で行われた儀式は最高の見せ物で、人々が集まる一種の祭りのようなものだった。一時、迷信と言われ、なくすべきものとされたが、今は民族の貴重な文化遺産とされる。色々な神々の中でも、家の敷地を管掌する神を「大監」と呼び、家の敷地を守る儀式「大監ノリ」がある。
▼ ソウル地域のクッの「大監ノリ」の歌を聴く。掛け合いも楽しく、元気溌剌の明るさを感じる。
次に、クッの儀式に歌われた民謡「倡夫打令(창부타령)」について次のように紹介された。
・クッの儀式に、村人は心ひとつに参加する。その過程でそれぞれの恨みも晴らし、疎遠な関係とも互いに心を確認する。特別な神が人々の間で力を発揮するわけではないが、クッはそれなりの役割をした。儀式の日に、濁酒(マッコリ)と一緒に、歌を披露する年寄りも目立つ。代表的な歌に、京畿地域の民謡「倡夫打令」がある。「倡夫」とは、儀式で演奏する楽師を指す。彼らを見守る神を「倡夫神」と言う。クッには色々手順があるが、中に倡夫神をもてなす順がある。このとき巫堂が歌ったものが、人々の合間に広まった「倡夫打令」だ。
▼ 歌い手が洗練された形に直した「倡夫打令」の歌を聴く。繰り返し納得するように聞かせ歌う。
最後に、パンソリ「水宮歌(수궁가)」から宴会の様子について次尿に紹介された。
・パンソリ「水宮歌(수궁가)」は、カメが、竜王の薬として、ウサギの肝を入手しようと孤軍奮闘する。またウサギも生き残るため、あらゆる知恵を働かせる。カメが初めて上陸したとき、山では動物たちが集まって宴会を開いていた。誰が上座に座るかで争う場面がある。宴会かと思ったら、動物たちが喧嘩をしていたのだ。また、やっとウサギと出会い、竜王のところに連れてきたときも宴会が開かれる。薬を探したカメのために開いた宴会ではなく、ウサギに騙された竜王が、ウサギを陸地に見送る前に開いた宴会だった。カメとしては悔しいことだ。この宴会にも音楽は欠かせない。中国の有名な楽師の名をあげる歌詞が続く。
▼ 「水宮歌」から海中の王宮での宴で、風流の様子を歌う「水宮風流(수궁풍류)」を聴く。パンソリの語りで風流音楽ではない。