近々、砂金採集に行く。このところ、雨交じりの天気が続いて気になる。
金は人を虜にする。昔、自然から金を採るのに山師がいた。勘がいいだけでなく、山を巡り歩く行動力と識見を持ち合わせ、実務上の金山経営という巨大プロジェクトの運営もできる才ある人だった。
(本ブログ関連:”金山”、”山師”)
金採取を作業で見ると、① 金鉱脈のある鉱山から直接採り出す方法と、② 金鉱山からこぼれて川水に流れたものを採り出す方法がある。
① 山金は、金を含む金鉱石を掘り出し、火にかけて砕き、更に臼で引いて砂状にし、最後にパンニングして取り出すと思っていたが、どうやら違うようだ。火に強い大きな容器(坩堝)に、砂状にしたものと炭を混ぜ入れ、高温に熱して金を溶かし出すという。
② 砂金は、上記①の金鉱石を産する山を源流に持つ川岸で、草の根に付着した砂を篩(ふるい)にかけ、パンニングして採り出す。アメリカ西部やアラスカのゴールドラッシュに見られた光景だ。
日本は昔、黄金の国といわれた。金山を由来する川であれば、多摩川だって、荒川だって砂金は採れるようだ。といって、奥地にエル・ドラードが存在したことはないけれど。
パンニングして採れる砂金は、光の反射具合で確かめて分かる微細な粒でしかない。粒といっても、色具合は爽やかな黄金色だ。小さな蓋付き(試験管状)容器に水を満たし、採った砂金をくぐらせて、スルッと落ちるようなら金、ユラユラ落ちるようなら金雲母。
砂金が大きな粒で見つかれば、ナゲットという。この場合は、パンニングの必要はないだろう。砂金が採れた経験は1回しかなく、ナゲットは夢のまた夢。もしナゲットを手にしたら、笑いを押し殺すのに苦労するだろう。もちろん、チキン・ナゲットのようなサイズは知らない。
ところで、自然とは反対に都市鉱山がある。ここでは、金鉱山より効率が良いそうだ。鉱物マニアの世界ではないけれど。ときどき、TVで都市鉱山で採れた金を成型した延べ棒を見たりすると、唖然とする。