KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/17)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第72回として、ソウルの街を東西に横切る川、「漢江(한강)」にまつわる話を紹介した。
始めに、ソウル市街を横切り黄海に注ぐ漢江の地理的な位置とその象徴性について、次のように紹介された。
・漢江は、江原道から始まり、約500キロメートルの長さを誇り、ソウル市内の南部と北部を繋ぐ橋がかかり、観光名所としても知られる。文明の発祥地や世界的都市には、世に知られる川がある。川は人々の心を捉え、地域の人々のプライドにつながる。済発展を指した「漢江の奇跡」に象徴される漢江は、ソウルだけでなく韓国民を代表する。
▼ 漢江を歌った「漢江水打令(한강수타령)」を聴く。遊戯謡。陽を受け、川舟を漕ぐ櫓のさばきと合わせて歌ったか。
次に、漢江にまつわる風俗や交通史について、次のように解説された。
・昔、漢江で舟遊びした。景色を楽しむのでなく、楽器を演奏したり、歌う者や妓生を乗せて、音楽を聴きながら詩作などして遊び、金をかけた。現在の漢江は、遊覧船が往来し、川辺には市民公園、高層ビルやマンションが並び昔の風雅な情景と違う。
・昔、漢江は重要な交通路だった。舟遊びをする舟だけでなく、色々な船が往来した。人を運ぶ渡し船、地方から税として取り立てた米や物を運ぶ船、魚や生活用品を運ぶ商船など、渡し場に入ると一時的に市場になった。騒がしい風景が想像される。
▼ 舟歌「紫船舟歌(시선뱃노래)」を聴く。こちらは、海よりの漁獲船の歌か・・・洗練された歌い方で。
最後に、朝鮮時代の筏運搬に漢江の水路利用について、次のように説明された。
・朝鮮時代には大きな道路や荷車が発達していなかったので、物を運ぶ時は主に水路を使った。漢江は、江原道に始まち、忠清道を通って、ソウルまでつながった。仁川の海に近く、全国所々へ最も早くたどり着く便利な川だった。
・漢江でソウルに運ばれる物に、江原道の木材もあった。大きな家の建築に、丈夫な木材が必要だった。江原道は木材が豊富だが、ソウル(旧:漢陽(한양))まで運搬が問題だった。これを漢江に浮かばせ、漢陽まで筏にして運び、材木として売った。
▼ 江原道地方、春川の筏歌「春川筏歌(춘천 뗏목노래)」を聴く。川の流れに、峠行くアリランとは・・・民謡の合体?
金寶愛(キム・ボエ)さんの言葉、「筏に乗って長い旅をする人にとっては、船は退屈でときには危険なことも多かったと思います。そんなときにも、慰めになったのはやはり歌であったようです」