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2025年10月10日金曜日

鵺(ぬえ)とトラツグミ

(ぬえ)」といえば、夜に出現する怪しい生き物といった漠とした思いがある。何故か知らぬが、その声に野鳥の「トラツグミ」の鳴き声があてられている。絵解きされている画像をネットで見れば、四足の妖怪に見える。

トラツグミについて
探鳥会に入会して、当初、双眼鏡で観察していたときトラツグミに出会った。カメラで記録するようになってからは、どういうわけか「ツグミ」の写真だけになった。
ツグミ: 全長25cm、冬鳥 ← これからしばしば出会うことになる。
トラツグミ 全長30cm、漂鳥・留鳥

(本ブログ関連:”トラツグミ”、”ツグミ”)

Youtubeに、野鳥の鳴き声が複数登録されているので、それらをもとに聞き比べた。
・ツグミの鳴き声は、軽快に「くゎっ くゎっ」と鳴くのに対して、
・トラツグミはか弱く「ヒーィ ヒーィ」と秋の夜中に鳴き続けるため、古のひとびとに不吉な想いをさせたようだ。

山海経
ところで、奇怪な生き物とくれば中国の古書「山海経」に源流を探さねばならない。

(本ブログ関連:”山海経”)

その中の「北山経」に「鵺(ぬえ)」について次のように記している。(「山海経」 高山三良訳、平凡社)
ー 平凡社版には、鵺の図譜が示されていない(原本もそうか)
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鳥がいる、その状は雉の如くで文(あや)ある首、白い翼、黄色い足、名は白鵺(はくや)これを食うとのどの痛みをいやすし、痸*(せい、おろか・ちほう)をなおす。
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(*): 漢字=「やまいだれ」に「制」

同書におどろおどろしさより、食うことによる効能が記されていて、思い込みと違った。
考えてみれば、山谷春潮著の「野鳥歳時記」(冨山房百科文庫)の旧版(初版 昭和18年)には、かつてツグミが食われていたことが記されている。現行版では割愛されているが・・・**。
(**)本ブログ(2024年3月28日)に記載した。