KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/18)に、文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第24回として、祭日の秋夕(チュソク、추석)の言葉でもある「ハンガウィ(한가위)」について紹介した。
まず、秋の真ん中の名節を表す「ハンガウィ」についての解説から始まった。
・伝承に、新羅の儒理(유리)尼師今王時代、王が王女二人を選び各々に王宮の女性をつけ、陰暦7月15日から機を織らせて8月15日にどちらが多くの布を完成させたか競わせた。負けた側は馳走を準備し、皆共に食事を歌い踊った。
このように八月の中間に行われる集いを「ハン・ガウィ(大・中間の意)」といい、大きな名節を表す。昔からの名節も今は多く忘れられる中、正月、ソルラルと並び、このハンガウィ(チュソク)も代表的な名節といえる。
▼全羅南道の「カンガンスルレ(강강술래)」を聴く。古来南風の海洋に育まれた、女性の生き方に因んだ民俗的に明るく強い遊び歌のよう。
次にハンガウィの民族行事の踊りを次のように紹介された。
・ハンガウィの代表的な遊に「カンガンスルレ」がある。月の出に、海の砂浜、村の広場に女性たちが集まり、彼女たちが中心となる独特なものと言える。手に手をとって円を作り右に大きく回る。空の丸い月と地上で円陣を組む女たちが一体となり、共に声をそろえ歌い回り続ける。日常生活の素朴な題材を表現した様々な表現がある。
- 円陣の中に2、3人が飛び出し、自由に踊るナムセンイノリ
- 前の人の腰にしがみつく形で一列をつくり、一人が列の背中の上を歩いて渡るキワパルキ
慶尚道地方に伝わる「ウォルウォリチョンチョ」ンという遊びは、女性が様々歌いながら円を描いて踊るという点で、カンガンスルレと似ている。これらの踊りの由来については、はっきりとしたことはわかっていない。
▼慶尚道地方の「ウォルウォリチョンチョン(월워리청청)」を聴く。フレーズを、そして後追いを繰り返して・・・女性たちが一体化するよう。
最後に、ハンガウィの大衆の楽しみについて次のように紹介された。
・ハンガウィはその年の収穫を先祖に捧げ、感謝を伝えるところに意義がある。夏、玉のような汗を流し仕事に励んだ農民は、この日ばかりは良い服を着て、お腹いっぱい食べ、余裕あるひと時をを楽しんだ。
中には、経済的な理由で名節の準備ができない家もあった。パンソリ「フンボガ」に、チュソクに、フンボの元に届いた瓜から、米やお金があふれ出る題目は、こうした人々の心内を代弁する一曲だといえるだろう。
▼パンソリ「興甫歌(흥보가)」から瓜を割る題目を再構成した「フンボガうれしと(흥보가 좋아라고)」を聴く。驚きと笑いがとまらない、そわそわする・・・今様の伴奏をつけて。