今日から「(2019年度春期間)バスク語講座」が始まった。このオープン教室で、バスク語講座は多分初めての開催ではないだろうか。今回、「初級コース」(言語と社会・文化)からスタートする機会に恵まれた。夕方クラスであるが、随分と大勢の方が詰め掛けたのに驚いた。
(本ブログ関連:”バスク語”)
「ニューエクスプレス バスク語」(白水社)の著者である吉田浩美先生から直接指導を受けられるのも幸運だ。最初に、出席者全員が受講動機を語った。それぞれが、料理、旅行、サッカーチーム、言語への関心など参加理由を説明した。なるほどと納得してしまう。先生からも、バスクの菓子や音楽について紹介があった。実に多彩、これからが楽しみだ。
授業の始めに、バスク地方(スペインとフランスにまたがる)の地理について次の紹介があった。
・行政領域、人口分布
・バスク語域(方言の分布)
バスク語の共通語つくり、教育制度の充実などで「話者数」が反転増加しているとのこと。
授業は、「ニューエクスプレス バスク語」をテキストに、バスク語の「発音」指導から開始した。(いろいろな方言があるため、テキスト付属のCDに沿ってすすめるとのこと)
そのほか次の説明があった。
・バスク語の呼称に「Euskara」と「Basque」の2つがあるが、「Euskara」はバスク語による自称であり、「Basque」は英語などによる他称とのこと。つまり、バスク人は自分たちの言語を「Euskara」と呼ぶ。
・「Euskara」の語源について、推測だが、ラテン語の「Vascones」(バスク人の祖先ヴァスコン人を指す)ではないかとのこと。(V=U、sc=sk)
2019年4月2日火曜日
2019年4月1日月曜日
これからの元号は「令和」
5月から始まる新しい元号が「令和(れいわ)」に決まった。安倍首相は、談話で「万葉集」より引用したこの「令和」に、「ひとびとが美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ意味が込められている」と語った。
さらに万葉集については、「1200年余り前に編纂された、日本最古の歌集であるとともに、天皇や皇族、貴族だけでなく、防人(さきもり)や農民まで幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められ、わが国の豊かな国民文化と、長い伝統を象徴する国書である」と伝えた。
TV発表の最初、菅官房長官から新しい元号の「令和」が発表されたとき、「令」の文字に思わず息を飲んだ。万葉集に記された「初春の令月」の「令」には、「よい」とか「すばらしい」の意があることを知って落ち着いた次第。
万葉集所収の「梅花(うめのはな)の歌三十二首并(あわ)せて序」(梅花謌卅二首并序)にある、「天平二年正月十三日に、師(そち)の老(おきな)の宅(いへ)に萃(あつ)まりて、宴会を申(ひら)く。」に続けて語られる、初春を表す内容。
------------------------------------------------
時に、初春(しよしゆん)の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やはら)ぎ、梅は鏡前(きやうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かをら)す。
------------------------------------------------
(Youtubeに登録の読売新聞オンライン動画に感謝)
(付記)
今回、元号が「令和」に決定したことから、その出典ともなった「万葉集」に関心が深まるだろう。
それにしてもWikipediaの「令和」の素早さに恐れ入る。夜10時に検索したところ、数々の情報が記載されていた。
さらに万葉集については、「1200年余り前に編纂された、日本最古の歌集であるとともに、天皇や皇族、貴族だけでなく、防人(さきもり)や農民まで幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められ、わが国の豊かな国民文化と、長い伝統を象徴する国書である」と伝えた。
TV発表の最初、菅官房長官から新しい元号の「令和」が発表されたとき、「令」の文字に思わず息を飲んだ。万葉集に記された「初春の令月」の「令」には、「よい」とか「すばらしい」の意があることを知って落ち着いた次第。
万葉集所収の「梅花(うめのはな)の歌三十二首并(あわ)せて序」(梅花謌卅二首并序)にある、「天平二年正月十三日に、師(そち)の老(おきな)の宅(いへ)に萃(あつ)まりて、宴会を申(ひら)く。」に続けて語られる、初春を表す内容。
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時に、初春(しよしゆん)の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やはら)ぎ、梅は鏡前(きやうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かをら)す。
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(Youtubeに登録の読売新聞オンライン動画に感謝)
(付記)
今回、元号が「令和」に決定したことから、その出典ともなった「万葉集」に関心が深まるだろう。
それにしてもWikipediaの「令和」の素早さに恐れ入る。夜10時に検索したところ、数々の情報が記載されていた。
2019年3月31日日曜日
平成最後の花見
心ときめく桜の季節になった。日本人は花見が好きなのだ。大勢の客に混じって眺めるもよし、あるいは、ひっそりと人気のない隠れた並木道を巡るもいい。薄曇りの今日、そのどちらも経験した。
(本ブログ関連:”桜”)
少々ひんやりした昼過ぎ、江戸時代から桜の名所として知られる地元公園の「桜まつり」(3/30~31)に出かけた。
公園はひとびとであふれかえっていた。日本語以外のことばがあちこちから聞こえてくるのも、この時期ならではだろう。
桜は、枝にまだ芽をいくつか残しているものの、ほぼ咲き揃い、見ごたえのある花見が体験できたといっていいかもしれない。
とりわけ桜の木立に囲まれ、桜花におおわれた広場では、家族連れや仕事仲間といったグループが、桜の下で食事など宴を楽しんでいた。毎年見られる、実は幸運な光景なのだ。
写真は、ちょいと浮世絵風の構図にして撮ってみた。あるいはモネの「草上の昼食」風でもある。
とはいえ、余りの人の多さにはじき出されてしまい、公園から少しの離れた場所にある、郷土資料を陳列する文化財センターを訪れた。ここでは、江戸時代に「ヤマザクラ」が植えられて以来名所になった歴史を紹介している。江戸時代の文献、着色絵葉書写真、あるいはきわめてローカルな地割り地図資料など見ることができる。
帰り道、人通りのほとんどない、それでいて知る人ぞ知るといった桜並木道があって寄ってみた。こちらも桜の花が空をしっかり覆っていた。ここの圧巻は、この後訪れるだろう桜吹雪の時期だ。だれに気兼ねなく花びらを浴びることができるのだから。もう少ししてのお楽しみだ。
今日一日、桜を楽しんだ。
(本ブログ関連:”桜”)
少々ひんやりした昼過ぎ、江戸時代から桜の名所として知られる地元公園の「桜まつり」(3/30~31)に出かけた。
公園はひとびとであふれかえっていた。日本語以外のことばがあちこちから聞こえてくるのも、この時期ならではだろう。
桜は、枝にまだ芽をいくつか残しているものの、ほぼ咲き揃い、見ごたえのある花見が体験できたといっていいかもしれない。
とりわけ桜の木立に囲まれ、桜花におおわれた広場では、家族連れや仕事仲間といったグループが、桜の下で食事など宴を楽しんでいた。毎年見られる、実は幸運な光景なのだ。
写真は、ちょいと浮世絵風の構図にして撮ってみた。あるいはモネの「草上の昼食」風でもある。
とはいえ、余りの人の多さにはじき出されてしまい、公園から少しの離れた場所にある、郷土資料を陳列する文化財センターを訪れた。ここでは、江戸時代に「ヤマザクラ」が植えられて以来名所になった歴史を紹介している。江戸時代の文献、着色絵葉書写真、あるいはきわめてローカルな地割り地図資料など見ることができる。
帰り道、人通りのほとんどない、それでいて知る人ぞ知るといった桜並木道があって寄ってみた。こちらも桜の花が空をしっかり覆っていた。ここの圧巻は、この後訪れるだろう桜吹雪の時期だ。だれに気兼ねなく花びらを浴びることができるのだから。もう少ししてのお楽しみだ。
今日一日、桜を楽しんだ。
2019年3月30日土曜日
(資料)バスク料理 ②
海と山の両方から豊な食材を得るバスク人は、舌の肥えた民族である。バスク料理の人気の由縁は、独特な起源を守り続けた伝統と、海洋性の開放さにあるのかもしれない。日本人にとっても、魚介*料理に和食へ通じる親和性(現地で食ったことがないのに推測だが)があるのかもしれない。
(*)「魚介」:https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/071.html
バスク語学習を機会にバスク料理を味わいたい、そしてバスク語学習を口実にサンセバスチャンに出かけてみたいものだ。
昨日(3/29)記した「(資料)バスク料理 ①」の後半を、Youtubeを視聴して次ぎにつづる。ますますバスク料理が近づいた気がする。
(本ブログ関連:”バスク”)
3.Nueva cosina(新しい料理)の歴史
https://www.youtube.com/watch?v=IMECdojqZKk
・ルイス・イリサール料理学校(1992年)を訪問
・バスク料理はバスクの伝統(おばあちゃんの味)を守ることに通じる
・100以上ある美食クラブ:男だけの会員制クラブ(フランコ時代もバスク語を守る)
- イカの煮込み料理、塩鱈の料理
4.伝統の味
https://www.youtube.com/watch?v=9jEOvpHalAA
・バスク豚(放牧で牧草・木の実を食す)を飼育する旧家を訪問(→ 「旅するスペイン語②」)
・春の季節野菜を使ったバスクの家庭料理を一般家庭に訪問
5.バスクの食材で和食作り
https://www.youtube.com/watch?v=VGSRSPtCc6U
・米、アーティチョーク(野菜)、メルルーサ(魚)
・美食クラブで調理
- 鰻の稚魚の天麩羅/焼きそら豆、アーティチョークの煮物、メルルーサの味噌焼き鍋
- 生ハムを乗せたご飯、最後に日本酒で乾杯
(*)「魚介」:https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/071.html
バスク語学習を機会にバスク料理を味わいたい、そしてバスク語学習を口実にサンセバスチャンに出かけてみたいものだ。
昨日(3/29)記した「(資料)バスク料理 ①」の後半を、Youtubeを視聴して次ぎにつづる。ますますバスク料理が近づいた気がする。
(本ブログ関連:”バスク”)
3.Nueva cosina(新しい料理)の歴史
https://www.youtube.com/watch?v=IMECdojqZKk
・ルイス・イリサール料理学校(1992年)を訪問
・バスク料理はバスクの伝統(おばあちゃんの味)を守ることに通じる
・100以上ある美食クラブ:男だけの会員制クラブ(フランコ時代もバスク語を守る)
- イカの煮込み料理、塩鱈の料理
4.伝統の味
https://www.youtube.com/watch?v=9jEOvpHalAA
・バスク豚(放牧で牧草・木の実を食す)を飼育する旧家を訪問(→ 「旅するスペイン語②」)
・春の季節野菜を使ったバスクの家庭料理を一般家庭に訪問
5.バスクの食材で和食作り
https://www.youtube.com/watch?v=VGSRSPtCc6U
・米、アーティチョーク(野菜)、メルルーサ(魚)
・美食クラブで調理
- 鰻の稚魚の天麩羅/焼きそら豆、アーティチョークの煮物、メルルーサの味噌焼き鍋
- 生ハムを乗せたご飯、最後に日本酒で乾杯
2019年3月29日金曜日
(資料)バスク料理 ①
後4日ほどすると「バスク語教室」が始まる。前もって使用するというテキストの10課まで目を通した(読んだという自信がない)けれど、頭が混乱するばかり。バスク地方を囲むロマンス語(さらに広げてインド=ヨーロッパ語族)諸国の言葉と通じないほど独特である。その孤立具合は、日本語に似た面もあるというけれど・・・。
バスク語に近づくに、最善の策は食べ物からというわけで、ネットをいろいろ巡っている。NHKの紀行番組「旅のチカラ」で、日本料理研究家「土井善晴」と巡る「世界一の美食の街 スペイン・バスク地方」(2013/5/29放送)の抜粋版がYoutubeに登録されている。(登録者GX fuyumomoに感謝)
(本ブログ関連:”バスク”)
1.サンセバスチャンの漁港
https://www.youtube.com/watch?v=F5RZf5YmKOg
・魚市場で獲ったばかりの魚を、町の市場で朝取り野菜や肉類を見る。
・シエスタの頃、一軒のバルで「ピンチョス」を食す。時間(歴史)をかけた料理。
2.Nueva cosina(新しい料理:新バスク料理)の潮流
https://www.youtube.com/watch?v=O4BqTfRl59g
・(試行を続ける)三ツ星レストラン(AKELAŔE = Akelarre)訪問
・(潮風を受けた)独特な野菜農家を訪問
以下は別の機会に記す。
⇒ 本ブログ「(資料)バスク料理②」
バスク語に近づくに、最善の策は食べ物からというわけで、ネットをいろいろ巡っている。NHKの紀行番組「旅のチカラ」で、日本料理研究家「土井善晴」と巡る「世界一の美食の街 スペイン・バスク地方」(2013/5/29放送)の抜粋版がYoutubeに登録されている。(登録者GX fuyumomoに感謝)
(本ブログ関連:”バスク”)
1.サンセバスチャンの漁港
https://www.youtube.com/watch?v=F5RZf5YmKOg
・魚市場で獲ったばかりの魚を、町の市場で朝取り野菜や肉類を見る。
・シエスタの頃、一軒のバルで「ピンチョス」を食す。時間(歴史)をかけた料理。
2.Nueva cosina(新しい料理:新バスク料理)の潮流
https://www.youtube.com/watch?v=O4BqTfRl59g
・(試行を続ける)三ツ星レストラン(AKELAŔE = Akelarre)訪問
・(潮風を受けた)独特な野菜農家を訪問
以下は別の機会に記す。
⇒ 本ブログ「(資料)バスク料理②」
2019年3月28日木曜日
コオロギと一緒に飛んでみたい・・・気がする
夏に大層に鳴く蝉は一週間で、コオロギ(cricket)とて蟻に馬鹿にされて冬には朽ち果てる。フランスで、その声は ”cri cri” と聞こえるそうだ。とはいえ、か細くとも存在を大いに示すその意気や良しといえる。
一昨日(3/26)のブログで、航空局から機体番号が付与された八谷和彦氏の自作機「メーヴェ」について触れたが、以前(2018/3/27)に、フランスのMichel Colomban氏制作のミニ飛行機「cri cri」について記した。そのときの「MC-15 Cri-Cri Jet」機体のエンジンは、PBS Velka Bites TJ20A ターボジェットエンジンだったので、今回、それ以前の、レシプロエンジンを搭載したものを探した。何と手動で始動している(片方はそうでもないようだが)!
エンジン音は、コオロギの鳴き声ほど控え目ではない。小さな機体だからこそ寄れば、それなりの音をたてているのが分かる。なにしろ、人を大空に運ぶのだ。昔のラジコン機の記憶(といっても大人たちのそばで眺めていただけだが)がよみがえってくる。
(本ブログ関連:”ラジコン”)
(Youtubeに登録のtahitien93に感謝)
一昨日(3/26)のブログで、航空局から機体番号が付与された八谷和彦氏の自作機「メーヴェ」について触れたが、以前(2018/3/27)に、フランスのMichel Colomban氏制作のミニ飛行機「cri cri」について記した。そのときの「MC-15 Cri-Cri Jet」機体のエンジンは、PBS Velka Bites TJ20A ターボジェットエンジンだったので、今回、それ以前の、レシプロエンジンを搭載したものを探した。何と手動で始動している(片方はそうでもないようだが)!
エンジン音は、コオロギの鳴き声ほど控え目ではない。小さな機体だからこそ寄れば、それなりの音をたてているのが分かる。なにしろ、人を大空に運ぶのだ。昔のラジコン機の記憶(といっても大人たちのそばで眺めていただけだが)がよみがえってくる。
(本ブログ関連:”ラジコン”)
(Youtubeに登録のtahitien93に感謝)
2019年3月27日水曜日
紅枝垂(べにしだれ)
かかりつけの医院で、地元の桜並木(ソメイヨシノ)について話題になり、診察後、開花具合を確かめようと、ちょいとミニ花見に出かけた。あいにくの寒の戻りがあったせいか、まだ一部だけ咲いていて、通りを連なるほどではない。せっかくなので、公園まで足をのばした。
広場のあちこちで、親子連れや、幼稚園・保育園の子どもたちが陽に暖まりながら遊んでいた。今日の風は強く、ときたま辺りを薄茶色に染めるほど巻き上がる。そのため、見守る大人(特に、先生や保育士の方々)は気配りで大変だろうと思った。
公園の散歩道に迷子がいて、親切なひとびとが集まり面倒を見ていた。うっかりすると、子どもは、思った以上にどんどん歩き回る。心配性のわたしには、子どもを迷子にする親の気が知れない。といっても、親は親で真剣に探し回っているのだろうけれど。
さて、公園の広場を囲む桜は、五部咲きといった程度で、不思議なことに木立の下側の枝ほど花を開いている。こんな現象に気付いたのは初めてで、そんな具合だからか、木の下にいれば適度に花見気分が味わえるわけで、あちこちに主婦仲間と思われる花見客(グループ)が話しに花を咲かせていた。
そんなわけで、観桜にまで至らないが、公園を巡ると「紅枝垂(べにしだれ)」が花を垂れ枝に花を飾りながら、風に揺れるさまを見ることができた。
「紅枝垂」のそばに、解説の札が立っていて次のように記されている。(公園の「桜守の会」による)
------------------------------------------
エドヒガンの栽培品種で、「糸桜」とも呼ばれ、しだれ型の中で花色が濃いもの。
普通のエドヒガンの枝は上に伸びますが ”枝垂桜”の枝は下に垂れ下がり珍重され、平安期の古くから社寺を中心に全国各地で栽培され、福島県三春町の「三春の滝桜」や岐阜県本巣郡の「根尾谷の淡墨桜」などは国の天然記念物に指定されている。
従来花弁は五枚であるが、雄しべが旗弁化して、個体によって変異が多い。
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広場のあちこちで、親子連れや、幼稚園・保育園の子どもたちが陽に暖まりながら遊んでいた。今日の風は強く、ときたま辺りを薄茶色に染めるほど巻き上がる。そのため、見守る大人(特に、先生や保育士の方々)は気配りで大変だろうと思った。
公園の散歩道に迷子がいて、親切なひとびとが集まり面倒を見ていた。うっかりすると、子どもは、思った以上にどんどん歩き回る。心配性のわたしには、子どもを迷子にする親の気が知れない。といっても、親は親で真剣に探し回っているのだろうけれど。
さて、公園の広場を囲む桜は、五部咲きといった程度で、不思議なことに木立の下側の枝ほど花を開いている。こんな現象に気付いたのは初めてで、そんな具合だからか、木の下にいれば適度に花見気分が味わえるわけで、あちこちに主婦仲間と思われる花見客(グループ)が話しに花を咲かせていた。
そんなわけで、観桜にまで至らないが、公園を巡ると「紅枝垂(べにしだれ)」が花を垂れ枝に花を飾りながら、風に揺れるさまを見ることができた。
「紅枝垂」のそばに、解説の札が立っていて次のように記されている。(公園の「桜守の会」による)
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エドヒガンの栽培品種で、「糸桜」とも呼ばれ、しだれ型の中で花色が濃いもの。
普通のエドヒガンの枝は上に伸びますが ”枝垂桜”の枝は下に垂れ下がり珍重され、平安期の古くから社寺を中心に全国各地で栽培され、福島県三春町の「三春の滝桜」や岐阜県本巣郡の「根尾谷の淡墨桜」などは国の天然記念物に指定されている。
従来花弁は五枚であるが、雄しべが旗弁化して、個体によって変異が多い。
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2019年3月26日火曜日
「メーヴェ」に乗ってみたい・・・気がする
宮崎駿監督のアニメ「風の谷のナウシカ」に登場する飛行機(装置)「メーヴェ」を、実機化した方がいる。Youtubeで、八谷和彦氏とその仲間たちの「オープンスカイプロジェクト」によるテスト飛行を見ることができる。。
航空局から、「超軽量動力機やジャイロプレーンの要件を満たさない自作航空機」に該当する登録機体記号として最新「M-02J」機に「JX0122」が付与されている。本気なのだ。素晴らしい!
(本ブログ関連:”飛行機”)
アニメ「風の谷のナウシカ」のメーヴェ機では、取っ手をつかんで中腰の主人公ナウシカが、体重移動や足先のペダルなどでバランスを取りながら操縦しているが、上記プロジェクト*のM-02J機では、八谷氏が腹這になり、体重移動と補助翼などで操縦しているという。
(*)https://www.ac-olympos.com/projects/m-02.html
M-02Jは、アートとして扱われているようだが、飛行機ファンにとっては青空を「飛翔する」夢にもっともっと近づけたい気がする。白い機体が旋回するさまはまことに美しい。同時に、ナウシカの(ちょっと憂いを含んだような)顔が眩しく浮かんでくる。
(次の映像は、Open Sky Projectに埋め込みされていたものです)
(Youtubeに登録のkazuhiko hachiyaに感謝)
航空局から、「超軽量動力機やジャイロプレーンの要件を満たさない自作航空機」に該当する登録機体記号として最新「M-02J」機に「JX0122」が付与されている。本気なのだ。素晴らしい!
(本ブログ関連:”飛行機”)
アニメ「風の谷のナウシカ」のメーヴェ機では、取っ手をつかんで中腰の主人公ナウシカが、体重移動や足先のペダルなどでバランスを取りながら操縦しているが、上記プロジェクト*のM-02J機では、八谷氏が腹這になり、体重移動と補助翼などで操縦しているという。
(*)https://www.ac-olympos.com/projects/m-02.html
M-02Jは、アートとして扱われているようだが、飛行機ファンにとっては青空を「飛翔する」夢にもっともっと近づけたい気がする。白い機体が旋回するさまはまことに美しい。同時に、ナウシカの(ちょっと憂いを含んだような)顔が眩しく浮かんでくる。
(次の映像は、Open Sky Projectに埋め込みされていたものです)
(Youtubeに登録のkazuhiko hachiyaに感謝)
2019年3月25日月曜日
東京クレズマーナイト
昨年通った「イディッシュ語教室」(今年は残念ながら休講となった)のクラスメイトに、クレズマー音楽の演奏家(かつ歌手)のお二人がいて、活発な公演活動を続けられている。当然、音楽の対象であるイディッシュ語に対する心がまえや熱意が抜きんでいて、いつも敬服している。
本日、上記のお二人が参加するコンサート「東京クレズマーナイト」*が、六本木の「C*LAPS」で催された。曲目について解説を交えて、イディッシュ・ソングやクレズマー音楽の演奏を聞く楽しい時間を過ごした。
(*)http://c-laps.jp/events/190325_klezmer_night/
演奏は、先日(3/16)の「イディッシュ文学の夕べ」(東京・特別編)に参加された方々を含めて多数のミュージシャンで編成された。クレズマー音楽特有の明るさと(郷愁を呼ぶような)感傷的な旋律、楽しいリズムに引き込まれて、会場から自然と手拍子がとられたりした。広々した空間で聞くのはいいものだ。
ところで、昨日、「イディッシュ文化と笑い」という講演会があり、そこに出演されたという、Shane Baker氏が特別ゲストで舞台に立った。こてこての女形スタイルで、イディッシュ語+英語による(独り)コメディーを演じられた。(聞き取れたかって? ・・・いうまでもなく)
また、チェリストの新倉瞳氏**が参加する、スイスに拠点を置く「ハイベバラガン」のメンバーが今日来日したばかりのところを、こちらも特別ゲストとして演奏に加わった。楽器の音色が厚くなりますます会場が盛り上がったのはいうまでもない。
(**) https://style.nikkei.com/article/DGXMZO22141090R11C17A0000000/
そうそう、クレズマー音楽にダンスがつきもの。わたしも、つられて踊りの輪に加わってしまったのだ・・・とうとう。
(追記)
都心を久し振りに歩いた。以前は通勤路に使ったこともあったのに、今回、腰の回りがくたびれ果てた。運動不足を痛感する。
本日、上記のお二人が参加するコンサート「東京クレズマーナイト」*が、六本木の「C*LAPS」で催された。曲目について解説を交えて、イディッシュ・ソングやクレズマー音楽の演奏を聞く楽しい時間を過ごした。
(*)http://c-laps.jp/events/190325_klezmer_night/
演奏は、先日(3/16)の「イディッシュ文学の夕べ」(東京・特別編)に参加された方々を含めて多数のミュージシャンで編成された。クレズマー音楽特有の明るさと(郷愁を呼ぶような)感傷的な旋律、楽しいリズムに引き込まれて、会場から自然と手拍子がとられたりした。広々した空間で聞くのはいいものだ。
ところで、昨日、「イディッシュ文化と笑い」という講演会があり、そこに出演されたという、Shane Baker氏が特別ゲストで舞台に立った。こてこての女形スタイルで、イディッシュ語+英語による(独り)コメディーを演じられた。(聞き取れたかって? ・・・いうまでもなく)
また、チェリストの新倉瞳氏**が参加する、スイスに拠点を置く「ハイベバラガン」のメンバーが今日来日したばかりのところを、こちらも特別ゲストとして演奏に加わった。楽器の音色が厚くなりますます会場が盛り上がったのはいうまでもない。
(**) https://style.nikkei.com/article/DGXMZO22141090R11C17A0000000/
そうそう、クレズマー音楽にダンスがつきもの。わたしも、つられて踊りの輪に加わってしまったのだ・・・とうとう。
(追記)
都心を久し振りに歩いた。以前は通勤路に使ったこともあったのに、今回、腰の回りがくたびれ果てた。運動不足を痛感する。
2019年3月24日日曜日
痴愚神礼讃
ひとは名誉や名声を競い合うけど、阿呆を競い合うことはない。阿呆は互いに、お前こそ阿呆だというけれど、俺こそ阿呆だとはいわない。周りから見れば同じ阿呆なのだが・・・、阿呆がそういうのだから間違いない。
マトリョーシカ人形のように阿呆はきりがない。だったら、阿呆と互いに承知すれば通じ合うのに、そうならないのが惜しい。
昨日のブログに「阿呆船」から探したが、今日はエラスムスの1511年に刊行した「痴愚神礼讃(Encomium Moriae)」(二宮敬訳)から抜き出してみよう。女神がいうには・・・。
(本ブログ関連:”痴愚神礼讃”、”阿呆船”)
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28 さて今度は、さまざまな技芸のお話をしましょう。このうえもなく優れているように思われる多くの知識を、いったいどうして人間は考え出したり、あとへ伝えたりしたのでしょうかしら? 名誉欲からでないとしたらばね。実際、阿呆の骨頂たる人間どもは、徹夜を重ね汗水流したあげくの果てに、名声という世のなかでもまさにいちばん空しいものを手に入れたつもりになっていたわけなのですよ。皆さんだってやはり、この痴愚の女神のおかげで、人生のあらゆる貴重な利便の余慶にあずかっていらっしゃるのですし、さらに、これはなによりも楽しいことですが、皆さんは他人の阿呆さを利用していらっしゃるのです。
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マトリョーシカ人形のように阿呆はきりがない。だったら、阿呆と互いに承知すれば通じ合うのに、そうならないのが惜しい。
昨日のブログに「阿呆船」から探したが、今日はエラスムスの1511年に刊行した「痴愚神礼讃(Encomium Moriae)」(二宮敬訳)から抜き出してみよう。女神がいうには・・・。
(本ブログ関連:”痴愚神礼讃”、”阿呆船”)
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28 さて今度は、さまざまな技芸のお話をしましょう。このうえもなく優れているように思われる多くの知識を、いったいどうして人間は考え出したり、あとへ伝えたりしたのでしょうかしら? 名誉欲からでないとしたらばね。実際、阿呆の骨頂たる人間どもは、徹夜を重ね汗水流したあげくの果てに、名声という世のなかでもまさにいちばん空しいものを手に入れたつもりになっていたわけなのですよ。皆さんだってやはり、この痴愚の女神のおかげで、人生のあらゆる貴重な利便の余慶にあずかっていらっしゃるのですし、さらに、これはなによりも楽しいことですが、皆さんは他人の阿呆さを利用していらっしゃるのです。
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2019年3月23日土曜日
明け暮れ阿呆
何かよいものはないか、何処かにあるに違いないと探し回り、とどのつまりはたまらない。それもそのはず、安い麻袋に放り込んだが、袋の底が破れていて、何もかも漏れ落とし、軽いのは力が付いたからと勘違いして、後ろを確かめることもしない。
そんな「明け暮れ阿呆」について語る詩がある。S.ブラントが1494年に著した風刺詩集の「阿呆船(Das Narrenschiff )」(尾崎盛景訳)に次のように語られている。(エラスムスの「痴愚神礼讃」(1511年)とともに気休めに活用する)
(本ブログ関連:”阿呆船”)
いろいろよいこと聞きながら
少しも知恵が増しもせず、
何でもかんでも聞きたがり、
ちっともそれでよくならず、
見るもの何でも欲しがって、
いつになってもかっこ鳥。
新しいものならとびついて、
そのすぐ後で熱がさめ、
またほかのものに手をのばす、
阿呆の持病じゃなかろうか。
・・・
この阿呆船には、いずれも阿呆がちりばめられ、もしもそこから漏れているなら名乗り出よとのこと。いやはや、どれもこれもわが身に立ち返ることしきり。阿呆さ加減を思い知ることになる。
そんな「明け暮れ阿呆」について語る詩がある。S.ブラントが1494年に著した風刺詩集の「阿呆船(Das Narrenschiff )」(尾崎盛景訳)に次のように語られている。(エラスムスの「痴愚神礼讃」(1511年)とともに気休めに活用する)
(本ブログ関連:”阿呆船”)
いろいろよいこと聞きながら
少しも知恵が増しもせず、
何でもかんでも聞きたがり、
ちっともそれでよくならず、
見るもの何でも欲しがって、
いつになってもかっこ鳥。
新しいものならとびついて、
そのすぐ後で熱がさめ、
またほかのものに手をのばす、
阿呆の持病じゃなかろうか。
・・・
この阿呆船には、いずれも阿呆がちりばめられ、もしもそこから漏れているなら名乗り出よとのこと。いやはや、どれもこれもわが身に立ち返ることしきり。阿呆さ加減を思い知ることになる。
2019年3月22日金曜日
コブシとレンギョウ
気分転換に、久し振りに川辺を散歩する。昨日と比べて、風が南風から北風に変わり、薄曇りのせいもあってか随分とひんやりする。それでも、近隣の最高気温は21.7℃もある。北風による体感温度は厳しい。
すれ違う人もまばらで寂しいかぎり。そんなとき、素足で小川に入って水遊びする子どもたちがいた。母親から早く上がるよう説得されても聞き入れない。春の水温む感蝕を楽しんでいるのだろうか。元気をもらった気がする。
そんなとき、散歩道に「コブシ(辛夷)」が白い花を咲かせているのが見えた。一見、ハクモクレンを小さくしたような雰囲気で、丈もさほど変わらない。花弁が小振りなためか少し地味に見える。いいかえれば、野生っぽい。花の下を通り過ぎるとき、うっすらと香りがする。爽やかで実に品よい。
(本ブログ関連:”コブシ”)
コブシの手前に、黄色の「レンギョウ(連翹)」の花が咲いていた。春には、黄色の花が目立つ。半つる状の枝が絡まるようにしているので、花弁がぎっしり密集して見える。最近、道路と歩道の境に植えられているのを目にする。中国伝来とのこと、韓国でも人気があるようだ。
(本ブログ関連:”レンギョウ”)
すれ違う人もまばらで寂しいかぎり。そんなとき、素足で小川に入って水遊びする子どもたちがいた。母親から早く上がるよう説得されても聞き入れない。春の水温む感蝕を楽しんでいるのだろうか。元気をもらった気がする。
そんなとき、散歩道に「コブシ(辛夷)」が白い花を咲かせているのが見えた。一見、ハクモクレンを小さくしたような雰囲気で、丈もさほど変わらない。花弁が小振りなためか少し地味に見える。いいかえれば、野生っぽい。花の下を通り過ぎるとき、うっすらと香りがする。爽やかで実に品よい。
(本ブログ関連:”コブシ”)
コブシの手前に、黄色の「レンギョウ(連翹)」の花が咲いていた。春には、黄色の花が目立つ。半つる状の枝が絡まるようにしているので、花弁がぎっしり密集して見える。最近、道路と歩道の境に植えられているのを目にする。中国伝来とのこと、韓国でも人気があるようだ。
(本ブログ関連:”レンギョウ”)
2019年3月21日木曜日
春分の日 2019
今日は二十四節気の「春分」、そんな節目より現実的な国民の祝日「春分の日」といった方に分がありそう。
(本ブログ関連:”春分の日”)
都心の最高気温は何と22.3℃(12:47)、「東京都心で20度を超えるのは今年初めて」で「5月並みの陽気」(日直主任 日本気象協会)*とのこと。
(*)気象協会: https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2019/03/20/4022.html
また、東京の桜の「開花宣言」がされた。気象庁から少し離れた「靖国神社」にある標本木に、5輪以上の桜が開花したことをもって宣言されたわけで、例年より5日早く、昨年より4日遅い。
(本ブログ関連:”開花宣言”)
そんなポカポカ陽気と南風に誘われて、地元の公園に桜の具合を見に行った。祝日でもあって家族連れで賑わっていた。何ぶん風が強く、落ち葉や、土ぼこりが舞いあっていた。それでも子どもたちは風の中を走り回っていた。
残念ながら、公園の桜にまだ開花の気配はなくて、写真の通り、空を見回せば桜の枝に蕾ばかり。あらためて寒々しさを感じるが、「桜まつり」が今月末の土日(3/30,31)に予定されている。一週間ほど後のお楽しみになる。
(本ブログ関連:”春分の日”)
都心の最高気温は何と22.3℃(12:47)、「東京都心で20度を超えるのは今年初めて」で「5月並みの陽気」(日直主任 日本気象協会)*とのこと。
(*)気象協会: https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2019/03/20/4022.html
また、東京の桜の「開花宣言」がされた。気象庁から少し離れた「靖国神社」にある標本木に、5輪以上の桜が開花したことをもって宣言されたわけで、例年より5日早く、昨年より4日遅い。
(本ブログ関連:”開花宣言”)
そんなポカポカ陽気と南風に誘われて、地元の公園に桜の具合を見に行った。祝日でもあって家族連れで賑わっていた。何ぶん風が強く、落ち葉や、土ぼこりが舞いあっていた。それでも子どもたちは風の中を走り回っていた。
残念ながら、公園の桜にまだ開花の気配はなくて、写真の通り、空を見回せば桜の枝に蕾ばかり。あらためて寒々しさを感じるが、「桜まつり」が今月末の土日(3/30,31)に予定されている。一週間ほど後のお楽しみになる。

2019年3月20日水曜日
どんな方だったのだろう Alan R. King
先日(3/5)のブログに、バスク語学習に使うのに便利な辞書はないものかと記した。ネット辞書と違って、手元に紙(プリント)にして置けるといいわけで、その素材となるものを海外のネットで探してみた。
英語版のバスク語テキストにいろいろあって、その巻末に「語彙集」があるはず。もし、テキストが公開されていれば参考になると検索したところ見つかった。
以前、イディッシュ語の授業でテキストとして使用された「Colloquial 」シリーズの中に、「Colloquial Basque: The Complete Course for Beginners」があった。著者は、Alan R. Kingという方だ。
このテキストの「pdf版」は、意外とあっさり見つかる。ただし、著作権を十分配慮のうえ使用する必要があるだろう。(Amazonで購入すると物凄く高価になる)
Alan R. Kingは、「バスク語のしくみ」(吉田浩美著)の巻末にも紹介されている方で、Wikipediaを見ると、今年2月19日に64歳で亡くなっている。バスク語の他に、アメリカの古い言葉のナワット語の研究者だったとのこと。
彼の「代表作」の蘭に、「King, Alan R. (1982). A Basque Course: A Complete Initiation to the Study of the Basque Language.□ (未刊タイプ原稿)」が紹介されている。Wikipediaの□に当る部分は、同テキストのpdfファイルにリンクする。こちらも、著作権を十分配慮のうえ使用する必要がある。
バスク語は霧に包まれて先がよく見えません。
英語版のバスク語テキストにいろいろあって、その巻末に「語彙集」があるはず。もし、テキストが公開されていれば参考になると検索したところ見つかった。
以前、イディッシュ語の授業でテキストとして使用された「Colloquial 」シリーズの中に、「Colloquial Basque: The Complete Course for Beginners」があった。著者は、Alan R. Kingという方だ。
このテキストの「pdf版」は、意外とあっさり見つかる。ただし、著作権を十分配慮のうえ使用する必要があるだろう。(Amazonで購入すると物凄く高価になる)
Alan R. Kingは、「バスク語のしくみ」(吉田浩美著)の巻末にも紹介されている方で、Wikipediaを見ると、今年2月19日に64歳で亡くなっている。バスク語の他に、アメリカの古い言葉のナワット語の研究者だったとのこと。
彼の「代表作」の蘭に、「King, Alan R. (1982). A Basque Course: A Complete Initiation to the Study of the Basque Language.□ (未刊タイプ原稿)」が紹介されている。Wikipediaの□に当る部分は、同テキストのpdfファイルにリンクする。こちらも、著作権を十分配慮のうえ使用する必要がある。
バスク語は霧に包まれて先がよく見えません。
2019年3月19日火曜日
読書室
久し振りの読書室、出かけてみれば休館日。そこで、少し遠回りして隣り町にある読書室を訪ねてみた。昼過ぎの平日だが、満室に近い状態。
バスク語のテキストを読み進めるが、なかなか定着しない。基本解説を読んで納得するものの、練習問題には手も足も出ない。正直、解答を見ながら解き進めるといった具合で、応用できるレベルでない。
助動詞が人称ごと格を持ち、主語がなくても類推できそうだが、du助動詞、da助動詞を識別して、名詞にどんな格が使われているのか直ぐに思いつかねばならない。完了分詞、不完了分詞、未来分詞・・・。単語は、韓国語なら漢字語から日本語へ、イディッシュ語ならドイツ語から英語へ置き換えて類推されるが、今回はそうはいかない。
4月からのバスク語教室に申込みはしたものの、先行きが危ぶまれる。とはいえ、聞かねば(受講しなければ)何も始まらない。
2019年3月18日月曜日
庭のさんしゅう~の木
先日(3/15)、公園の梅林のはずれに、黄色の小さな花を集めて咲く「サンシュユ(山茱萸)」の木を見た。子どものこのから、あかるい黄色の色彩が好きだった。考えてみれば、バナナにも、卵焼きにも通じる。軽快な黄色が青空に飾られていた。
公園の木には、名前を示す札が付くことがある。特に一つ立ち、美しい花を誇るとき、人々が集まるならなおさらのこと。ところが、その木には名札がなかった。幹のくねり具合、木肌のつややかな感じからサルスベリかと思ったが、花弁の色合いや形、なによりその時期から違うことは容易に分かったが・・・。はて、何の木だろうかと思案にくれていたら、通りがかりの人から「サンシュユ(山茱萸)」の木と教えてもらった。以前、ブログに記したことがあるのに、すっかり忘れていたのだ。
(本ブログ関連:”サンシュユ(山茱萸)”)
ところで、「サンシュユ」と聞いて、「庭のさんしゅう~の木」で始まる民謡を思い出した。ネットで調べれば、宮崎県椎葉村地方の「稗搗節(ひえつきぶし)」*だった。実は、ネットに「さんしゅう~の木」を、「サンシュユ(山茱萸)」という声もあるが、岩波文庫の「日本民謡集」(町田嘉章・ 浅野建二編)を見れば、正解は「山椒(さんしょう)」の木だった。落人伝説にもつながる歌で、どこか哀調もある。
(*)「稗搗節(ひえつきぶし)」: 宮崎県観光のおすすめ穴場スポットナビ!
http://miyazakiken.xyz/%E6%A4%8E%E8%91%89%E6%9D%91/post-815.html
Youtubeに、「稗搗節」(唄:神楽坂はん子、三味線:豊吉・豊葭)のSP版が登録されているので聞いてみよう。ちなみに、歌い手の「神楽坂はん子」(1931年~1995年)は名前から根っからの芸者育ちに聞こえるが、けっこうモダン芸者とでもいえる活動をしたようだ。SP音盤とはいえ、決して古いものではない。
(Youtubeに登録のkotyavideoに感謝)
(参考)上記のSPレコードについて
「コロムビアレコード戦後邦楽SP盤総目録 78MUSIC」の紹介記事より
http://78music.web.fc2.com/columbia2.html
-------------------------------------
曲名 稗搗節
歌手・実演家 神楽坂はん子
演奏 コロムビアオーケストラ、三味線 豊吉・豊藤
作詞
作曲 平川英夫
編曲
番号 A1774
mat 214196
新譜年月 1953.11
区分 流行歌
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公園の木には、名前を示す札が付くことがある。特に一つ立ち、美しい花を誇るとき、人々が集まるならなおさらのこと。ところが、その木には名札がなかった。幹のくねり具合、木肌のつややかな感じからサルスベリかと思ったが、花弁の色合いや形、なによりその時期から違うことは容易に分かったが・・・。はて、何の木だろうかと思案にくれていたら、通りがかりの人から「サンシュユ(山茱萸)」の木と教えてもらった。以前、ブログに記したことがあるのに、すっかり忘れていたのだ。
(本ブログ関連:”サンシュユ(山茱萸)”)
ところで、「サンシュユ」と聞いて、「庭のさんしゅう~の木」で始まる民謡を思い出した。ネットで調べれば、宮崎県椎葉村地方の「稗搗節(ひえつきぶし)」*だった。実は、ネットに「さんしゅう~の木」を、「サンシュユ(山茱萸)」という声もあるが、岩波文庫の「日本民謡集」(町田嘉章・ 浅野建二編)を見れば、正解は「山椒(さんしょう)」の木だった。落人伝説にもつながる歌で、どこか哀調もある。
(*)「稗搗節(ひえつきぶし)」: 宮崎県観光のおすすめ穴場スポットナビ!
http://miyazakiken.xyz/%E6%A4%8E%E8%91%89%E6%9D%91/post-815.html
Youtubeに、「稗搗節」(唄:神楽坂はん子、三味線:豊吉・豊葭)のSP版が登録されているので聞いてみよう。ちなみに、歌い手の「神楽坂はん子」(1931年~1995年)は名前から根っからの芸者育ちに聞こえるが、けっこうモダン芸者とでもいえる活動をしたようだ。SP音盤とはいえ、決して古いものではない。
(Youtubeに登録のkotyavideoに感謝)
(参考)上記のSPレコードについて
「コロムビアレコード戦後邦楽SP盤総目録 78MUSIC」の紹介記事より
http://78music.web.fc2.com/columbia2.html
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曲名 稗搗節
歌手・実演家 神楽坂はん子
演奏 コロムビアオーケストラ、三味線 豊吉・豊藤
作詞
作曲 平川英夫
編曲
番号 A1774
mat 214196
新譜年月 1953.11
区分 流行歌
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2019年3月17日日曜日
ハクモクレン
ご近所の塀越しに、今年もハクモクレンの木が白い花を咲かせた。ちょうど丁字路の突き当たりにあって、ご主人も大事にしているようで、春になるとさまざま小さな鉢に花を入れて塀に飾る。通りすがりの道行く人は、ハクモクレンを見上げて歩を休ませる。
ハクモクレンの元気のいい白くて厚い花弁は、陽射しを受けて艶やかである。寒さの残る風をうけて、花弁をしっかり固めて揺れるさまは若々しい。今一番を盛りと咲いている。
今日、長年入会していた会の長が、今年一月に亡くなられたため、お別れ会が開かれたが、急用のため参加できなかった。ご冥福を祈るとともに、引き際をいろいろと考える今日このごろである。
ハクモクレンの元気のいい白くて厚い花弁は、陽射しを受けて艶やかである。寒さの残る風をうけて、花弁をしっかり固めて揺れるさまは若々しい。今一番を盛りと咲いている。
今日、長年入会していた会の長が、今年一月に亡くなられたため、お別れ会が開かれたが、急用のため参加できなかった。ご冥福を祈るとともに、引き際をいろいろと考える今日このごろである。
2019年3月16日土曜日
イディッシュ文学の夕べ(東京・特別編)
今夕、小田急「成城学園前駅」から数分の距離にある「アトリエ第Q劇場」で開かれた、「イディッシュ文学の夕べ」に出かけた。なお、この朗読会については、Twitter「#イディッシュ語」で知った。
(*)イディッシュ文学の夕べ: http://toyscampus.jp/?p=2299
この公演は、もともと関西を中心にイディッシュ文学の連続朗読会であるが、東京・特別編として公開された。宗教学 / ヨーロッパ史・アメリカ史の研究者である赤尾光春氏**(大阪経済法科大学客員研究員)を中心に、イディッシュ語文学作品の日本語訳書籍を朗読と解説された。(役者もしてますとのこと)
(**)赤尾光春氏: https://researchmap.jp/akaom/
本日の内容(上記「イディッシュ文学の夕べ」より、一部追記)
---------------------------------------------
第一部:シュテットル(shtetl: שטעטל)から世界へ(16:00~18:00)
[朗読]イシダトウショウ・土江優理・赤尾光春
・アイザック・バシェヴィス・シンガー「炉辺の物語」(西成彦訳『不浄の血』〔河出書房新社〕所収)、
・イツホク・レイブシュ・ペレツ「天までは届かずとも」(『世界イディッシュ短篇選』〔西成彦編訳、岩波文庫〕所収)
・ショレム・アレイヘム「ヴァフラクラケス」(『牛乳屋テヴィエ』〔西成彦編訳、岩波文庫〕より)
[演奏]大熊ワタル(クラリネット他)・こぐれみわぞう(チンドン太鼓、歌)・松本みさこ(アコーディオン)
第二部:彷徨える隠遁者――デル・ニステルの作品と生涯(19:00~)
[朗読]宮本荊・土江優理
・デル・ニステル「塀のそばで(レヴュー)」(『世界イディッシュ短篇選』〔西成彦編訳、岩波文庫〕所収)
[解説]赤尾光春(イディッシュ文学の歴史、デル・ニステルの解説)
---------------------------------------------
朗読会なるものは、初めての経験。今まで敷居の高さを感じて、近寄りがたい気がしていたが、正解でないかもしれないが読む演劇と解釈してはどうだろう。朗読された上記作品を読了していたが、今回読み聞かされて物語の視界が広がった。新鮮な経験だった。
イディッシュ文学の歴史について、第一世代の「ショレム・アレイヘム」、「イツホク・レイブシュ・ペレツ」、「メンデレ・スフォリム」があげられる。その後について、「アイザック・バシェヴィス・シンガー」が知られるが、彼は第三世代にあたる。中間の第二世代について、現在、日本語訳の書籍が出ていない。その意味で、(上記第二部で紹介された)」デル・ニステル(Der Nister)」が、第二世代作家といえる・・・そうだ。
ところで、デル・ニステルの作品「塀のそばで(レヴュー)」が今回朗読されたが、以前読んだときと同様頭がグルグルした。実は、この物語について、ロシア革命時代のユダヤ人の存在などを把握していないと理解できないと、赤尾氏から明快な解説があった。
・デル・ニステル: 埋葬地Abez村(ソ連最大の強制収容所があったヴォルクタ近隣)
・物語の舞台(サーカス): ロシア革命を暗示する、物語りに似た構図のサーカスの絵がある(=シャガール?)。
・ロシア革命期の「ユダヤ人共産党員」による、ヘブライ文化の徹底的な毀損(政治は容易に文化を侵食する)。
・登場人物のモデル:女曲芸師リリス=女性の悪霊、ほか
(追記)
ところで、芸術が政治性を帯びると、(敵対するもの同士が)背中合わせの関係になることがある。文学について不案内だが、例えば絵画、彫刻、映像の場合、対立するはずの「社会主義リアリズム」と「純正芸術」に極めて相同性を感じることがある。多分、大長編の「文学」作品といわれるものについても、危なっかしいものありそうな気がする。そんな例を身近に・近隣に見てきたはずだろう。
(*)イディッシュ文学の夕べ: http://toyscampus.jp/?p=2299
この公演は、もともと関西を中心にイディッシュ文学の連続朗読会であるが、東京・特別編として公開された。宗教学 / ヨーロッパ史・アメリカ史の研究者である赤尾光春氏**(大阪経済法科大学客員研究員)を中心に、イディッシュ語文学作品の日本語訳書籍を朗読と解説された。(役者もしてますとのこと)
(**)赤尾光春氏: https://researchmap.jp/akaom/
本日の内容(上記「イディッシュ文学の夕べ」より、一部追記)
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第一部:シュテットル(shtetl: שטעטל)から世界へ(16:00~18:00)
[朗読]イシダトウショウ・土江優理・赤尾光春
・アイザック・バシェヴィス・シンガー「炉辺の物語」(西成彦訳『不浄の血』〔河出書房新社〕所収)、
・イツホク・レイブシュ・ペレツ「天までは届かずとも」(『世界イディッシュ短篇選』〔西成彦編訳、岩波文庫〕所収)
・ショレム・アレイヘム「ヴァフラクラケス」(『牛乳屋テヴィエ』〔西成彦編訳、岩波文庫〕より)
[演奏]大熊ワタル(クラリネット他)・こぐれみわぞう(チンドン太鼓、歌)・松本みさこ(アコーディオン)
第二部:彷徨える隠遁者――デル・ニステルの作品と生涯(19:00~)
[朗読]宮本荊・土江優理
・デル・ニステル「塀のそばで(レヴュー)」(『世界イディッシュ短篇選』〔西成彦編訳、岩波文庫〕所収)
[解説]赤尾光春(イディッシュ文学の歴史、デル・ニステルの解説)
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朗読会なるものは、初めての経験。今まで敷居の高さを感じて、近寄りがたい気がしていたが、正解でないかもしれないが読む演劇と解釈してはどうだろう。朗読された上記作品を読了していたが、今回読み聞かされて物語の視界が広がった。新鮮な経験だった。
イディッシュ文学の歴史について、第一世代の「ショレム・アレイヘム」、「イツホク・レイブシュ・ペレツ」、「メンデレ・スフォリム」があげられる。その後について、「アイザック・バシェヴィス・シンガー」が知られるが、彼は第三世代にあたる。中間の第二世代について、現在、日本語訳の書籍が出ていない。その意味で、(上記第二部で紹介された)」デル・ニステル(Der Nister)」が、第二世代作家といえる・・・そうだ。
ところで、デル・ニステルの作品「塀のそばで(レヴュー)」が今回朗読されたが、以前読んだときと同様頭がグルグルした。実は、この物語について、ロシア革命時代のユダヤ人の存在などを把握していないと理解できないと、赤尾氏から明快な解説があった。
・デル・ニステル: 埋葬地Abez村(ソ連最大の強制収容所があったヴォルクタ近隣)
・物語の舞台(サーカス): ロシア革命を暗示する、物語りに似た構図のサーカスの絵がある(=シャガール?)。
・ロシア革命期の「ユダヤ人共産党員」による、ヘブライ文化の徹底的な毀損(政治は容易に文化を侵食する)。
・登場人物のモデル:女曲芸師リリス=女性の悪霊、ほか
(追記)
ところで、芸術が政治性を帯びると、(敵対するもの同士が)背中合わせの関係になることがある。文学について不案内だが、例えば絵画、彫刻、映像の場合、対立するはずの「社会主義リアリズム」と「純正芸術」に極めて相同性を感じることがある。多分、大長編の「文学」作品といわれるものについても、危なっかしいものありそうな気がする。そんな例を身近に・近隣に見てきたはずだろう。
2019年3月15日金曜日
サンシュユ(山茱萸)
健診の帰り道、暖かい昼の陽射しする公園を通り抜けた。梅林北側に、青空に咲く「サンシュユ(山茱萸)」の爽やかな黄色の花が見えた。ぐんと伸びた枝を、小さな花が集まり飾っている姿は凛として清清しく、その対比は見事だった。
(本ブログ関連:”サンシュユ(山茱萸)”)
(本ブログ関連:”サンシュユ(山茱萸)”)
2019年3月14日木曜日
ヘルム
イディッシュの小話に、お馬鹿(阿呆、あんぽんたん)な人々が登場する街(町、村)がある。賢人(町の指導者、宗教的な指導者)といわれる人も、粗忽な者もみなどこかおかしい。大真面目に頓珍漢なのだ。
(本ブログ関連:”ヘルム”(架空の阿呆村))
そんな、お馬鹿な場所の代表が「ヘルム(כעלעם[khelem])」だ。ポーランド語で「ヘウム(Chełm)」と呼ばれる(「L」の文字に斜め線(ストローク)を付けて[w]と発音)そうだ。ポーランド東部の国境沿いにあり、ウクライナに程近い。Wikipediaで歴史をたどれば複雑で、庶民はあっちに属したり、こっちに属したり大変だ。(一方、目鼻のきく知識人(インテリ)は、先読みの嗅覚が鋭く、融通がきき逃げるのも庶民より早い。それを「亡命」と呼ぶ)
ユダヤ人庶民は、そんな目の廻る場所を笑いの場に変えたようだ。お馬鹿なユダヤ人の住む架空の場所「ヘルム」として登場する。(「ヘウムの賢いユダヤ人」Wikipedia)
以前、イディッシュ語の授業で、ポーランドに永く住んだクラスメイトが、テキストに出てくるヘルムの町について、たしかにポーランドに存在するが、そんな理解をしたことはないと怪訝な顔をされた。笑いの場所「ヘルム」は、特定の街をターゲットにしたというより、落語の「長屋」と同様な、ユダヤ人の仮の舞台なのだろう。
「ヘルム」の人々は善良である。ただ融通がきかないだけである。
(本ブログ関連:”ヘルム”(架空の阿呆村))
そんな、お馬鹿な場所の代表が「ヘルム(כעלעם[khelem])」だ。ポーランド語で「ヘウム(Chełm)」と呼ばれる(「L」の文字に斜め線(ストローク)を付けて[w]と発音)そうだ。ポーランド東部の国境沿いにあり、ウクライナに程近い。Wikipediaで歴史をたどれば複雑で、庶民はあっちに属したり、こっちに属したり大変だ。(一方、目鼻のきく知識人(インテリ)は、先読みの嗅覚が鋭く、融通がきき逃げるのも庶民より早い。それを「亡命」と呼ぶ)
ユダヤ人庶民は、そんな目の廻る場所を笑いの場に変えたようだ。お馬鹿なユダヤ人の住む架空の場所「ヘルム」として登場する。(「ヘウムの賢いユダヤ人」Wikipedia)
以前、イディッシュ語の授業で、ポーランドに永く住んだクラスメイトが、テキストに出てくるヘルムの町について、たしかにポーランドに存在するが、そんな理解をしたことはないと怪訝な顔をされた。笑いの場所「ヘルム」は、特定の街をターゲットにしたというより、落語の「長屋」と同様な、ユダヤ人の仮の舞台なのだろう。
「ヘルム」の人々は善良である。ただ融通がきかないだけである。
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