例年、公園の一画に「ポピー」の花が咲き、目を楽しませてくれる。今年もポピー畑を紅い花弁で埋めてくれるだろう。そんなポピーの間に、青色や白色の花も咲いていて、お伽噺の絵本の背景にでもなりそう。現場で見れば、美しい色彩のバランスを感じることができるのだが。
(本ブログ関連:”ポピー”)
そんなパステル風の世界と無縁に、ベンチに座って、先日ブックオフで入手した本を読み始めた。「汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師 - インテリジェンス奇人伝」(手嶋隆一著、マガジンハウス)だ。
こんな話から始まる。WWⅡ中、ユダヤ人画商が所有していたモディリアーニの絵「杖をついて座る男」が独軍の手に落ち、行方不明となる。戦後、サザビーズのオークションに登場したことから、画商の孫とオークションの落札者側との間で所有権争いが始まったものの、落札側の企業は現所有者を不明で押し通した。ところが、別のところからその現所有者が明らかとなる。「パナマ文書」の解読から、落札側企業のオーナー=現所有者が判明したのだ。現所有者もユダヤ人だった。
話はさらに「パナマ文書」事件へと飛び、世界の権力者たちの蓄財の実態があからさまになる・・・と言った具合に進む。日頃、テレビでさまざまコメントされる手嶋氏の語り口とは思えないほど(失礼!)に快調で、引き込まれていく。
ポピーの可愛らしい世界とは全く別の世界へと展開してしまった。