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2021年9月15日水曜日

ヒガンバナ、シュウカイドウ

小学校の校庭を囲む(土手状の)低い石垣塀の上に、小型の草木が植えられている。この時期、目立つのは葉を持たずに白緑色の花茎と紅色の花弁だけの「ヒガンバナ(彼岸花)」(別名:曼殊沙華)だ。だれが育てたのか、年々その数を増やしている。

(本ブログ関連:”ヒガンバナ”)

ヒガンバナといえば、埼玉県日高市の巾着田にある「曼殊沙華の里」の「曼殊沙華まつり」が有名だろう。高麗川の蛇行によりできた、巾着のような形をした平地の川岸一帯に咲くヒガンバナは圧巻だ。何度か訪れたことがあるが、今年はどうだろうとネットを参照したところ、「新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、曼殊沙華を開花前に刈り込むこととした」ため、イベントは中止となったようだ。

ところで、連日、地元公園の探鳥会のベテランの方が、鳥や植物の様子をメールに写真を付して知らせてくださる。ヒガンバナがすでに咲き始めていると紹介があった。そこで、公園に併設の自然観察園の「ヒガンバナ群生地」がどうなっているか気になり出かけた。

木立のなか、木漏れ陽を受けた紅色のヒガンバナが、ぎっしりと寄せあうように咲いていた。ヒガンバナが、緑の樹林を背景に敷き詰められているのを見るや、引き込まれていくような錯覚を覚えてしまう。
そして、ヒガンバナの姿は妖しく妖艶である。この花を見るたび、石川さゆりの「天城越え」の歌が迫ってくる・・・ような気がする。歌詞に「小夜時雨」の詞があるので、場面は秋末のことだろうけど。




群生地の近くに「シュウカイドウ」の花が咲いている。こちらは、淡紅色の色合いからして中国の南画風である。掛け軸から漂う白檀の香りがするよう。シュウカイドウの和名は「秋海棠」で、秋に咲く「ハナカイドウ」の樹の花に似ているからだそうだ。図鑑を見て初めて知った。


2023年9月20日水曜日

彼岸入 2023

きょうは「彼岸入」。「彼岸」は雑節で、「春分」と「秋分」のそれぞれ前後3日を、「彼岸の入り」、「彼岸の明け」とする。すなわち、年に2度の彼岸に、あの世に思いをはせる日本独特の行事だそうだ(いまは仏教的なしきたりに組み込まれているが)。

春分(今年3/21)と秋分(今年9/23)の、日昇・日没が真東・真西に位置する、太陽信仰に通じるのだろう。そこまで大きな共感はともかく、個々に先祖との一体を確認する・・・わたしたちには、キリスト教にはない「先祖」といった概念がある。

昼どき、公園併設の「自然観察園」に群生する「ヒガンバナ」を見に行く。観察園入口に、アメリカンスクールの低学年(或いは保育園)児童の集団がいた。楽し気な子どもたちの遊び声は、洋の東西問わぬようだ。彼らはヒガンバナ群生地と反対方向へ連なって進んだ。

ヒガンバナ
自然観察園のヒガンバナは、きょう現在、全盛ではない。群生地の南側は木立に囲まれて日陰になっていて、その下に真っ赤な花が敷き詰められている。一方、北側は空が抜けて日射しがまぶしい。不思議なことに、日なたに植わったヒガンバナはまだ蕾(つぼみ)の状態なのだ。写真は、ヒガンバナがいっぱい映るようアングルを工夫したもの。

(本ブログ関連:”ヒガンバナ”)


ツリフネソウ
ヒガンバナの群生地に至る途中の湿地に、紅紫色の面白い形をした「ツリフネソウ」が咲いている。ポケット図鑑「日本の山野草」(岩瀬徹監修、安藤博写真)に、「和名は花の形が吊り下げた帆掛け船によく似ているから」とのこと。訪花昆虫にしっかり花粉を付けてもらうための仕組みがある。


(資料)【多摩森林科学園】:  https://www.youtube.com/watch?v=UE8pIigFVU4

花を見た帰り道、観察園から外に伸びた樹々が作った日陰に、先ほどの子どもたちが座って、賑やかに昼食をとっているのとすれ違った。きょうも暑いのによく頑張ったねと思いながら通り過ぎた。

2020年10月2日金曜日

ヒガンバナ

早起きして公園の自然観察園に「ヒガンバナ(彼岸花・曼珠沙華)」の群生を見に行く。観察園の扉が開くのに少々早く着いたようだ。観察センターに立ち寄って、(新型ウィルスの余波もあって昨年版だが)今月の「花だより」の野草リストをいただく。裏面には観察順路が図示されていてありがたい。

(本ブログ関連:”ヒガンバナ”)

実は、今年の観察園のヒガンバナの開花が遅いと話題になっていたが、昨年同様、観察園の西側の一画を赤く敷き詰めた。葉を見せず、細身の茎の上に真っ赤に燃えるような花弁を揺らせ、細い雄しべと雌しべで飾っている。それが妖しいとか妖艶とか、毒性もあって死のイメージにまで広がる不思議な花だ。

来園のひとびとは、そんなイメージと関係なく、赤く広がるヒガンバナの群生に見入り、シャッターを切ったりした。今年も会えたという喜びの方が勝っているかもしれない。



ヒガンバナは、上掲のような群生でないが公園のあちこちにも咲いている。日本のヒガンバナは遺伝情報の持ち方から、有性でなく球根を分けることで、つまり人手を介して人為的に増える。チューリップ畑を見て感動するようなものかもしれない。でも、それでもひきつける。

2024年10月6日日曜日

自然観察園のヒガンバナ(彼岸花)

いつもの野鳥観察(探鳥会)のフィールドと隣接した公園に「自然観察園」がある。先日(9/25)訪れたとき、観察園の西側を紅色に染めるべき「ヒガンバナ」群生地の開花状況は芳しくなかった。その時点で、峠を越えてしまったのか、それともまだなのか判別できずにいた。

(本ブログ関連:”ヒガンバナ”)

きょう出かけてわかった。いままさに盛況である。
園内の湿地帯の板橋はまだ補修が済んでない。したがって、群生地まで一通路しか利用できず、見学者で混みあった。そんなわけで、写真の背景に人影はない。
ともあれ近くで鑑賞できるこの場所はとても便利である。


ヒガンバナ以外に、紅色系の「シュウカイドウ」(淡紅色)や「ツリフネソウ」(紅紫色)の花が咲いていた。きょうが快晴だったら、もっと華やいでいたことだろう。

(追記 10/23)
毒性のある植物としてヒガンバナを紹介しているYoutubeがある。
「【危険】あなたの身近に潜む猛毒植物7選」(登録:「野草研究所」)
https://www.youtube.com/watch?v=2znMCPPwpDQ

まさに「秋枯れが始まった雑木林の林縁などでよく目立つ朱色の果実をつける、つる性の多年草」(Wikipedia)の「カラスウリ」の赤い実が、つるにぶら下がるように連なり膨らんでいた。
紅い実に少々食欲をそそられるが、ネットの解説やレポート記事を見ると、熟す前の青い実が材料になるようだ。


公園を流れる小川の水量が半端なく、数日の雨で溢れたようで、岸辺の平地が水に濡れ、溜まっていたりしている。

2023年4月18日火曜日

(資料)スイセン(水仙)

冬から春にかけて白や黄色の花を咲を咲かせる「スイセン(水仙)」には、スイセンが含まれる植物分類上の「科」に、彼岸の秋(9~10月)にかけて朱紅色の花を咲かす「ヒガンバナ(彼岸花)」がいる。
公園併設の「自然観察園」の西奥に、スイセンとヒガンバナが隣接して生育している。ともに群生して咲き、見事な光景を見せる。特にスイセンは1月ころが花盛りと、園の野草管理をするボランティアの方から聞いた。

中国の「水仙」の文字を音読みしたスイセンは雪景色が似合う。中国明代の「月令廣義」(馮應京著)に、冬に咲く四種の花の(文人画の)画題として「雪中四友」があり、「黄梅」、「ロウ梅」、「水仙」、「山茶花」をあげているという。

スイセンには「雪中花」という風雅な別名がある。ネットで「雪中花 和菓子」と検索すると、全国の和菓子店が競うように、練りきりで水仙の花弁を或いは雪景色に咲く様を見立て造形している。水仙の姿を重ねて菓子にしあげる和菓子伝統の表現力、巧みさを感じる。

(本ブログ関連:”スイセン”、”ヒガンバナ”)

ところで、スイセン(Narcissus、原産 地中海地域)とヒガンバナ(Spider lily、原産 中国)には次のような共通した特徴がある。
・日本での増殖では、スイセンは一般に種がつきにくい(人工的に3倍体品種である)ため、球根で増やす必要がある。またヒガンバナは自然に種子を作れない染色体(3倍体)のため、同じく人手による株分け(球根の分球)する。
・ともに、鱗茎に「リコリン」(C16H17NO4、アルカロイドの一種)の毒性を持つという。


関連資料 -------------

東洋
① Wikipedia: 「水仙」より抜粋
仙人の格づけに、最上位の「天仙」があり、下位に「地仙」、さらに「尸解仙」とつづく。
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和名スイセンという名は、中国での呼び名「水仙」を音読みしたもの*。中国で名付けられた漢名の「水仙」は、「仙人天にあるを天仙地にあるを地仙水にあるを水仙」という中国の古典**に由来する。水辺に育ち、仙人のように寿命が長く、清らかなという意味から名付けられたとされる
(* )出典:『効きめと使い方がひと目でわかる 薬草健康法』( 田中孝治著、講談社)
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(**)南京师大学报(社会科学版)「论中国古代的水仙文学」(高峰著、2008年1月1日)
唐代司馬承禎の「天隐子・神解章」の言葉として紹介されている。
ー http://www.zhiwutong.com/news/2008-01/27226.htm

(参考)「<論説>道教の神仙観念の一考察 : 尸解仙について」(宮川尚志、京都大学、1971)
ー https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/238019/1/shirin_054_1_29.pdf


西洋
① Wikipedia: 「スイセン属」より抜粋
スイセンの学名「Narcissus tazetta」の Narcissus から
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(スイセンの)属名である Narcissus という学名は、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスに由来する*。ギリシャ神話によれば、ニンフのエコーは愛する美少年ナルキッソス(Narcissos)に振り向いてもらうことができなかったので痩せ細り、声だけの存在になってしまう。エコーを哀れんだ女神ネメシスは、池に映った自らの姿に心酔しているナルキッソスをスイセンの花にしたという*。
(*)大嶋敏昭監修「花色でひける山野草・高山植物」(成美堂出版、2002年)
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スイセンの英語名は「Narcissus」あるいは「daffodil」(フォ-クソング「七つの水仙」の曲名は、”Seven daffodils”)

② Wikipedia: 「エーコー」より抜粋、エーコーが声を失った理由
森のニンフ(精霊)であるエーコーは、一般に「エコー」と語られ、文字通りギリシア語で木霊・反響などを意味する。
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・オウィディウスの『変身物語』*によれば、(ギリシャ神話の主神)ゼウスの浮気相手となった山のニンフたちを助けるためにエーコーはゼウスの妻ヘーラーを相手に長話をしつづけたことがあったこのためにエーコーはヘーラーの怒りを買い自分からは話かけることができず、誰かが話した言葉を繰り返すことしかできないようにされた
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(*)古代ローマの詩人、原題「Metamorphōsēs」


薬効
① 小冊子「植物知識」(牧野富太郎)の「スイセン」の項より抜粋
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Narcissusは麻痺の意
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② 熊本大学薬学部 「今月の薬用植物」サイト
「すいせん(Narcissus tazetta L. var. chinensis Roem.) ひがんばな科(Amaryllidaceae)」(2003年2月) ・・・より抜粋
-http://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/flower/H1502.html
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・ラテン名の「Narcissus」はギリシャ神話で美少年と言われるナルキソス(Narkissos)からきたとも言われていますが,ギリシャ語のnarkeという『麻痺させる昏睡無気力』意味の語から由来とされていますスイセンの鱗茎は神経を麻痺させるアルカロイド(Lycorine等)が含まれていますnarkeは英語の麻酔剤narcoticの語源です
・「tazzeta」はイタリア語の小さなコ-ヒ-カップの意味です.副花冠の形が似ているからでしょうか.そんな思いでよく観るとメリ-ゴ-ランドのコ-ヒ-カップに似ている夢のある花です.
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(追記)野鳥「キビタキ
探鳥会のベテランの方から日々配信される会員向けメール(4/19)に、野鳥「キビタキ」の初認報告があった。オスは、頭部が黒く腹にかけて橙色から黄色になり、そのさえずりが明るい。そこで、ネット上の野鳥情報サイトも検索してみた。

「サントリーの愛鳥活動トップ」サイト、「日本の鳥百科」の「キビタキ」の項
https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1414.html
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学名ナルシシナ(Ficedula narcissina)、英語ではナルシッサス・フライキャッチャー。ともに「水仙」の意味で、人の目に鮮烈に映るかを物語っていると思います。と同時に、キビタキには、自分の姿の美しさに見とれて、泉のほとりで水仙になってしまったというギリシャ神話の美少年ナルシスの姿を連想させるではありませんか。
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2022年9月21日水曜日

ヒガンバナ 九分咲き

先週、公園の管理センターに自然観察園の「ヒガンバナ(彼岸花)」の開花状況を問い合わせたところ、今は周辺から咲き始めていて、満開はこれからだろうとのことだった。台風(14号)が過ぎて日射しも回復したきょう、頃合いかもしれないと自然観察園へ出かけてみた。

(本ブログ関連:”ヒガンバナ”)

台風の影響か、観察園に向かうに道筋に、樹々から落下した小枝や葉が散らばっていた。観察園を仕切る金網越しに、ヒガンバナの群生地に赤い花が広がっているのを確認する。
園内には、平日にもかかわらず、暖かい日射しに誘われてか多くの人びとで賑わっていた。


この時期、真っ赤な花が咲くヒガンバナには葉がない。花と茎だけである。その後について、牧野富太郎の小冊子「植物知識」は次のように記している。
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花が済むとまもなく数条の長い緑葉が出て、それが冬を越し翌年の三月ごろに枯死(こし)する。そしてその秋、また地中の鱗茎(りんけい)から花茎が出て花が咲き、毎年毎年これを繰り返している。かく花の時は葉がなく、葉の時は花がないので、それでハミズハナミズ(葉見ず花見ず)の名がある。
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ところで私見だが、群生地の開花状況は、九分咲きといったところ・・・、残り一分はこれから(数日後)と思うが、台風で茎が横倒しになったものがあるので心配。ぜひ、群生地一面を真っ赤な花で咲き誇るように敷き詰めて欲しい。

2018年9月20日木曜日

彼岸の入り 2018秋

暦の「雑節」に、昼と夜の長さが(ほぼ)同じになる「春分」(今年3/21)と「秋分」(今年9/23)があって、それぞれを中心(「中日」)にして、前・後に3日間の幅を設けて「彼岸」と呼ぶ。例えば、今月9/23の「秋分の日」の3日前に当る今日(9/20)を「彼岸の入り」、「秋分の日」の3日後の9/26を「彼岸明け」という。

(本ブログ関連:”彼岸”)

彼岸の行事は、本来仏教に由来するといわれるが、Wikipediaによれば「祖先供養の行事へと趣旨が変わって定着した・・・日本独自のものでインドや中国の仏教にはない」という。ついでにいえば、祖先供養という考え方はキリスト教にもイスラム教にないといわれる。祖先供養が在るか無いかについて、農業など土着文化との関わりについて知りたい。

ところで、先日ブログに記した「ヒガンバナ(彼岸花、曼珠沙華)」の花が、なぜ仏教的な名前を付けられたのか知りたい。蓮の花ならば極楽浄土のイメージにつながるが、ヒガンバナを描いた仏画があるのだろうか。

さらに、Wikipediaによれば、ヒガンバナは中国起源で、稲作と同時に持ち込まれたとか、日本国内に咲くヒガンバナの遺伝子はずべて同一とか面白い話題がある。ヒガンバナの歴史ルートをたどると、何かが見えてくるかもしれない。

2023年9月16日土曜日

十月桜

昼前、公園を巡った。日射しが穏やかな土曜日、原っぱには、エネルギーの溜まった幼児たちを発散させるためか、家族連れで賑わっていた。

カワセミ
わたしも、歳なりに気分転換。以前使用の小型デジカメを持って出かけたところ・・・、豪雨で溢れた小川の水の取入れ口(暗渠柵)に、「カワセミ」が一羽とまっているのを発見。カメラにおさめたものの、後で画像を拡大しても点でしかない。まあ、久し振りにカワセミに遇えたのだから幸運・良しとしよう。

ジュウガツザクラ
公園の広場の奥に、園芸種「ジュウガツザクラ(十月桜)」の木立がある。それぞれ膨らんだ蕾(つぼみ)のなかに、二、三輪開花しているものがあった。十月桜は、「春と秋から冬にかけての二度開花する、二季咲きが最大の特徴」(Wikipedia)とある。仲秋に桜の花と出会うことができた。
ジュウガツザクラについては、本ブログに何度か記しているが、季節外れの貴重な花だけに通りすがり見つけると、つい寄ってしまう。

(本ブログ関連:”十月桜”)


ハナミズキ
春に散ったサクラの感動を埋め合わせるように遅れて咲く「ハナミズキ(花水木)」の実が、赤く染まっていた。紅葉時には赤色の葉と実がまじり合い、落葉後も実を枝先に残すという。ハナミズキを、季節を追って観察することはあまりないので、赤く輝く実を見ることは貴重だ。

(本ブログ関連:”ハナミズキ”)


ヒガンバナ
小川の土手に遊歩道があり、さらに一段高く傾斜した場所に雑木林がある。その段差の壁上に、「ヒガンバナ(彼岸花、曼珠沙華(マンジュシャゲ))」が、そろそろ真っ赤な花を開き始めたようだ。ヒガンバナの赤く妖艶な花弁を見るたび、なぜか 石川さゆり の「天城越え」(作詞 吉岡治、作曲 弦哲也、1986年)の歌を想い出す。

(本ブログ関連:”ヒガンバナ ”)

写真の左手前側は、蕾(つぼみ)の状態・・・白色の花を咲かすか。同じく写真の右奥側は、赤い花弁で咲く。

2023年9月24日日曜日

日陰と日向(ひなた)

昨朝、野鳥観察(探鳥会)の開始時、小雨模様だったので勝手に判断して欠席した。その後、会の幹事さんから同理由で中止した旨のメールをいただいた。休会がオーソライズされことに一安心した・・・というのは、今月定例の全2回とも休んでしまったからだ。

きょうは、晴れ間・曇り間がすぐに入れ替わる空模様だった。厚い雲が流れると日が陰って涼しくなる。そして雲間から日が射すと、急に暑い日向になる。公園のベンチに座って涼んでいたが、すぐに太陽が顔を出して辺り一帯をジリジリと焼いた。


公園を横断する小川の土手に、さらに一段高い斜面の境界ぎわ上に「ヒガンバナ」が大きな花弁を広げて連なっている。おかげで視線の位置に咲くヒガンバナの様子をうかがえる。葉を持たず、茎の上に真っ赤な花弁を持った姿を見るに、あらためて唐突な感じがする。


隣接の公園に併設する「自然観察園」に、ヒガンバナの群生地がある。開花状況を確認しに行ったところ、「彼岸の入り」(9/20)のときと変わらず、群生地の南側(木陰になっている)は一斉に咲いているものの、北側(日向が広がる)はほとんど蕾(つぼみ)だった。ネット情報によると、ヒガンバナは日射しの強い乾いた土地では、開花が遅れるようだ。

2025年9月17日水曜日

自然観察園(アカメヤナギ、ヒガンバナ)

朝晩に秋の気配を感じるようになったが、昼間の陽射しは夏が居すわったようで、まぶしく暑い。そんな昼過ぎ(午後3時半ころ)、公園併設の自然観察園へ出かけた。来週の体力測定の準備ため、つけ刃かもしれないが少しでも歩いて体力をつけたいためでもある。

(本ブログ関連:”自然観察園”)

観察園内は雑草?が茂り、むせかえるような熱気と湿気におおわれていた。人影はほとんどない。園内をめぐると汗だらけになり、ハンカチは帰宅後すぐに洗濯機に放り投げこまれた。

観察園の入り口にある掲示板に、今月(後半)のトピック植物写真が、観察順路図に番号対応して紹介されている。それらを事前に参照して園内を巡るのだが、いつもピッタリと出会えるわけではない・・・よくよく観察する必要がある。

掲示板の近くで見つかるはずの、タデ科の「イシミカワ」の美しい青い実(=顎[がく])を探したが見つからない。そのそばにいるはずのユリ科の「シオデ」の黒い実もよく分からない。ほかに実があるのだが・・・早々にへこたれる。

アカメヤナギ
園内の湿地をまたぐ板橋に囲まれた場所に、これまで何度かブログに取り上げた「アカメヤナギ(マルバヤナギ)」が立っている。前回(8/31)記した「エノキ」と同様、絵本に絵がれるような不思議な樹形である。まるで、古いディズニーアニメを彷彿させるような。

(本ブログ関連:”アカメヤナギ”、”エノキ”)


ヒガンバナ
観察園の西側奥に、赤い花を一面に咲かす「ヒガンバナ」の群生地がある。何と、入り口脇に一輪花をつけていたので、群生地を目指して行ってみることにした。ぽつぽつと数株が咲いていた。同園のボランティアの方がたまたまいたので、いつ頃が見ごろかたずねたところ「いまは、10輪ほどだが、来週の『彼岸入り』(9/26)ころに来るとよい」とのこと。

(本ブログ関連:”ヒガンバナ”)

2024年9月25日水曜日

公園の秋

朝夕、冷え込みが日ごと深まる。とうとう昨晩からふかふか布団に切り替えた。早朝(05:00ころ)の外気温は、17.4℃くらい。これから、どんどん下っていくことだろう。そうそう、水道水が始め冷たくやがて温くなるという、真夏と逆転現象が起きている。

それでも、きょうの最高気温は 24.5℃(12:31)だった。ムクムクした雲に一面覆われて、陽射しに力なく緩い秋の空模様だった。そんななか(午後3時近く)、公園併設の「自然観察園」へ出かけた。

今月は、残暑のせいで、観察園のボランティアの方々も活動をひかえているようだ。園内は雑草が繁り、湿地帯の板橋も補修の手がつかないままのようだ。入口にある掲示板には、いつも野草の写真とその番号を地図上にプロットしているが、現在、断り書きが貼られていて、最新の情報ではないと記されている。

ヒガンバナ
観察園の西側奥にある「ヒガンバナ(彼岸花/曼珠沙華(マンジュシャゲ))」の群生地へ、限られた通路でたどり着いた。そこには、紅い花がまばらに咲いているだけだった。全面開花の峠を越えたのか、それともそれ以前なのか正直分らない。

(本ブログ関連:”ヒガンバナ”)


コスモス
隣接する公園へ、足を延ばした。変わり映えしない緑の景色が広がっている。雑草に目配りできる眼力があれば楽しめたのに残念。ある橋の際に、「コスモス」が薄紫色の花を咲かせていた。以前、ベテランの方から、公園にこんな風に人手による種付けは、公園本来の趣旨に反することだが・・・と。素人は(わたしも)、コスモスを移植した人の心理と変わりなく、見栄えの良いものについ目が行きがちだ。

(本ブログ関連:”コスモス”)

2024年9月27日金曜日

曼殊沙華:由利あけみ「長崎物語」

ヒガンバナ(彼岸花)」を「曼殊沙華(まんじゅしゃげ)」ともいう。葉を伴わず、真っ赤な花を茎の先に咲かせる。

(本ブログ関連:”ヒガンバナ”)

・ヒガンバナの漢字名である彼岸花には、いかにも宗教的な香りがして、「死」との距離の近さを感じる。そんな訳ではないかもしれないが、自然に咲き広がることのないこの花を、小学校の石垣上の土手に善意で植えた人物がいたようだ・・・それが増え過ぎて、今はすべて刈り取られている*。
(*)訂正(10/3):小学校前を通ったとき、しっかり赤い花が連なっていた。

・曼殊沙華の燃えるような真っ赤な花模様に、女性の熱い情念を想起する。演歌などにそんなイメージが歌い込まれる。石川さゆりの「天城越え」の歌詞には、直接的な表現はないが聞くたび真紅の曼殊沙華が浮かんでくる。


由利あけみ「長崎物語」
由利あけみ(1913年(大正2年)~2010年(平成22年))の歌「長崎物語」(作詞:梅木三郎、作曲:佐々木俊、1939年(昭和14年))は長く歌いつがれ、私が子ども時代にも「赤い花なら 曼珠沙華」のフレーズをよく耳にした。江戸期に、鎖国令のため南方へ追放された「じゃがたらお春」の運命を偲(しの)び、ひとの別れを悲しむ歌だ。歌詞を理解したわけではなかったが、「まんじゅしゃげ」の言葉は記憶に残った。
時代に翻弄されたじゃがたらお春の、故郷をなつかしむ美文が知られていて、その「じゃがたら文」を伝えた江戸中期の学者に対して、後に疑惑がもたれたそうだ(Wikipedia)。

赤い花なら 曼珠沙華
阿蘭陀(オランダ)屋敷に 雨が降る
濡れて泣いてる じゃがたらお春

■ Youtube: 「長崎物語(由利あけみ)」(登録者:0jac5)
https://www.youtube.com/watch?v=Xj_8h-8PxMo


(付)
山口百恵の「曼珠沙華」
山口百恵の歌「曼珠沙華」(作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童、1978年(昭和53年))では「マンジューシャカ」と歌う。ある意味内面的な場面であり、深まる苦悩の象徴として曼珠沙華が登場する。

マンジューシャカ 恋する女は
マンジューシャカ 罪作り
白い花さえ 深紅に染める

2020年9月20日日曜日

自然観察(2)

曇り空の午前中、公園(および自然観察園)を巡っての自然観察の会に参加する。草花から昆虫・野鳥まで多様な対象をカバーして解説いただくわけだが、手帳にメモしているうち、それぞれの名前が飽和・沸騰して蒸発・揮発してしまう。何とかカメラに収めたりしたが、帰宅して確認してみると、メモの記録と写真が結びつかない・・・混乱するばかり。

次に、分かる範囲の野草や樹の花の写真を並べてみる。他にも多数撮ってみたたが、手帳の記述とネット情報を照合しても不明が多い。(かように記憶がおぼつかず定まらない)
タマスダレ(ヒガンバナ科)
ヤマザクラ(薄桃色が数輪、他に白色が数輪)
カリガネソウ(シソ科)
白色のヒガンバナ(ヒガンバナ科)

野草について、「メ(雌)ヒシバ(日芝)」、「オ(雄)ヒシバ」は互いに属が異なること。「イボクサ」はイボ(疣)取りの薬用として使われたこと。「キツネノマゴ」は<ガク>がキツネの尻尾に似ていることなど、大ベテランの方から様々教示いただいた。

鳥に詳しい方からは、遠く高圧線鉄塔上に留まっている「モズ」や樹上で鳴く「クサヒバリ」を、昆虫に詳しい方からは、「ショウリョウバッタ」や「エンマコオロギ」の雌雄の違い(体形・羽)について教示いただいた。

観察会の終わり、小雨のぱらつく帰り道、公園をおおう草木の豊富なことにあらためて感じいった。今まで見ていたはずの緑の光景が実に多様なことを思い知らされた。

2019年10月3日木曜日

自然観察園の「曼珠沙華(ヒガンバナ)」

昨日、「自然観察園」を囲う金網越しに、「曼珠沙華(ヒガンバナ 彼岸花)」の紅い花が群がっているのが見えた。もう一度直接見たく、今日、同園を訪れた。入り口に向かう道筋に沿って流れる小川の川面は、温い陽射しを反射する。随分と暖かく感じる。そして、平日の昼過ぎなのに人出も多い。

(本ブログ関連:”曼珠沙華”、”自然観察園”)

自然観察園に入ると、いつものように野草や木々が迎える。すぐに、低木の枝先に小さな紫色の実を集めた「コムラサキ」や、その変種で白色の実の「シロミノコムラサキ」が目に飛び込む。

観察園の遊歩道を西側へ進むと、木立の陰の下に真っ赤な曼珠沙華の花が一面ぎっしりと密集している咲いているエリアに着く。圧倒されるような曼珠沙華の花の広がりだ。


既視感があって、ここをさらに大規模に広げた、埼玉県日高市にある「巾着田」の光景だ。一方、観察園は小とはいえ曼珠沙華の咲き振りは、巾着田と違わぬほど。鑑賞にはむしろこれで十分かもしれない。気をせいて撮影に熱中するのを自制した。目にしっかり焼き付けておきたいと思ったからだ。

2023年8月17日木曜日

キツネノカミソリ

暑い夏、うなぎで誘ってむすこの近況を聞く。 いつも通りのこと、結局は私のむかし話に終始した。親父との会話は弾まないもの。私も父親とは聞くことに徹していたな。
そうそう、夜中に、洗面所に灯りをつけず入って鏡を見たとき、そこに親父がいた。今度は私の番、順送りってとこか。

分れてのち、台風7号の余波もない空には巨大な雲が並び、陽射しが熱い。喫茶店に逃げ込み、涼をとりながら古書の頁をめくった。ソ連が崩壊する8年前に出版された「ロシア無頼」(内村剛介著、高木書房)だ。1980年時点での、あるシミュレーションが描かれている。シベリア抑留を経験された著者の洞察を以ってすれば、すべてはお見通しか。

(本部ブログ関連:”内村剛介”)

公園の噴水(水あそび場)
まだまだ明るい、もったいないので、家路をそれて公園をぐるり巡ってみることにした。
いままで気にしていなかったが、公園管理事務所前にある、円周上に配置された8本の石柱の腹から水が噴き出ていた。そして円の中心にある低い石台からも激しく水を吐き出していた。石の造形を公園のストーンヘンジと洒落て見た。
この時期、格好の水遊び場所になって、幼い子ども(2、3人)連れの家族がつぎつぎ現れた。


コナラの立ち枯れ
公園の調節池(現在:から地)の北側小道に、「コナラ」の樹が、一部の枝を除いて葉が完全に枯れていた。幹の下側を薄茶色の大きな <紙> で覆っている(「調査中はがさないで下さい」の文言が記されている)。
「ナラ枯れ病」を防除できなかったのだろうか。「カシノナガキクイムシ」が媒介する菌に感染しないため、この虫の侵入を防除する <虫取り紙> のようだが・・・・。

(本ブログ関連:”ニレ立枯病”)

キツネノカミソリ
今度は本当に帰路につく。公園と外部(北側)を仕切る緑陰を狭い車道が通っていて、湿った斜面(国分寺崖線)との境界に金網が張られている。ある一画に、ヒガンバナ科の「キツネノカミソリ」が群生しているのに出会った。一瞬、ヒガンバナかと思ったが、濃い橙色の6枚の花弁に気付く。日陰に咲く様は、力強く存在感がある。

(本ブログ関連:”キツネノカミソリ”)

2020年10月5日月曜日

コスモス

秋の気配が濃厚になった先週の金曜日(10/2)、自然観察園で「ヒガンバナ」の群生を見てきた。きょう、もう一度眺めてみようと思い出かけたが、月曜日が休園であることをとんと忘れていた。

そこで、せっかく来たのだからと、公園近くで「コスモス」を探してみることにした。二つの公園にまたがる橋のそば、堤に沿ってこじんまりとコスモスの花が連なっているのを見つけた。

(本ブログ関連:”コスモス”)

コスモスの花は愛らしい気がする。パステルカラーの薄桃色の花弁が身を任せるように風に揺れているさまは、幼子のようにあどけない。いつまでも見入ることができる花だ。

コスモスは秋桜とも記す。しっとりとした情感をさそう、山口百恵の「秋桜」が聞こえてくる。明治近代に渡来した外来種だが、日本人の感性に合っていたのだろう、まさに秋の桜だ。

以前、埼玉県の日高市にある巾着田でヒガンバナ(曼殊沙華)を見た帰り、巾着田の内側一面にコスモスの花で埋まっていたのを思い出す。正直、月並みかもしれないが天国の光景が浮かんだ。わたしにも、そんな想いがしたのだ。

今年は新型ウィルスのせいで、残念ながら遠出を控えている。できるなら都内で大規模なコスモス畑を訪れてみたい。立川市にある「国営昭和記念公園」で「コスモスまつり 2020」*を今月下旬まで開催しているとのこと、しっかり目に焼き付け、胸いっぱいに畑の空気を吸ってみたい。
(コスモスまつり: https://www.showakinen-koen.jp/event/cosmos2020/ )

日本画の掛け軸風に、コスモスの写真を縦長にトリミングしてみた。

2021年9月26日日曜日

玉川上水緑道観察会

午前中、玉川上水の2つの橋をはさんで両岸沿いをたどる「玉川上水緑道観察会」に参加した。帰宅して直ぐにブログに記すことができなかったため、後日、タイムスタンプを調整して当日付けとして登録した。

自然観察会の会長であるベテランの方からの指導解説を聞きながらメモした。その情報があまりに膨大なため、植物(野草・樹木)の名だけ次に記す。聴き間違いで、誤記の場合は容赦を。
他に、植物の基本知識(葉脈・葉序など)や、玉川上水、寺院、石碑などの歴史についてもくわしく語られた。

カラスウリ
ヤマイモ
(オニドコロ)
アオツヅラフジ
ヒガンバナ
スイカズラ
カクトラノオ
イヌガヤ
ミズヒキ
ヘクソカズラ
ウコギ
オニドコロ
シロダモ
チャノキ(茶の木)
カニクサ
ノブドウ
フタリシズカ
ムクノキ
(エノキ)
イロハモミジ
アザミ
アキノタムラソウ
ツリガネニンジン
アキカラマツ
アカメガシラ
アブラススキ
ツユクサ
シラヤマギク
シラカシ
トウネズミモチ
ミズヒキ
カラムシ
ムクノキ(黒い実:かすかに甘みがする)
ナツメ(赤い実:リンゴのような味がする)
ケヤキ
ヤマゴボウ
クサギ

虫こぶ(虫[ちゅう]えい)
クモ

2020年1月5日日曜日

ロゼット (都心で初雪)

冬になると、公園併設の「自然観察園」に咲く野草の花を余り見かけない。同園配布の1月の「自然観察便り」のリーフレットに、<冬越し> の植物の姿から特に「若葉(幼苗)」を多数紹介している。

リーフレットによると、秋から冬に芽を出して、地表に張りつくように放射状に若葉を並べて、そのまま冬を越す姿を「ロゼット(Rosette)」と呼ぶ。バラの花(ラテン語でRose)の形を想起することから名付けられたそうだ。

同園ではボランティアによる毎月定例の「植物観察会」があって、きょうが今年最初にあたる。今回、初めて参加した次第。多数の参加者をグループ分けして、園内をガイドしていただき回った。
・植物の葉が順に放射状に出るのに法則がある。最初の葉が出ると、次の葉は137.5度回転して出るという。これを「黄金角」と呼び、つづく葉も同様にこの角度を守って出るそうだ。
・冬に葉だけを広げるのは、太陽光を浴びて光合成により根茎に養分を蓄えるためという。「ヒガンバナ」のつややかな葉だけが残って群集している場所で教えてもらった。

二十数種のロゼット形の野草を紹介いただいた。考えてみれば、ロゼットはまことに地味な姿である。タンポポやアザミのようなものしか判別できないレベルのため、実際に見聞きするうちに次第にみな同じに見えて、記憶がオーバーフローしてくる。そんな中で聞いた、「ギシギシ」(スイバ属)の別名が「スカンポ」という話にぐっと身近に感じたりした・・・。

ところで、1月になれば、「ロウバイ(蝋梅)」の木が黄色の花を咲かせ、よく見れば花の中心が濃茶色であるが、「ソシンロウバイ(素心蝋梅)」は、次の写真のように、花の中心まで黄色のため眩しく軽やかである。

(本ブログ関連:”ロウバイ”)


これを機会に、毎月1回ある植物観察会に出かけてみようかと思っている。


(追記)1/4、東京都心で今季初雪を観測
NHK NEWS WEBの記事「『東京の都心で初雪を観測』と発表 気象庁」*(1/5)より抜粋
(*) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200105/k10012235631000.html
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関東地方は気圧の谷と寒気の影響で雨や雪となり、東京の都心でも4日夜遅く、みぞれが降って気象庁は「東京の都心で初雪を観測した」と発表しました。平年より1日遅く昨シーズンより8日早い初雪です
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ちなみに「初雪」の定義について、気象庁の「用語解説」は次のように記している。
(**) https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq1.html#20
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初雪とは何ですか?
気象庁における初雪とは、寒候年(前年8月から当年7月まで)初めて降る雪みぞれを含む)です。
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2021年8月6日金曜日

真夏の自然観察園

真夏の昼過ぎ、直射日光に跳ね飛ばされそうになりながら、公園の小川沿って巡った。虫刺されに気を付けて予防薬を腕に塗ったが、この暑さにヤブ蚊は気が滅入ったのか出てくることはなかった。木陰でのんびり涼をとろうとしたところ、そこへ熱気が追いかけるように押し寄せてきた。目前の木洩れ日の白い斑点は、まさに銃弾が撃ち込まれて開いた穴に等しく、逃げ場がない。あわてて緑濃い「自然観察園」へと離脱した。

木立が密集した自然観察園は、随所に小池があるためか、吹く風が爽やかだ。一昨日(8/4)に来たとき(ブログに未報告だが)と比べて、空気は穏やかに感じた。しかし気象庁の(時間別)観測データで比較したところ、気温差はむしろ真逆・・・気分だけじゃあ当てにならない証左か、それとも湿度のせいだったのだろうか。

(本ブログ関連:”自然観察園”)

セミの鳴き声がかまびすしい観察園には、今どき咲いている花と所在を紹介する案内(掲示板、パンフレットはセンターで配布)があって、今回もそれらをもとに廻ってみることにした。次は、何となく気分で選択して撮影したもの。
昨年7月30日にも観察園を訪れていて、ほぼ同じものを観察したのに気づいた)

① ヤブラン
自然観察園の木陰は、先々月の6月に「ドクダミ」の白い花で覆われていたが、きょうの園内は「ヤブラン」の淡紫色の花があちこちに咲いていた。地味な花だけど落ち着きがあり、その存在を主張するさまはゆるぎない。

① ヤブラン
② ヒオウギ
多く群れていないので、「ヒオウギ」はきゃしゃに見えるが、近づいて観察すると橙赤色の花弁の斑点模様はとても野生味がある。わたし的に(根拠なしに)は、アフリカのイメージすらするが、原産はアジアのようだ。

② ヒオウギ
③ キツネノカミソリ
ヒオウギの色合いに似た橙色の花弁を探した。名前は「キツネノカミソリ」といたって切れがよいし、実際細くシャープな花弁をしている。ヒガンバナの仲間のようで、キツネの名と云い、近寄るとケガをしそうなイメージがする。実際、有毒植物だそうだ。

③ キツネノカミソリ
④ ヤブミョウガ
小さな白い花が集まって咲く「ヤブミョウガ」は、他の花とは違うという、距離感がる。名前の一部に「ミョウガ」があるが、外見が似ているという(実際に比べた経験はないけれど)。ヤブミョウガはツユクサの仲間で、ミョウガはショウガの仲間だそうだ。・・・知らないことばかり。

④ ヤブミョウガ
⑤ その他
・セミの抜け殻が草の葉についていた。一体なんのセミなのかよくわからない。
・一昨日(8/4)、ハグロトンボ。オオシオカラトンボ(メス)を見かけた。ほかにバッタが多数いたが、昆虫の世界まで広げる余裕は乏しくて・・・。

⑤ セミの抜け殻

2022年12月4日日曜日

マユミの実(種子)とスイセンの花

昼ころ、紅葉の公園へ行った。日曜日のせいか、バーベキュー広場もグラウンドも人出であふれていた。私は、昨日(土曜日)恒例の「野鳥観察会」(探鳥会)を欠席したため、自然と接するという辻褄合わせ?で出かけたわけだが。

例によって、公園付属の「自然観察園」を散策した。こちらは意外なほど人の気配がなかった。冬だから花も見当たらない。入口に配置の「12月の自然観察園の花だより」を片手に巡ることにした・・・。

マユミの実(種子)
観察園に配置の「樹木観察クイズ」には、30種の樹木の名前当てクイズが載っている。その一問に、冬の季節に相応しい「マユミ」の木が選ばれている。赤い実(種子)で飾られた枝は園内の通路を覆い、さらに柵を越えて園外にまで広がっていた。園の外側で、きゃしゃな枝々を丁字型の枝受けで支えていたほど。

(本ブログ関連:”マユミ”)

クイズの解答には次のよう記されている。「黄緑色の花。実は熟すと4つに裂け、赤色の種子が顔を出す。紅葉が美しい。よくしなるので昔はこの木で弓を作った。」(緑の愛護ボランティアの会:植物グループ樹木班作成)
また、「葉っぱで見わけ五感で楽しむ 樹木図鑑」(林将之 監修・写真、ナツメ社)では、「これ(果実・種子)は多くの野鳥の好物であり、秋冬の貴重な食糧だが、果実や種子を食べる機会の少ないメジロやコゲラが好むのが興味深い。」(写真解説:「種子を食べるコゲラ」)といった解説がある。野鳥の食性が知れてうれしい。



スイセンの花
園の西側、ヒガンバナ群生地(現在、緑色した艶やかな線形の葉を密集させている)のさらに奥に、少し狭ばめであるが「スイセン」が群生している場所がある。園の掲示板にスイセンの写真があって、「花だより」にも記されていたので観察順路図を頼って行ってみた。しかし、まだ早かったようだ。スイセンの株はいくつもあるが、しいて探せば一株だけ花びらを咲かせていた(写真:赤の丸印)。

(本ブログ関連:”スイセン”)

スイセンは「水仙」と書き。牧野富太郎の小冊子「植物知識」(講談社学術文庫)によれば、「仙は仙人の仙で、この草を俗を脱している仙人に擬(なぞら)えたものであろうか。」と推論されている。ちょうど私も、来年から仙人の境地で生きたいなどいって、「年賀状おさめ」の挨拶葉書を出したばかり。