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2018年7月25日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 酒

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/18)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、酒にまつわる話を紹介した。

始めに、陰陽五行説に基づく「三伏복날)」について次のように紹介された。
・7月~8月にかけて、陰陽五行説に基づく「三伏」(初伏、中伏、末伏)がある。昔、三伏に田の稲が歳を取るといい、初・中・末伏ごと稲に節ができ、三つできて稲穂になると考えた。一年で一番暑い時期、稲が育つ間、農村ではしばらく仕事を休み、涼しい郊外に出かけて体に良いものを食べた。酒を飲み、歌まであれば、それ以上の幸せもない。

▼ 長寿を願う定型詩の平時調(평시조)による「萬壽山(만수산)」を聴く。永遠に続くかのよう朗々と。

次に、パンソリ「春香歌(춘향가)」に登場する李夢龍(이몽룡)活躍について次のように紹介された。
・相手の長寿を願い、酒を勧める歌に「勧酒歌(권주가)」がある。妓生の娘の春香と、高官になった李夢龍の愛の物語パンソリ「春香歌」にも勧酒歌が登場する。李夢龍は、不正な官吏を探す任を受け、官吏たちの内情を探るため、物乞いに扮して宴会へ行く。民は食に窮し苦しむのに、彼らは馳走を前に楽しむ。李夢龍は機嫌よくなくて宴会を乱し、妓生に勧酒歌を歌わせた。妓生は、長寿を祈るではなく、彼をあざけり呪い歌ったが、李夢龍は引き下がることはなかった。

▼ パンソリ「春香歌」から、王の勅命を受けた「(暗行)御史出頭(어사출도」を聴く。
     金樽美酒千人血
     玉盤佳肴萬姓膏
     燭淚落時民淚落
     歌聲高處怨聲高

最後に、朝鮮中期の文人「鄭澈(정철、1536~1594)」の「将進酒辞(장진주사)」について次のように紹介された。
・朝鮮中期の文人「鄭澈」は、酒好きでも知られる。酒のため会議に出られず、非難を浴びたこともある。王は、そんな彼に小さな銀杯をひとつ渡し、今後は一日に一度、酒は一杯にしておくという命令だ。すると、彼は、杯を伸ばして、容量を増やして飲んだという。鄭澈の作品に、酒好きな文人だっただけに、勧酒歌の「将進酒辞」*がある。「飲まんかな 飲まんかな 一杯また一杯」で始まる、終末を想像し、みな泣き悲しんで送っても、世を去った私に誰が酒を交わすというのか・・・という内容。
(*「朝鮮の詩ごころ」(講談社学術文庫)に紹介されているとのこと)

▼ 「将進酒辞」にもとづいた「将進酒」を聴く。ゆるりと歌い流れる。