午前中に出かけるには短過ぎ、午後には台風接近で強風豪雨になるという。結局、出かける機会を失った。台風12号は、北上したものの、普段と違って西側(先日の西日本豪雨災害地域の方面)へと大きく向きを変えた。今後が心配だ。
石に関わりがあれば何でも興味を持ち、山について話をいくつか記してきた。マタギ(猟師)の猟場や登山者たちの利用する山小屋の周辺といった、少々近寄りがたい場所で起った不思議な話しについてだ。ひと気のない隔絶した所に、関心が湧いて想像たくましくなる。
(本ブログ関連:”「山怪」、「黒部の山賊」”)
石つながりの山の話から浮かぶのは鉱山だろうけれど、鉱山は、上記のような深山にあるわけではない。鉱山は産出した鉱石の運搬・物流を前提にするため、怪異の世界というより、むしろ人間臭い世界にある。そんなことから歴史の裏側をのぞく話になる。
図書館で借りた本「マタギ奇談」(工藤隆雄著、山と渓谷社)には、あるときマタギが歴史的な鉱山の斜面に人骨を見つける話がある。時代を戻すと、江戸時代に遡ることになる。金銀銅を産出する貴重な鉱山だったため、掘り進めると水が湧き出ることがある。そこで、湧水を排出するため、囚人やキリシタンを人足として使ったという。立場の弱い人間は、いつも歴史の底に隠される。
(本ブログ関連:”鉱山とキリシタン”、”坑夫”)
ここでは触れないが、ある鉱山の歴史につながる。負の面について、その鉱山特有なことではない。鉱山なら歴史の中で一般に見られたことだからだ。
気になったのは、キリシタンが話題に出たことだ。キリシタン狩りで連れてこられたという話もあるが、一方で彼らに鉱山技術を持っているいる者がいたという話しもある。どこで、誰から学んだのか、少々ミステリアスなことだ。