KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/19)に、文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第11回として、このシリーズでは珍しい(イ・ソンヒ(李仙姫)の「仙」の字につながる)、「神仙(仙人)」について紹介された。
(本ブログ関連:"李仙姫の名前")
まず仙人即ち神仙について次のように始まった。
・東洋には不老長寿の考えがあり、俗世を離れ、精神を磨き、境地に至る生き方が信じられた。韓国ではそれを手にした仙人を「神仙(신선)」と呼び、神仙の境地の歌や絵が数多く残っている。仙人を歌った「辞説頭学時調(サソルジルムシジョ、사설지름시조)」は、旋律が緻密の意の「サソル」、最初を高い声で叫ぶ意の「ジルム」が合わさっている。
▼辞説頭学時調の「鶴に乗って横笛を吹く(학타고 저불고)」を聴く。長いトーンが空を滑空する鶴のように響く。
仙人の役割について次のように解説した。
・紀元前5世紀に遡る中国に仙人の関心があり、半人半獣の姿で、理想郷(蓬莱など)に住む不死の超人と言われた。中国初代皇帝始皇帝は、仙人の話しを知って不老不死を得るため仙薬を捜した。当時、仙人になるには一定の素質があり、仙人の住む山に入って祭祀(제사 )をせねばならないと信じられた。数百年が流れ仙人は人間に近づき、人も特別な修行で仙人になれると信じられ、様々な術も語られた。
西洋錬金術が科学を発展させたように、仙人の道も人間の体と自然の調和をはかった。昔の仙人の絵に(日本の笙とよく似た)「笙簧(センファン:생황)」を演奏する姿がある。
▼笙簧、短箫に牙筝を加えた「水龍吟(수룡음)」を聴く。楽器の織り合い続く音がまるで水流のよう。
有名な仙人の姿について次のように紹介された。
・朝鮮時代の画家金弘道(김홍도)は、仙人の絵を多数残した。その中に、仙人が大きな松の木の下に座って笙を吹く「松下吹笙図(송하취생도)」がある。仙人は笙簧、笛、琵琶などの楽器を好み、鶴に乗って空を飛び回ったという。
仙人の長寿の秘訣は不老草や西王母の桃などを食べることだ。西王母の桃を盗んで食べた仙人東方朔は18万年の命を授かることになった。人々の寿命を司る仙人南極老人、男女の縁を司る仙人月下老人などが広く知られている。
また、韓国では、民族起源の檀君や新羅時代の学者崔致遠(최치원)も仙人になったといわれる。
▼The 林グループによる「天の川を見ていた日(은하수를 보던 날)」を聴く。・・・今様である。
岸さんの締めの言葉、「不老長寿を願うことは叶わぬことですが、仙人のように、人生を楽しむ余裕を持ちながら生活することはできそうですね」の通り、エンジョイできるもの探していますよ。