「わんぱくデニス」を知ったのは、子どものころ、同名の米国テレビ番組だった。金髪の後髪が立っている少年デニスは、いつもオーバーオール(胸と腰がつながった作業着風の子供服)を着て、遊びともイタズラともつかぬ騒動を巻き起こす。それが、いかにも子供らしくて、次は何を?と期待させるホームドラマだ。
原作はアメリカのコミック「わんぱくデニス(Dennis the Menace)」(ハンク・ケッチャム 作、1920年 ~ – 2001年)で、1951年の新聞掲載に始まり、現在も作者の後継シンジケートにより継続しているそうだ。実際に漫画本を手にしたことはないけれど、キャラクターの顔は記憶にしっかり残っている。
ネット検索で知ったことだが、初期のころのデニスは、いかにも悪ガキ風の目つきをしていたが、後になって無邪気な顔つきに変わっている。漫画家が、読者の反響をキャッチして磨き上げた成果だろう。似たように感じるのに、ディズニーの「ミッキーマウス」もそうで、初期は痩せこけていたが、現在はふっくらしている・・・。
ところで、私が知ったデニスは、無邪気顔したものでちょっと混乱した。というのも、アメリカの子どもの群像を描いた漫画に共通のタッチがあるからかもしれない。
1950年ころ登場して現在にいたっている、コミック「スヌーピー」(チャールズ・モンロー・シュルツ 作、1922年 ~ 2000年)に出てくる子どもたちの中に、デニスが混じっても何の違和感がない、そんな気がしたからだ。
テレビの「わんぱくデニス」(日本で、1960年~1963年ころ放送された)にもっぱら馴染んだのは、日本で1958年~1964年に放送された「パパは何でも知っている」に登場するアメリカの中流家庭と重なるようにして見ていたからかもしれない。あのころ、ぼくらにとって進むべき未来はアメリカの中流家庭像だった。