二十四節気「夏至」の末候(節気を5日間ずつ三っに分けた最後の候、雑節)にあたる「半夏生(はんげしょう)」が、きょうから始まる。田植えなどの農事を終える節目であり、しばらく農作業を休む。<天から毒気が降る> と正当化する言い伝えがあるが、昔のひとびとも暑くて休憩が必要だったに違いない。農業を身近に見ない都市生活者には、今一つ実感しづらいけれど。
江戸期、武蔵野に開発された武蔵野新田は台地上にあって、水田でなく陸田だった。水資源は、玉川上水からの分水(遺構跡が今も見られる)や井戸水以外、乏しかったと思われる。(現代の水道水がいかに貴重なものか思い知らされる)
新田開発の歴史についての市民講座で、講師が語ったのは、新田開発による生産の多くは武蔵野台地よりもっと奥地に作られた山際の棚田だった・・・と聞かされた記憶がある。
当地はそれでも農地が幾分残っている。最近、あちこちの畑地や栗林が、宅地化のため整地が進んでいる。余談だが、或る作家Youtuberが、このような状況から郊外には見えない大金持ちがいると示唆していた。
ところで、雑節の半夏生について、<烏柄杓(カラスビシャク)が生える> ころとのこと。カラスビシャクの草は、画像検索で見る限りその姿はいささか奇怪だ。草原で、鎌首をニュッと突き上げたような姿と出会ったら慌てるだろう。サトイモ科ハンゲ属という。
(本ブログ関連:”カラスビシャク”)
一方、名前からして白い色を被ったこの時期の草「ハンゲショウ」は、ドクダミ科ハンゲショウ属なので、雑節の半夏生により近しいと思うのだが。
(本ブログ関連:”ハンゲショウ”)