時の経過を、リンゴの食べ具合に例えている。1年を一個のリンゴの実とすると、今日で半分食ってしまうことになる。視覚的で、食欲と結びついている分、まことに連想しやすい。
(本ブログ関連:”林檎”)
美味いと口にしたリンゴも気付けば半分になっている。半分しか残っていないと慌てる。毎年こんな風に、そのときだけ気をやむ。そして繰り返す。
月は回り、観覧車も、そして6月も巡ってくると、懐かしいジュディ・コリンズ(Judy Collins)の「青春の光と影(Both Sides Now)」(1968年、作ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell))は歌う。もっとも、人生に直面しようという気迫で歌っているのだが。それにしても、「青春の光と影」とはむず痒いタイトルだこと。
この曲、最初に耳にした頃、ただ旋律を楽しんで人生なんて積読(つんどく)枕のようなもの、いずれそのとき紐解こう位いしか考えていなかった。今となっては、ため込んだものが多すぎる。
青春もリンゴのように食ってしまったが、酸っぱいほうが美味い。味覚は思い返すもの。
この「Both Sides Now」が登場する順序は次の通り。
1967年 シンガーソング・ライターのジョニ・ミッチェルがこの曲を作る。
1968年 シンガーソング・ライターのジュディ・コリンズはこの曲を採りあげてリリースする。
1969年 シンガーソング・ライターのジョニ・ミッチェルはこの曲を自分のアルバムに収録する。
(ジュディ・コリンズには、「太陽の黄金の林檎(Golden Apples of the Sun)」(1962年)がある)