アイドルグループが中心を占める韓国音楽芸能界の変化(変身)の兆しを、ユニット化という編成替えや、アーティストとしての自立化などで語られているが、中央日報の記事「韓国のアイドル過剰時代、ミュージシャン変身は無罪?(1).(2)」(2/19)は、"ミュージシャン"というキーワードを使って、その変化を次のように語っている。(抜粋)
(本ブログ関連:"アイドル")
・アイドルの体質改革か、それとも一時的な対策か。歌謡界でアイドルからミュージシャンへの変身が目立っている。
・7人組グループINFINITEのドンウとホヤは、ヒップホップ・ユニットの「INFINITE H」を結成し、ヒップホップ・ミュージシャンに変身している。・・・アイドルバンドCNBLUEは、自作曲のミニアルバム「Re:BLUE」を発表し、オールライブの舞台を準備するなど、"ミュージシャン"に進化する姿を見せた。
・昨年、新しく結成された新鋭アイドルグループは50チームを超える。すでに飽和状態に達した無限競争のアイドル市場で、"ミュージシャン"という言葉は一つのマーケティング用語として乱用されているという批判もある。
◇事務所の個性vsメンバーの個性
・専門家は、アイドルとミュージシャンを区別する最も重要な要素を「音楽の主体性」と話す。「与えられたものでなく、自分だけの個性があるか」(音楽評論家イム・ジンモ氏)、「メンバーが主体になって音楽を生産して方向を決定しているか」(音楽評論家キム・ジャッカ氏)、「音楽的な哲学があるか」(文化評論家カン・テギュ氏)、「音盤が創意的な作品か」(音楽評論家パク・ジュンフム氏)を満たすかどうかだ。・・・イム・ジンモ氏は「韓流の未来のためにも、アイドルが実力を持たなければいけないという雰囲気が形成された。他人から受けた曲を消化して演技するという段階から抜け出し、自分だけの表現の世界を持つというのは確実にプラスとなる」と話した。
・一方、限界があるという指摘も出ている。パク・ジュンフム氏は「アイドルは練習生当時から事務所と従属関係にならざるを得ない。コンテンツが創意的でないため、寿命は短くなるしかない。 ミュージシャンは不可能な夢だ。ミュージシャンになろうとすれば、事務所を出て独立して活動しなければいけない。踊っても、楽器を演奏しても、別の形のアイドルにすぎない」と語った。
◇"ハンドシンク(空弾き)"するミュージシャン?
・CNBLUEを相手取りインディーバンドのクライングナッツが最近、著作権損害賠償請求訴訟を起こし、話題になった。CNBLUEが新人時代、Mnet音楽番組でクライングナットの音源を流して演奏するふりをし、その映像をDVDに入れて日本に輸出したということだ。
・ミュージシャンを目指したバンドのイメージは大きな打撃を受けた。ペ・スンタク氏は「アイドルもいくらでもミュージシャンに進化できる。しかし音楽とは関係がない芸能番組に出演しながら、突然、自作曲を作ったからミュージシャンとして見てほしい言っても、大衆や評壇が実力を確認する方法はない」と述べた。
・クラブで公演するインディーバンドとは違い、アイドルはライブ公演が少なく、芸能番組やドラマに出演して収益を出す構造に問題があるということだ。
・カン・テギュ氏は「音楽的主体性が生じるように所属事務所が配慮しなければ、ミュージシャンどころか"商品"にすぎない」と指摘した。
イム・ジンモ氏も「アイドル出身というレッテルはすぐに剥がれるものではない。CNBLUE事態はミュージシャンになる道がどれほど厳しいかを表している」と話した。