まずサムルノリの紹介から始まった。
・サムルノリのサムル(사물)は4つの物(楽器)を指し、ノリ(놀이)は遊びの意を持つ。
・4つの打楽器、鼓:プク(북)、杖鼓:チャング(장구)、鉦:チン(징)、小金:クェンガリ(꽹과리)を用いて、国楽の「農楽(농악)」を元にした<現代風パーカッション>を奏する。
・各楽器は、農業と密接な天気を象徴する。音が大きく激しい印象のクェンガリは「雷」、抱擁力のある音色のチンは「風」、空に鳴り響く力強いプクは「雲」、そしてチャングは「雨」を象徴している。
・34年前の1978年に初めて登場した、まだ新しい音楽ジャンルである。
(本ブログ関連:"サムルノリ")
▼金徳洙のサムルノリによる「嶺南農楽加楽(ヨンナム農楽カラク、영남농악가락)」を聴く。PCのスピーカーでは。打楽器演奏は、聴覚だけでなく、視覚、皮膚感覚が必要な気がする。生で聴きたいものだ・・・。
農楽とサムルノリの演奏の違いについて解説があった。
・農楽は、プンムルペ(風物牌*、풍물패)という大規模な楽隊が村々を巡り演奏する形式で、サムルノリは4種類の楽器以外にも太平簫(テピョンソ、태평소)や小鼓(ソゴ、소고)」などの楽器が加わることもあった。
(*補注)牌は、仲間、組、輩(やから)、連中、ともがらの意。
次のように金徳洙のプロフィールが紹介された。
・1952年9月23日 大田(대전)に生まれる。
・1978年2月28日 ソウル鍾路区苑西洞(원서동)の「空間愛(공간사랑)」の小さな舞台で、金徳洙、キム・ヨンベ(김용배)、イ・グァンス(이광수)、チェ・ジョンシル(최종실)によりグループを旗揚げする。
▼金徳洙サムルノリ他によるパンソリ「水宮歌(수궁가)」中の「うさぎの話(토끼이야기)」を現代風にアレンジした曲を聴く。むむむ、コラボはどうも苦手で・・・。
▼金徳洙他による「ピウム(비움)」を聴く。なんだかなあ、モスクワ郊外の夜が更けゆくようで。これも融合という新しい発展にaufhebenするのかな・・・。
(付記)
Chosun Onlineの記事「国楽研究家の李輔亨氏が受賞=小泉文夫音楽賞」(6/9)は、日本の音楽賞に。韓国の国楽研究家が表彰されたと次のように報じている。
・第16回方一栄(パン・イルヨン、방일영)国楽賞受賞者である、国楽研究家の李輔亨(イ・ボヒョン、이보형)氏が、民俗音楽研究に尽くした人物に授与される、小泉文夫音楽賞を受賞した。この賞は日本の音楽学者、小泉文夫(1927-83)をたたえ、1989年に設定された。
(参考)
第23回(2011年度)小泉文夫音楽賞受賞者、李輔亨(韓国古音盤研究会会長)
・韓国における民間の音楽、とりわけパンソリ、民謡、プンムル**、巫俗音楽について長年にわたり綿密な現地調査を行い、韓国伝統音楽研究を飛躍的に発展させた業績に対して。