映画「シン・ゴジラ」を見てきた。封切りが去年の夏(2016年7月29日)の映画を、およそ8ヶ月後に鑑賞したことになる。関心を持ちながら、ずるずる過ごしてしまい、これ以上はまずいと自覚して、川崎の映画館へ出かけたわけ。
ようやく映画館で見る目標は達成した。それに、映画とシンクロして、座席が揺れる「MX4D」を初めて経験した。今回は、2D映像のままだったが、それでも充分楽しめた。おじさんには、うつらうつらする余裕を与えない効果がある。
物語は、あたかも幼生期のゴジラのような怪物が、東京湾から上陸したことに始まる。いったん退避したかに見えたそれは、更に強力な破壊力を進化させ再登場する。対抗する国家側官僚たちの人間模様が織り込まれる。役人の面子と互いの腹の探りあいから、国家間の駆け引きまで・・・。
話題となった、即断が必要なゴジラ対策の段取りについて、法の不備を突くような場面もあった。結局、やるっきゃないのだから。圧倒的な力を持ったゴジラに、知恵を駆使して人間が挑むことになる。
最近のCG映画の凄まじさは、まるで破壊現場を目の当たりにしたように、細部にいたるまでリアリティがある。以前のゴジラ映画のような、あうんの理解と鑑賞眼が必要ない。ただ見たままに圧倒感、恐怖感にさらされる。
私が子ども時代に見た、初めてのゴジラ映画は暗い白黒画面だった。ゴジラが夜の街を破壊するシーンは、いっそう想像力をかきたて、恐怖心を最高にした。いまだに忘れられないのは、ゴジラの全身の姿より、破壊の一瞬現れるゴジラの足だった。まるで人間に踏み潰されるアリのような無力感すらした。そう、この映画には、それがまさに再現されている。シン・ゴジラは、今回も子どもたちに一生忘れられない(映画の楽しみという)恐怖を残したことだろう。
映画館で購入したパンフレットに、見終わるまで開かぬようにと帯封がしてあった。
(最後まで引っ張っていく人がいて、はじめて作品が完成することをつくづく実感します)
(Youtubeに登録のjambo reeに感謝)