探査機「はやぶさ2」が、小惑星「リュウグウ」に2回目のタッチダウンした際に作った<穴ぼこ>が、「おむすびころりんクレーター」と命名されたと、時事通信の記事「『おむすびころりん』と命名=りゅうぐうの人工クレーター - JAXA」(8/22)は次のように伝えている。(抜粋)
(*)記事: https://www.jiji.com/jc/article?k=2019082200920&g=soc
----------------------------------------------------
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」表面につくった人工クレーターに「おむすびころりんクレーター」と愛称を付けたことを明らかにした。
----------------------------------------------------
(本ブログ関連:”はやぶさ2”)
なお、8/22にJAXAで開催された記者説明会資料***に、「はやぶさ2」ミッションの概要が紹介されていて分かりやすい。人工クレータの命名の他に、小惑星探査に関わった半ばに逝去された技術者たちの名を冠した<岩>についても紹介されている。
(***)資料: https://fanfun.jaxa.jp/countdown/hayabusa2/press/files/20190822_hayabusa2.pdf
ところで、転がり落ちるイメージから「どんぐりころころ」の童謡を思い出すが、「おむすびころりん」の童謡は聴いた記憶がない。童話については、話を聞かされたことがあるけれど。そこで、童謡はないかと探せば、国立国会図書館デジタルコレクション**に、北原白秋の作品があった。
(**)デジタルコレクション: http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1720371
(本ブログ関連:”国立国会図書館デジタルコレクション”)
北原白秋の童謡集「国引」(帝国教育会出版部、昭和18年7月25日)の中に、「おむすびころりん」(p.66)が収録されている。以下転記する。なお、岩波書店のサイト****にも、この童謡集が転記されているので参考にした。
(****)国引: http://www.j-texts.com/hakushu/kunibikiah.html
おむすびころりん
1
おむすびころりん、
ころころりん、
ころりん、小山をころげてく。
おむすびころりん、
ころころりん、
ころりん、砂山、砂に穴。
おむすびころりん、
ころころりん、
ころりん、ころころ、穴のなか。
おむすびころりん、
ころころりん、
ころりん、ころりん、すつとんとん。
2
おむすびころりん、
ころころりん、
爺さん、おむすび投げまする。
おむすびころりん、
ころころりん、
まいにち、お山で日が暮れる。
おむすびころりん、
ころころりん、
ころりん、こんどは重箱だ。
重箱ころりん、
ころころりん、
ころりん、ころりん、すつとんとん。
爺さんころりん、
ころころりん、
ころりん、爺さん、ころげてく。
3
おむすびころりん、
ころころりん、
ころりん、ころりん、すつとんとん。
重箱ころりん、
ころころりん、
ころりん、ころりん、すつとんとん。
爺さんころりん、
ころころりん、
ころりん、ころりん、すつとんとん。
鼠の餅つき、
ころころりん、
ころりん、小山の穴のなか。
爺さんお禮よ、
ころころりん、
ころりん、黄金(こがね)も的(臼)のなか。
すつとん、すつとん、
ころころりん、
ころりん、小槌も添へてあぎよ。
4
おむすびころりん、
ころころりん、
おかげで爺さん、ほいこらさ。
婆さん、これ見な、
この小槌、
どつさり、お寶(たから)うち出そか。
爺さん婆さん、
若くなれ、
ついでに赤んぼ、飛んで出ろ。
お家も出ろ出ろ、
よいお家、
よいことづくしで、すつとんとん。
おむすびころりん、
ころころりん、
今でも、どつかで、すつとんとん。