KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(4/4)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、済州島の民謡「つぼみの歌(봉지가)」他についての話を紹介した。
始めに、「清明(청명)」と「寒食(한식)」の歳時について次のように紹介された。
・二十四節気の「清明」は、空が明るくなる日で、毎年4月4日、5日頃にあたる。一方、「旧正月(설날)」、「秋夕(추석)」、「端午」と並ぶ四大節句の一つ「寒食」には、火を使わず冷たい物を食べる。寒食は冬至から105日が過ぎた日で、清明と同じ時期になる。ことわざに、「清明に死んでも、寒食に死んでも(청명에 죽으나 한식에 죽으나)」があり、どちらにしろ大差ないの意だ。暖春になぜ死を例えるか、それは寒食に先祖の墓参や祭祀を捧げる風習があったからだろう。
▼ 済州島方言(花のつぼみ:봉지)に由来する済州民謡「つぼみの歌」を聴く。レコードジャケットがいい。
・この民謡は、「ツツジが咲くとカッコウが鳴き、ナズナと春を摘み取る」で始まるが、済州島では「春の木からつぼみが落ちる」と始まったそうで、美しい花がしおれると実になると、春の美しい自然を歌い、一方で秋の収穫の期待をこめた。
次に、1910年頃始まった木を植える日「植木日(식목일)」について次のように紹介された。
・寒食は、木を植える日「植木日」でもある。国土の7割を山地は占めるが、(古来)木を多用して山肌が多く露出したため、1910年頃から植樹が始まった。だが、朝鮮戦争などで避難民が伐採して山林を大きく減じたが、その後の植樹の努力が実り、造林に成功した。ちなみに、韓国の山で最もよく見かける樹木は松で、国歌にソウルの中心にある南山の松が登場する。
▼ コムンゴ演奏による <南山に松が多いが、その数が減るを残念に思い、豊かな山への想いを込めた>「青い松の茂みを夢見る(푸른 솔 숲을 꿈꾸다)」を聴く。今様に。
最後に、王が直に畑を耕す宮中行事について次のように紹介された。
・植木日は、朝鮮時代の宮中行事と関連がある。春になると、王が直接農作して、農事を重視する姿を見せた。
・キム・ボエさんのことば: 草木が育つ清明(4/5)、先祖の恵みを思いながら墓参や祭祀を捧げる寒食(4/6)とつづく。いつも自然と共に感謝する気持ちで生きた、昔の人々の暮らしを想像してみたいと思う・・・とのこと。
▼ <寒食の日に珍しい食べ物を準備して、夫の祭祀を捧げる> 女性の歌「祭奠(さいてん、제전)」を聴く。次々と並ぶ。