KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/21)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「冬至」に関連した3曲を紹介した。
始めに、「冬至」の意義と悪鬼払いの習慣について次のように紹介された。
・人は、過ぎ去ってその価値を悟る。人との関係だけでなく、時間や自然においても同じだ。暑い日が続く夏、太陽のありがたさを忘れることもあるが、冬になれば、昼間の日差しのありがたさに気付く。日当たりの良い日に、窓辺で陽光を浴びるのも心地よい。一年の中で昼が最も短い日が冬至だ。昔、冬至を正月のように思ったりした。悪鬼を追い払う意の習慣で、小豆粥を食べ、近所の人と一緒に分け合ったりした。小豆の色に悪鬼を追い払う効果があると信じたからだ。冬至が過ぎると、次の日から昼が長くなる。
▼ 冬至にふさわしい曲、「ひまわり(해바라기)」を聴く。観光宣伝映画のメロディで聞いたかな、今様に軽快。
次に、妓生の娘「春香(춘향)」と官吏の息子「李夢龍(이몽룡)」の愛を語るパンソリ「春香歌」について次のように紹介された。
・パンソリ「春香歌」は、春香と李夢龍の身分を乗り越えた愛の物語だ。春香歌に、太陽の消息(落陽を待つ)の意の曲、「ヘソシク(해소식)」がある。李夢龍(イ・モンリョン)は、楼閣でブランコに乗る春香を見て、一目惚れする。春香の家へ訪問が許され、デートをすることになる。李夢龍が、勉強せず、妓生の家に出入りするという噂が立たぬため、夜の方が良かった。初デートの日、李夢龍も胸をわくわくさせ、早く起きて夜になるのを待ち望んだ。使用人に、いつになったら日が沈むのかと確認したという。普段は昼が短く感じるのに、今日に限って昼がなんと長く退屈なのかと嘆いた。李夢龍が16歳の頃、その気持ちも理解できそうだ。
(本ブログ関連:”春香伝”)
▼ 「春香歌」から、「ヘソシク」を聴く。会いたさに、早く落陽(日が落ちる)の知らせを待ったのだろう。
最後に、冬至の小豆粥から慈善について次のように紹介された。
・悪霊は赤色を嫌う。ために、小豆粥を食べると悪鬼を追い払うと信じた。冬至に小豆粥を作って、部屋や庭の片隅を置き場とする醬油や味噌の甕(かめ)付近にも置いた。悪鬼を追い払うためのものだが、冷ました味も一品。近隣に小豆粥を配り、困っている人があれば助けるのも、冬至にすべきこと。現代も慈善活動を冬に行うのは、冬至の影響だという。
▼ 管楽器テピョンソ(太平簫、태평소)演奏による 「一千の太陽(천 개의 태양)」を聴く。中東の響きする、今様。
キム・ボエさんのことば。「まだ寒い冬ではありますが、これからもっと明るく、温かい太陽が昇ることを期待します。また、寒い天気の中でも、心だけはいつに増して温かい季節であればと思います。」 いつも、おだやかで優しい声に和みます。