桜の花が散った後を補うように、「ハナミズキ」の花が咲いている。新しい街路樹として登場したのを見たのが最初と記憶する。さほど昔のことではない。新緑のハナミズキに咲く白い花が、陽を浴びて風に揺れている、そんなイメージだ。桜と違ってすぐ散ることはない。
劇的に咲いては消えていく、ともすれば感情移入しやすい桜花と比べて、ハナミズキにはどこか飾り花の感じがする。五感を動員するまでもない、風景なのだ。それも、とても健康で乾いた感じする。近隣の都市が「市の木」に指定しているだけ。いまだ、都下でしか認められない新参者扱いのようだ。
ハナミズキの花が最近、民家の塀越しに目につくようになった。それも、白い花というより、花弁の縁に濃い紅色のグラディエーションがかかったものだ。庭先の好みに口をはさむべきでないが、白色の清楚さと比べて少々重い。その落差に、この花にはいささか引っかかるものがある。
ところで、まさに新参の特定外来種として、除草対象になっている「ナガミヒナゲシ」が近所でまた目立つようになった。一見可愛らしいオレンジ色の花だが。一、二年ほど除草されたと思っていたが、この発生にかなり人為的で不可解なものを感じる。ブラックバスがそうであったように、好みが思い余って暴走する、そんな気配がしてならない。
(本ブログ関連:”ナガミヒナゲシ”)