KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/23)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第65回として、川で魚を捕る「川漁(かわりょう)(천렵)」にまつわる話を紹介した。
始めに、漁労(川漁)をしながら自由に暮らす、学問に優れたソンビの生活について、次のように説明された。
・漁労には、それを生業とする漁師の他に、ソンビが隠遁生活しながらする場合もあった。生活がかかる漁師は、たくさんの魚を捕って高値で売りたい。一方、ソンビは、魚は捕れても捕れなくても構わない、ただ自然の中で過ごすのが目的で、どこにも拘束されない自由な人々であった。昔は、このように自由な暮らしこそ、ソンビにとって最高の老年と言われた。
▼ 自由な暮らしの喜びを歌う「魚父辞(어부사)」を聴く。山よりも川がいいとノンビリとした風情で・・・今様である。(屈原の「漁夫之辞」じゃない)
次に、農民も川魚獲りに行ったことを歌うフィモリ雑歌「六七月(육칠월)」について、次のように紹介された。
・家族や友人と美味い料理を楽しむため、川に向かう農夫もいる。にわか雨が通り過ぎると、農夫は農機具の代わりに釣りの道具を整えるが、雨具がない昔、雨よけ笠をかぶり蓑を着て出かけた。早いテンポで歌うフィモリ雑歌「六七月」の曲中、そんな姿を歌う。
・畑仕事で手が空かぬ農夫は、通りかかった男の子を呼び止め、自分の代わりに魚を獲ってうちに届けるよう頼む。ついでに、カボチャを入れて鍋料理を用意しておくよう妻に伝えて欲しいと言うが、男の子は機嫌が悪いのか、きっぱりと断る。自分も仕事が山積みで、夜は勉強までしているから忙しいという。鍋を分けてやるかして、うまくなだめるしかない。
▼ フィモリ雑歌「六七月」を聴く。農夫が頼んだのは牛追いの作男(少年)のようで・・・テンポ軽く次々と続く。
最後に、避暑を兼ねて農民が川漁した風俗を、次のように説明された。
・夏は、農夫にとって休む暇もない時期だ。強い日差しの中で働き続ければ倒れるかもしれぬ。だから夏は、早朝から朝方までや、日暮れる頃から仕事を始めたりした。それでも耐えられぬ暑い日は、村中集まり水遊びに出た。小川に足を浸して魚を捕り、辛い鍋料理を作り食べた。これを川漁と言う。
・片隅に石や木の枝を集めて、そこに窯をかける。また、川に網を張り、魚が捕れるのを待つ。足を浸して遊ぶうち、しばらくすると魚が網に掛かる。風が気持ちいい日には魚もよく捕れると言う。
▼ チャルメラのような「太平簫(別名:セナプ(새납))」を長尺に変化させた現代の管楽器「チャンセナプ(장새납)」の演奏で「渓谷(계곡)」を聴く。渓谷に北風が吹くよう・・・。今様である。
金寶愛さん、川辺でも辛い鍋料理がよさ気とのこと・・・そうなんだ。