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2013年12月25日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 冬至

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/18)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第36回として、「冬至(동지)」にまつわる話を紹介した。

まず、冬至を題材にした黄真伊(ファンジニ、황진이)の作品の紹介から次のように始まった。
・最近、季節の変化が極端になった。韓国では、春と秋が短く、暑い夏、極寒の冬がすぐにやってくる。今年も晩秋すでに氷点下の気温となり寒さも厳しい。今月22日(日)は冬至で、一年の最も夜が長い日だ。
朝鮮時代の時調(시조)に、冬至を題材とした、妓生(기생)の黄真伊(1506年?~1567年?)の感性豊かな作品「冬月漫長夜」がある。
「冬至の長い夜を少し切り取って、布団の下にしまっておいて、恋しいあの方がいらっしゃる夜に広げたいものだ。(截取冬之夜半強 春風被裡屈幡倉 有燈無月郎來夕 曲曲鋪舒寸寸長)

平時調「冬至月(동짓달)」を聴く。楽に合わせて長々と歌う、詩吟のソフトなイメージで、管の音に似て・・・。

次に、冬至と小豆粥の関係について次のように説明された。
・小豆は、その赤い色が幽霊を追払うと考えられ、良悪につけて、小豆粥、あんこ餅などを作り厄除けした。
・冬至の小豆粥は、小豆をつぶした汁に米を入れて粥のように茹で、そこに餅米を丸めた団子の白玉(セアルシム、새알심)を入れる。冬至に、白玉を歳の数だけ食べる。小豆粥ができると、まず霊廟(사당)に供えて、冬至の祭祀を行なう。次に各部屋、甕、納屋などに一杯ずつ置き、粥が冷めたら家族でこれを頂く。また人々の出入りする玄関やドア近くで小豆粥を撒いて厄除けする風習がある。
・冬至は、陽暦の12月22日、陰暦では毎年その日が変わるため、陰暦11月初旬の場合は子冬至(애동지)、中旬の場合は中冬至(중동지)、下旬の場合は遅冬至(늦동지)と呼ぶ。子冬至に小豆粥を食べると子どもに害があるとされ、代わりにあんこ餅を食べる。中冬至では小豆粥、あんこ餅のどちらを食べても良く、遅冬至では小豆粥を必ず食べなくてはならないとされた。
・夜が最も長い冬至を過ぎれば、これから日が長くなる。

▼ パンソリ「水宮歌(수궁가)」から「果課天辺(고고천변)」を聴く。跳ねるようにリズミカルだが・・・

最後に、冬至に対する古来の考え方について次のように解説された。
・冬至は、古代西洋では、太陽が死から復活する日と考えられ、クリスマスもこうした考え方と関連があるとも言われる。さらに中国では、冬至を新年の初めと捉え、その風習が現在に伝わり、「小さな正月」とも呼ぶ。
・冬至の日が、寒いほど次の年は豊作になるという信仰から、寒く雪が降り積もる天気が好ましいとされる。冬至は、これから厳しくなる寒さに備えて、隣り同士が支えあう期間ともいえる。昔の人々にとって、寒くて厳しい季節にも、未来へ希望をもって過ごす考え方があったのだろう。

▼ 「密陽アリラン(밀양아리랑)」を聴く。ジャズ風味を効かせた演奏だが、歌詞があれば最後に冬至、師走が・・・。