先日(1/19)の日曜日に、「タネの驚くべき戦略」(柴田規夫氏)という市民向け講演会があった。最初に講師から参加者に <植物と動物の違い> をたずねられた。
同じ生命の起源から出発して、動物は動き廻るようになったが、植物は動かない形で進化した。そんな移動できない植物は、子孫を残すのに不利ではないか・・・という点に着目したのが講演テーマ「タネの驚くべき戦略 - タネをどのとうにして遠くへ運ばせるか」だ。
植物はタネを運ぶのに、さまざまな自然環境(風、水、動物・昆虫への付着など)を利用する。そのため、タネ自身の形態をさまざまに変化させることになる。多数の標本をもとに紹介いただいた。
ところで、昨日(1/20)の月曜日に、市民講座「ユダヤの歴史を学ぶ」に通う途中の書店に寄ったところ、植物関連の面白い書籍を見つけて求めた。「植物はなぜ薬を作るのか」(斉藤和季、文春新書)に植物ならではの話題が盛りだくさんあったからだ。
動物は、食物を摂取して化学的に細分化する過程で、エネルギーを獲得する(異化代謝)。一方、植物は、その逆の形で、H2OやCO2を光エネルギーを利用して光合成することで有機物を作る(同化代謝)。植物は、生命進化の中で圧倒的に長く生き延びている。読みながら、植物に比べて動物は、逆の生き方をしているだけのもろい存在なのかもしれないと思ったりした。
また、植物は生存戦略として、病原菌や植物同士との戦いなどのため、あるいは動物や昆虫を利用・誘惑して花粉やタネを運ばせるなどのため、体内にさまざまな化学物質を作り出しているようだ。