KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(2/19)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第44回として、「橋(다리)」にまつわる話を紹介した。
まず、江原道の旌善(チョンソン)を流れるアウラジ川と、旌善アラリの歌の紹介から次のように始まった。
・山深い旌善地域に、平昌(ピョンチャン)を源流とする松川(ソンチョン)と、三陟(サムチョク)を源流とする骨只川(コルジチョン)が交わる広い流れがある。韓国語の「交わる(어울리다)」の語源となる、アウラジ(아우라지)だ。
・旌善は松が多く、旧都漢陽(ハニャン)で使う木材を筏に組み、この川で運んだ。筏を操る船頭は、長い川下りに疲れや孤独を紛らすため、広く知られる「旌善アラリ」を歌った。畑仕事や、女性の家事にも歌われ、様々な歌詞が残っている。その一つに、愛しい人を恋偲び待つ、切ない歌がある。昔、アウラジの両岸に住む若い男女が、人知れず会っていたが、ある日、洪水で川が増水して舟が流され、会えぬ辛さを歌った歌詞が伝わっている。
▼ 「アラリキンソリ(아라리 긴소리)」を聴く。アリランの流れに沿った歌・・・どこかノンビリして。
・現在、アウラジの川辺に、歌詞の恋人を待つ女性が銅像*で再現され、その前の川に、平たい石を置いた飛び石の簡単な橋が作られている。冬に旌善を訪れる観光客のため、昔を感じられる丸太の乱雑な渡り橋だ。ただし、住人は、その脇の丈夫な現代式の橋を渡る。
(*)銅像写真:ブログ「歳月&風景の中の話(세월&풍경속 이야기)」に感謝
次に、七夕や春香伝に伝わる橋について、次のように紹介された。
・橋は、流れを渡る他に、川向こうの住人に会う手段でもある。七夕の日(7月7日)、空に牽牛と織女が一年に一度出会う橋がかかる。二人が会えるよう、鵲(カササギ)が体を合わせて作る橋を、韓国語で烏鵲橋(オジャッキョ、오작교)という。全羅北道の南原に、春香伝の主人公、春香(チュニャン)と李夢龍(イ・モンリョン)が初めて会う広寒楼(クァンハンル)の前に、石の烏鵲橋がかかる。この橋の描写は、李夢龍が歌った赤城歌の中にも登場する。
▼ 春香歌の中の「赤城歌(적성가)」を聴く。一目惚れの舞台を歌う・・・自ら牽牛に例えるか。
最後に、北斗七星の伝説を次のように紹介された。
・あるところに、7人の息子を持つ未亡人がいた。この母は部屋を温かくしても、寒い寒いと暮らした。実は、夜に家を出て、小川を越えて、隣村の妻を亡くした男のもとを訪れた。毎日、冷水に足をつけて渡り、骨の髄まで寒さが染みた。そこで息子たちは、母に内緒で、小川に石橋をかけた。この石橋を渡り帰る母は喜び、感謝を込めて「この橋を作ってくれた人を必ず星にしてあげてください」と神に願った。7人の息子たちは、その後、夜空に輝く北斗七星になった。
▼ 「My heart is azure」を聴く。ラピスラズリの青色を想わせ・・・今様の響きする。