地学的関心を持って実地調査・踏査に訪れることを「巡検」といったりする。この堅苦しい表現は、例えば地方で開催される鉱物・地学関連の学会の後、研究者の一団が現地視察するときなどに使用される気がする。だから、アマチュアの鉱物マニアが趣味的に鉱物採集地へ行くとき、巡検なんていったりするのを聞くと、とても気恥しくなる。
言葉には、造語者がはっきりしている場合がある。
きのう(5/10)のブログに記したことだが、野鳥観察の際に使われる「探鳥会」(「野鳥」を含めて)というポピュラーな言葉を造語したと、中西悟堂氏がみずから語っている。
ならば、上掲の鉱物産地をうかがう「巡検」との言葉は誰れが造語したのか気になる。生成AIの「Gemini」や、「ChatGPT」に問うてみたところ、次のような回答(一部だが)を得た。
・江戸時代の後期に、鉱山や採掘現場を巡視する際に使われ始めた言葉。
・「巡検」という言葉は、明治時代の地質学者である福澤諭吉が造語したとされています。
う~ん !!! 根拠が示されない解説・回答は、どうにも確信が持てない。
そこでもう少しネットを検索したところ、Togetterに「『巡検』という言葉の由来とその使用について」という討論が掲載されていた。同サイトの性格上、そういう話もあるんだねというくらいかもしれない。
結局、鉱物世界の「巡検」という言葉について、出自はよくわからないままだ。