昔の小学校の校庭は呑気だったのか、あるいは学校と交渉があってのことか知らないが、飛行機マニアが「Uコン」機を飛ばしていた。航路の円周の中心に操縦者が位置して、プロペラ機の片翼とワイヤーでつなぎ飛行をコントロールする(有線の操縦)。燃料が切れるまで、遠心力を利用して飛ばし続けた。
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Uコンについてブログに記す際、Wikipediaを確認したところ、正式な操縦手段を「コントロール・ライン」と呼ぶようだ。子どもたちにとって、Uコンマニアが大人っぽく見えたけど、考えてみれば中高生ぐらいだったのかもしれない。昔は、無線のハムと同じくらい、Uコンもジャンルを確立していた気がする。
ところで、操縦者が中心にいて、円を描いて飛ぶ模型飛行は恐ろしく早い。ワイヤーの長さを半径にした円周だから、飛行規模はそれほど大きくない。その分、エンジンの爆音と速度を近くに感じて、おっかなびっくり離れて観察した。Uコン機と操縦者が一体化しているのが分かった。
飛行機が着陸すると、子どもたちは機体のそばに集まった。自分も操縦したい、Uコン機を作りたい、いろいろな思いをしながら、Uコンマニアに混じっていつまでも眺めていた。其処には、甘い揮発性の燃料の香りがした。香りに包まれると、自分もその仲間になったような錯覚すらした。それが楽しかった、嬉しかった。
最近の模型飛行の中心である無線操縦の「ラジコン(RC)」機体と違って、Uコン機は極めてシンプルな仕上がりだった。プラモデル機の延長にあるような精緻なフォルムでない、まさに質実剛健な構造で、板きれを頑丈に組み合わせたようなものだった。見た目に格好良くは無かった。Youtubeなど参照すると、今でも、一体感のある無骨なままのようだ。