KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/10)に、文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第14回として、風流を感じながら涼をとることのできる「東屋(あずまや、정자)」について紹介された。
まず川遊びの話題や曲紹介から始まり、東屋と楼閣について次のような解説があった。
▼フュージョン国楽グループThe林による「夏の眠り(여름잠)」を聴く。古趣を残しながらも今様である。
・美しい山川を背景に「東屋」は、壁のない柱に屋根をのせただけで、床に木板を敷いた建屋である。私有の場合、冬にも利用できるよう中央に小さなオンドル部分を設けたという。東屋より若干大きなものを「楼閣」と呼び、ほとんどが高い丘の上や、土石で固めた土台上に建てたため「楼台」ともいう。今も、江原道江陵市の鏡浦臺や、慶尚南道晋州市の矗石樓の楼閣は全国的に知られる。
・東屋や楼閣は主に両班が使用して、詩を読み、絵を描き、音楽を聴くといった風流を楽しんだ。竹で有名な全羅南道潭陽は、東屋文化で最も有名で、都落ちしたソンビたちが集まり、各々東屋(俛仰亭、息影亭、瀟灑園、環碧堂など)を建て、「歌辞(가사)」と呼ぶ独特な詩文化を育てた。歌辞文学の大家、鄭澈(정철、1536年~1593年)も、この地で「星山別曲」、「思美人曲」など代表作を書いたといわれる。
▼「瀟灑園(소쇄원)」を聴く。風流を意識した描写的な音色・・・今様である。
代表的な庭園の瀟灑園について次のように紹介された。
・紹介曲のタイトルに使われた「瀟灑園(소쇄원)」は、16世紀に梁山甫(양산보)によって作られた庭園で、生い茂った竹道を入ると、待鳳臺、光風閣、霽月堂の小さな東屋が配置され、その間を渓流が流れ、小さな滝がある。大きくはないが、自然をそのままに生かし、空間を有効に利用して、必要に応じて手が加えられた。梁山甫は子孫に、この場所を売り渡したり、またむやみに手を加えてはならぬと遺言した。
▼江原道の「江陵鏡浦臺(강릉 경포대)」を聴く。砂洲に封されたのか、鏡浦湖の水面は静に、歌も穏やかに流れる。