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2017年10月10日火曜日

ナショジオの表紙

「ナショジオ」は、世界的な紀行雑誌「ナショナルジオグラフィック」の略称である。日本語版、同誌ホームページにもなかば公認のようにこの略称がある。今月号(2017年10月号)は、ロシアをある意味<東西>に分けるウラル山脈の東側、むしろシベリアの西端といった方がいい北極海に面したヤマル半島で、南北にトナカイの遊牧をする民族「ネネツ」を紹介している。ネネツの生活、風習だけでなく、資源開発の影響まで踏み込んでいる。(特集のサブタイトルは「トナカイの民の苦境」)

(本ブログ関連:”シベリア”)

なにより、今月号の表紙が素晴らしい。少女が弓を射る真似をする愛らしく無垢な写真だ。いずれ学校に行けば寄宿舎に入る。それまでの間、両親の目に届くなかで、自然をたっぷり味あわせることだろう。見れば気になることがある。子どもらしい飾り付けをした毛皮の防寒服を、成長に合わせて、母親は縫いかえるのだろうか。


学生時代、シャーマニズムに興味を持った。シベリアの少数民族に伝わる、自然界と人間の精神世界が融合した独特な世界観を持つ信仰だ。認識の原初に思えるし、いまだに僕らの精神構造の基底にもなっているような気がする。(フィールドワークの成果は圧倒的にロシア語の世界のようだ)

(本ブログ関連:”シャーマニズム”)

特集に語られたトナカイで思い出したことがある。昔のこと、書名を失念したが、トナカイにまたがるとき、右側から乗るか、左側から乗るかによって、トナカイとの、遊牧または狩猟といった関わり方がわかるという・・・そんな話しがあった気がする。

ところで、ナショジオの表紙で話題になった、緑眼の「アフガニスタンの少女」(1985年6月)が忘れられない。(彼女はその後忘れられ、現在不運に身を置いているというニュースがある)
上記の「ネネツ」の少女にも、当たり前だが、この後つづく時間がある。いずれネネツの誇りを持った幸せな家庭を見せて欲しい。そんな再訪記事もいいものだと思う。