日の傾き始めた公園を散歩した。西日を背に、木々が芝草の上に幹の影を長く伸ばしていた。その光景が現実味に乏しくて、まるで古いディズニー・アニメの背景画のように見えて、でき過ぎた感に思わずニンマリした。
広場から元気な叫び声が聞こえてきた。まるでブリューゲルの絵「子供の遊戯」のように、子どもたちが、てんでに固まり走り回っていた。冷気が広がり始めても、彼らの遊び心は止むことがない。若い親たちは、連休中日を子どもたちのためにつくしている。
ところで、公園好きの中高年者たちの姿が余り目立たない。おじさん、おばさんは寒さが苦手なのだ。その寒さの中、公園に出かけたのは、この時期に咲く「ミツマタ(三椏)」の花を探すためだ。
ツアー旅行会社の定期案内(メインは春を告げる花見の旅行ガイド)冊子の最初に、今時期に合った話題として、「ミツマタ」が香りの高い「沈丁花」の仲間と記されていた。よく見れば、小さな花の群集する様は沈丁花そのもの。ただ香りは比較して高くない。見栄えも地味のようだ。不思議なことに、公園のミツマタの木にどこからともなく、おじさん、おばさんたちが寄って来た。
(本ブログ関連:”ミツマタ”、”沈丁花”)