ブログ本文&資料

2024年12月21日土曜日

冬至 2024

きょうは二十四節気の「冬至」、一年間で昼が最も短く・夜が最も長くなる日であり、太陽の高度は最も低くい日である(反対は「夏至(来年6/21)」)。

(本ブログ関連:”冬至”)

連日、冷えびえしているのに、今朝のテレビの天気予報では、なぜか今日だけ最高気温*が 15℃まで上がるという・・・。歳をとると寒さがこたえるのでありがたいけれど。
(*)きょうの最高気温: 結果、15℃より高く 17.4℃(14:09)に達した。

冬至は今年最後の二十四節気であり、冬の折り返しである。来年初の二十四節気は「小寒(来年1/5)」であり、その後も寒さは漸増して「大寒(来年1/20)」まで冬がつづく。
・・・実は、これから年末年始に「寒波」が襲来(2回ほど)して、気温が急降下するそうだ。


七十二候
「冬至」の期間を三つに分ける雑節の「七十二候」は次の通り。
・初候: 乃東生(ないとう しょうず)  乃東(夏枯草=ウツボグサ)が芽を出す
・次候: 麋角解(しかのつの おつる)  麋(大鹿=おおじか)の角が抜け落ちる
・末候: 雪下出麦(せっか むぎを いだす)  雪の下で麦が芽を出す

乃東(ウツボグサ)
ちなみに、冬至の真反対である「夏至」の間の七十二候の「初候」に、「乃東枯(ないとう かるる) ウツボグサ**の花穂(かすい:花が縦に群がる)が黒ずむ」とある。乃東(ウツボグサ)は、冬至や夏至の指標になっているようだ。
(**)ウツボグサ: 夏に紫色の花をつけ、終わると黒ずんだむ。採集して薬用にする。

(⇒ ヘラジカなのか、トナカイなのか、それとも単に大鹿なのか?)
七十二候の「次候」の麋について、中国語版c-Wikipediaで、「ソリはヘラジカの代わりにトナカイが引く(拉雪橇用的是鹿而不是鹿)」(Google訳)と記している。「鹿」=トナカイであり、麋の文字を使う「鹿」=ヘラジカである。 だから、七十二候の「麋」がどちらを指すのか、それとも単に大鹿なのか、日本語でどうなのか ・・・ ネット上に、「」を「馴れ鹿(トナカイ)」としているものがあったりして、少々混乱している。
ー ヘラジカとナカイの角は、毎年成長し切った後に根本から抜け落ちそうだ。


雑談
新年が迫って、年の ”year”と、耳の ”ear” の発音の違いをYoutubeの解説で確認した。
⇒ 視聴して、自分の口で発音したものの、区別できているのか独りじゃ分からない。

2024年12月19日木曜日

「雪国の民話の誕生」田中康弘氏の説明

山の不思議をまとめた「山怪」シリーズで著名な田中康弘氏が語る、下記の「冬山その山怪」のYoutube映像がある。いつもながら話の展開に誠実な人柄がうかがえ、聴く者を暖かくさせてくれる。実際に現地に赴き採集した話であり、山のひとびとの素朴さも伝わってくるようだ。

(本ブログ関連:”山怪”、”民話”)

今回のYoutubeの最後(38:48に、「冬山において 山怪はどのように育まれていったのか」、雪国の生活から民話がどのように誕生したかについて語られる。何度も足を運ばれた方だけに、とても説得力があり納得させていただいた。
・むかしの囲炉裏ばたは、作業場であり爺さんや婆さん、母や孫たちが囲む場所であった。(父親は出稼ぎに)
    ー めいめいが自分の時間と空間を持つ、今の時代とは違って、
・話のタネが植えられて、それが何代も繰り返される。(おもに祖父母が語り手となって)
    ー 話は育てられ、ききやすい言い伝えや伝承などとなり民話が誕生する。
    ー 記憶は語られることにより残る。

■ Youtube(登録:オカルトエンタメ大学)
「冬山その山怪」
https://www.youtube.com/watch?v=7BrLnLyfwXM

2024年12月18日水曜日

源内忌(火浣布)

きょうは、江戸中期の万能の畸人、平賀源内(享保13年(1728年)~ 安永8年12月18日(1780年1月24日)、筆名に「鳩渓(きゅうけい)」、「風来山人(ふうらいさんじん))」が亡くなった「源内忌」にあたる。蘭学・本草学・浄瑠璃など異能多才振りについて、これまで本ブログに、耳情報による数行をメモしている。今回もダラダラと記す。

(本ブログ関連:”平賀源内”)

きっかけは鉱物趣味だったころ、彼の発明した「火浣布」が、現在の秩父市大滝の中津川で見つかった石綿をもとにしたと知って俄然興味がわいた。
秩父鉱山によく行ったせいもある(秋田藩の鉱山(銅山)との関わりも興味深い)。それにしても、江戸から秩父への道のりを考えると、彼が多々成し遂げた仕事の一つのために、精神も体力もついやす驚異の人と言わざる得ない。
ちなみに源内(鳩渓)は、その行動から「山師」とあざけられたりもした。

(本ブログ関連:”秩父鉱山”、”山師”)

■『マリンエンジニアリング』← Wikipediaの平賀源内の「出典」に掲載
「解説 マルチ人間 平賀源内の発想」(砂山長三郎、第55巻第5号、2020年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jime/55/5/55_604/_pdf/-char/ja
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まだ雪深い中で,2 月には採取した石綿から布を作り出します.中島一家の協力で出来上がり,「火浣布(かかんぷ)」(火で汚れが浣(あら)える布)と名付け,2~3cm 角の香敷(香を焚くときに炭の上にのせる網)に仕上げます.オランダ人一行に見せ,昔はトルコで織り出されたが今は何処にも出来ていないとの証言を得て,それらの経緯を「火浣布説」にまとめ,3 月香敷と一緒に幕府に献上します
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北越雪譜
■ 国立国会図書館デジタルコレクション
江戸時代後期の商人・随筆家「鈴木 牧之(明和7年1月27日(1770年2月22日) ~ 天保13年5月15日(1842年6月23日))」の著「北越雪譜」に、火浣布の記述がある。
https://dl.ndl.go.jp/pid/767990/1/5

■「北越雪譜」二編 巻之四(青空文庫)
「火浣布」: 源内の他に、黒田玄鶴と稲荷屋喜右衛門が同様に作ったが、いずれも術をつたへずして没した。
https://www.aozora.gr.jp/cards/001930/files/58401_70229.html

■ レファレンス協同データベース
「『北越雪譜』火浣布に出てくる黒田玄鶴と稲荷屋喜右衛門」
https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?page=ref_view&id=1000025717



「近世人物夜話」
「秀吉から辰五郎まで-----」の四十編におよぶ人物話である「近世人物夜話」(森銑三、講談社文庫)に、源内の項がある。話は飛ぶが、ここでいう辰五郎は腹の据わった侠客で、徳川慶喜とつながったりして、江戸幕府がもし生きながらえていたらと想像したくなる。
源内については、江戸期に記されたいくつかの評伝を並べ、読み解いている。

源内は、大才であるが狭量だったようだ。源内のエレキテルを盗用したと錺(かざり)師(あるいは鍛冶屋)を訴え牢死させ、その後借金取りを切って死なせ**、そのお咎めで入牢するも自身がそこで最後を迎えるとは。そもそも事故物件の家に住んだという話もあって、波乱万丈の人だった。
(**)源内の門人であって、源内宛の密書を盗み見したからだと・・・さらに義経伝説のような顛末が続く話もある。

森銑三氏は、源内について「癇癪で自尊心が強く、変質者的な一面はあったにもせよ、源内その人は心置きなく交際のできる人物であったらうと、私は思っている。」と評している。

2024年12月17日火曜日

来年の干支「巳年」

来年(令和7年:2025年)の干支は、「巳(み)年」(へび年)である。何と、今から12年前(干支を一周した年)の終わり近く、次年(巳年)の干支を気にしていたのだ。ブログを見直して気付いた。

(本ブログ関連:”来年の干支”)

年の瀬が迫る今ごろ、いつも年賀状作りにいろいろ手間取っていたことだろう。けれど、昨年(2023年)末に決意して、「年賀状終い」の挨拶を、縁者・知人・趣味仲間に送付した。

(本ブログ関連:”年賀状終い”)

おかげで、今年から年賀状と関係ない元旦を迎えている・・・来年も然り。といいながらも、年賀に欠くことのできない干支については、やはり気になるものだ。
来年が「へび(蛇)年」とはいえ、直に蛇(ヘビ)について、身近で思いつくことも経験もない。せいぜい、巨大なニシキヘビの記録映像をテレビで見て驚いたことくらい。

そういえば、映画「ブレードランナー」で、レプリカントを追跡中、偶然採集したヘビの鱗(うろこ)を画像拡大すると、そこに製造番号が見えるといった場面があったな。

(本ブログ関連:”ブレードランナー”)

あと思い出すのは、なつかしの「東京コミック・ショー」の演目「三蛇調教」だろう。モグラ叩きゲームのモグラを蛇に置き換えたもので、毎回、人間くさい蛇との対話が繰り返えされる芸ながら、笑いの定番として、客が最も待ち望んだものだった。

■ Youtube(登録:竹庵藪井)
「東京コミック・ショー 三蛇調教」
https://www.youtube.com/watch?v=-HcP4v9wsto

2024年12月16日月曜日

暦売り

子どものころ、繁華街の路上に人だかりがして、親父の後ろから覗き込むと、地面に泥だらけになって積まれた万年筆が売られていた。聞くところによると万年筆工場が火事になり、焼け跡に残ったものを給料代わりに渡されたいう、ここで安く売るというのだ。いかにも怪しげな口上に、大人たちは黙って見ていた。

すると口上人は、泥だらけの万年筆の山から一本取り出し、そばに置いてあったバケツの水につけ込みサッと洗い、インクを補充して白い紙に筆を滑らせた。立派に使えると、書いて見せたのだ。結果、その万年筆が売れたのか、買った大人がいたのか記憶に定かでない。ただ思い出の光景だけが、モノクロの世界に残っている。

ネットを検索したところ、次の「mannenhudemaru」氏のブログがあり、上記の記憶がよみがえった。そして「泥万(ドロマン)」という言葉を初めて知った。

■ mannenhudemaruのブログ
「3年ぶりに泥万(ドロマン)を試してみた足立区の銭湯公演江北湯12.15(木)」(2016-12-15 20:41:15)
https://ameblo.jp/mannenhudemaru/entry-12228951593.html

ところで、路上販売については、フーテンの寅さんの口上を忘れてはならないだろう。その中に、「暦売り」のものがあるそうだ。映画の台詞を取り出したものから・・・一部抜粋させていただく。

■ 男はつらいよの世界(くじゃくのまい)
「寅さんが使う啖呵売での口上のセリフ全文(音声付)をまとめてみた - 易(人相・手相)限定の啖呵売口上」(2019/7/31、9/21)
https://www.com1ne.com/296
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天に軌道のあるごとく、人それぞれに運命と言うものを生まれ合わせております。
当たるも八卦当たらぬも八卦、人の運命などというものは誰にもわからない。
そこに人生の悩みがあります
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今まさに来年のカレンダーとの交替時期だが、私は作月末(11/30)に終わらせている。一枚だけになった12月と、来年のものとを重ねているだけなのだが。

本屋に、来年のカレンダーや暦本(易経、神道の運勢暦)などがならんでいるが、むかしに、路上で暦本が売られていたことを知った。「日々の歳時記」(広瀬一朗、中日新聞東京本社、昭和五十五年【1980年】七月一日 初版)の「12月14日」の項に、「暦売」について次のような紹介がある(抜粋)・・・1980年当時にこんな光景が見られたのだろうか。
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・書店でも(暦本を)もちろん売っているが、街頭などで立ち売りしているのが歳末らしい風景。
(句例 省略)
・売っているのが老人だったりすると、わびしげだ。
(句例 省略)
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2024年12月15日日曜日

12月の満月(コールド・ムーン)

きょうは 12月の「満月」の日で、旧暦「霜月」の11月15日にあたる。今年最後の満月だ。
米国の農事暦(The Old Farmers’ Almanac*)では、今晩の満月を「コールド・ムーン(Cold moon)」と呼ぶ。
(*)農事暦: https://www.almanac.com/full-moon-names
太陽は暖かいが、月は冷たい。12月になれば一層冷える。

(本ブログ関連:”満月”)
 
ネット情報**によると、きょうの満月の瞬間は、今夕:18時03分、方位:東北東、高度:20°という。まん丸お月さんの写真を撮りたいが、外は寒いので・・・躊躇する。
(**)月の出・月の入りマップ: https://hinode.pics/moon/state/code/13

これから、「冬至」(12/21)にいたるまで日照時間は減り、日没は早まる(ちなみに、きょうの日没は 16:30)。屋内に籠ることの多い身には、行動時間は乏しく、午後3時過ぎになると外出をひかえてしまう。

よいしょっと、子どもの素直な心に戻って、暖かくなってみたいものだ。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

ニューヨーク・サン紙社説(1897年9月21日)
サンタクロースはいるんだYES, VIRGINIA, THERE IS A SANTA CLAUS)」(担当 Francis Pharcellus Church)
(青空文庫:大久保ゆう訳:  https://www.aozora.gr.jp/cards/001237/files/46346_23177.html)
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 本紙は、以下に掲載される投書に対してただちにお答え申し上げるとともに、このようにまっすぐな方が読者におられることを、心から嬉しく思います。

「こんにちは、しんぶんのおじさん。
 わたしは八さいのおんなのこです。じつは、ともだちがサンタクロースはいないというのです。パパは、わからないことがあったら、サンしんぶん、というので、ほんとうのことをおしえてください。サンタクロースはいるのですか?
ヴァージニア・オハンロン」

(略)
 じつはね、ヴァージニア、サンタクロースはいるんだ。とか思いやりとかいたわりとかがちゃんとあるように、サンタクロースもちゃんといるし、そういうものがあふれているおかげで、ひとのまいにちは、いやされたりうるおったりする。もしサンタクロースがいなかったら、ものすごくさみしい世の中になってしまう。ヴァージニアみたいな子がこの世にいなくなるくらい、ものすごくさみしいことなんだ。サンタクロースがいないってことは、子どものすなおな心も、つくりごとをたのしむ心も、ひとを好きって思う心も、みんなないってことになる。見たり聞いたりさわったりすることでしかたのしめなくなるし、世界をいつもあたたかくしてくれる子どもたちのかがやきも、きえてなくなってしまうだろう。
(略)
 サンタクロースはいない? いいや、今このときも、これからもずっといる。ヴァージニア、何ぜん年、いやあと十万年たっても、サンタクロースはいつまでも、子どもたちの心を、わくわくさせてくれると思うよ
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2024年12月14日土曜日

北風が冷たい

明け方7時の気温は、2.5℃ と低かったが、次第に上昇を始めた。それで昼間に、スーパーへ出かけることにした。12時の風速は、3.9m/s と強く、気温も 11.6℃ と、最高気温(12.2℃、13:36)にいたるまででなかったが。思った以上に冷えて、北北西の風が冷たい。
この寒さは厳しく、最高気温は来週いっぱい 12℃± α で続くようだが。

ところで、スーパーに行って驚いた。いつもと変わらぬ諸々を購入したのに、支払いが 1.4倍くらいになったのだ。

そういえば、最近テレビで見た、人気ラーメン店の紹介で、美味いラーメン・メニューの価格が、いずこも千円を超えていた(観光地などでは、その倍に)。以前のテレビで、ラーメン店の主人が「いま、1,000円を超えるのに苦労している・・・ラーメンに対する認識『1,000円の壁』がそれをはばんでいる」といっていたが、もはやそうではなくなったようだ。

オッと、物価に対する感覚が鈍っているのだろうか。昔を知っている者にしたら、今年の変化は驚きだ。(原材料費や人手不足による人件費のアップ、さらにインバウンド消費に随伴して、物価上昇は致し方ないのかもしれない)

(参考)
■ 現代メディア
「『ラーメン一杯1000円以上は高い』論がもはや時代遅れと言えるワケ - 飲食店が苦しい今あらためて考えたい」(刈部 山本ライター、2020.05.23)
https://gendai.media/articles/-/72766?page=5
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国や東京都による統計資料を見ると、中華そば・ラーメンの一杯の平均価格は、昭和37(1962)年に48.5円、昭和50年に211円、平成元年に437円、平成10年に515円、平成22(2010)年に594円と推移している。
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■ テンポスドットコム food media
「ラーメン店は1,000円の壁を超えられるのか!?」(グルメ担当ハカセ、2024/04/03)
https://www.tenpos.com/foodmedia/management/open/17167/
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総務省統計局の小売物価統計調査の結果では、東京都区部での中華そば(ラーメン)1杯の価格平均は567~588円程度、全国平均が660円で直近は上昇傾向が続いています。
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Texas Bill Strength 「North Wind」
北風が寒い。何もかもが持っていかれるような気がする。それで、Youtubeで懐かしい(ただし日本でもって人気を博したのに、アメリカではWikipediaに記載もない)Texas Bill Strengthの「North Wind」を聴いてみよう。

■ Youtube(登録: BenBop1965)
「Texas Bill Strength - North Wind」* (1956年)
https://www.youtube.com/watch?v=lKZRUn3M3CU
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North wind
North wind
Bring my baby back again
North wind
Where did she go?
Nobody but you will ever know
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(*)歌詞: Musixmatch
https://www.musixmatch.com/ja/lyrics/Texas-Bill-Strength/North-Wind

2024年12月12日木曜日

(資料)金鉱山: 菱刈鉱山

以前、体が丈夫なころ、鉱物採集のベテランの方に従って関東近辺の鉱山を巡った。基本的に閉山した跡地で、旧い「ズリ」*を探しては鉱物を見つけた。採集仲間の一部は、腰の深さまでズリを掘り返す者もいたが、私たちはもっぱら表面採集が中心だった。
(*)ズリ: 鉱山で選鉱後、不用になった岩石の捨て場(=坑道に入れぬマニアの採集場所になる)。

(本ブログ関連:”鉱山”)

ベテランの方は、ズリ場の傾斜地などで、目指す鉱物を含んだ岩石を見定め、ハンマーで割り進める。すると、見事な結晶を取り出すのだ。母岩付きの結晶の何と美しいこと。つねづね思うのだが、いずれの世界でも、ベテランといわれる人は「勘」と「記憶力」**がまるっきり違う。一方、勘どころのない私ときたら、やみくもに岩を叩き割るしかない。
(**)勘と記憶力: 鉱物の鑑別だけでなく、産地の道筋や地形、草木一本についても。

採集地につづく道の途中、つくば市にある産業総合技術研究所の「地質標本館」に立ち寄ったりしたことがある。アマチュアには及びもつかない鉱物標本が陳列されているのだ。いっとき、夢を見ることができる場所だ。分類展示室の順路の終わり出口近くに、(鹿児島県)伊佐郡菱刈町「菱刈鉱山」の「金銀鉱石」標本***が置かれている。いつも見ても感心する。
(***)標本データベース: https://gbank.gsj.jp/musee/#M12212

(本ブログ関連:”金山”)

標本ラベルに、金銀の含有量について「"Ginguro(銀黒)"  ore(鉱石); Au 3,600g/t、 Ag 9,720g/t」と表示されている。トン当たり、金(Au)が 3,600g/t 産出したというのだから、すごい標本だ。

ちなみに、鉱石とは「さまざまな鉱物や岩石が混在している状態のもの」であり、鉱石中に含まれる産業的な鉱物を「有用鉱物」という。
アマチュアが入手する、金を含む鉱物標本は「ギングロ」といわれ、名前の通り黒い筋しか見えないのが普通。金の粒の標本は、川辺で水と大きな皿を使って採取する砂金採り(パンニング)がもっぱらだ。

ところで、Youtubeを巡っていたとき、菱刈鉱山の金採取の紹介があった。
世界的に 1~2g/t のところ、400g/t 採取できる切羽(きりは)の場面があった。なにより、金鉱山の金鉱床に、まさしく潜入できる映像なんて珍しい。

■ Youtube(登録: 鹿児島ニュース - KYT鹿児島読売テレビ、2024年11月5日 20:23)
「【特捜隊】令和の鉱山は驚きの進化!Wi-Fiで遠隔操作も 日本一の金山・伊佐市の菱刈鉱山に潜入」
https://www.youtube.com/watch?v=EjPIx3Chy8o

現在の鉱山経営は、IT技術を使ったいろいろな工夫がされていることも知った。

2024年12月11日水曜日

市民講座「身近な民間信仰」 ❷

公開講座の「身近な民間信仰」第2日目にあたるきょう、❷「暮らしから生まれた儀式と行事」の講演があった。講師は、第1日(12/4)と同じく、府中市「郷土の森博物館」学芸員の佐藤智敬(ともたか)氏である。(以下聞き間違えがありましたら、ご容赦を)

(本ブログ関連:”市民講座「身近な民間信仰」”)

日取りを決めて生活する私たちは、一年の中に節目として「年中行事」を行ってきた。そのため暦の理解が必要。昔は一ヶ月を、月の満ち(月の15日ころ)欠け(月の1日ころ)による「太陰暦」(旧暦)で定めたが、明治新政府により「太陽暦」(新暦)に変わった。

今回はおもに、調布の地を中心とした行事が紹介された

① 年中行事
・宮中など旧来の行事の流れをくむ、節句や七夕がある。また宗教や民間行事に、正月の「門松立て」や先祖供養の「盆」などがある。

② 正月行事(12~1月)
・桑や蚕などで養蚕を行ってきたことから、「マユダマ飾り」がある。
・「門松」の飾りが一般の「竹と松 」と違い、「竹と杉」を組み合わせた風習がある。
火に関連する「サイノカミ*行事」に由来した「どんど焼き」の映像が紹介された。
(*)サイノカミ: 塞の神(さいじん)は、辻や村の境、峠などに祀られる神で、道行きの安全を守る=「道祖神
    ー 子どもたちの(小規模)行事だった、いったん中断した後に復活させ現在にいたっている。
    ー 迫力ある映像を見て驚いた!

■(映像-1)X.com(登録:府中市郷土の森博物館【公式】)
(どんど焼き)「午後5:30 · 2024年1月14日」
https://x.com/kyodo_no_mori/status/1746449574125093237

(参考)
■(映像-2)Youtube(登録:東京都府中市)
「いっしょに、府中 2024年2月号~どんど焼き編~」
https://www.youtube.com/watch?v=lMaIkHPxnRc&t=3s

(付記)
アメリカのネバダ州で開かれる「バーニングマン」の光景が一瞬だけどよぎってしまうほど豪快なイベントだ。Wikipediaによれば、「像部分の全高は約12m。台座を含めると頂点まで32mの高さがある (2010年開催時)」とのこと。
ちなみに、府中市のドンド焼きのやぐらは高さ12メートル、直径7メートルあり都内最大級という。

③ 盆行事(7~8月)
・府中近郊における盆行事は、養蚕時期と関連する。
    ー 大正~昭和初期にかけて養蚕事業が盛んになった。
    ー 新暦8月は養蚕で忙しいため、8月1日を中心に盆行事が行われた。
    ー 東日本と西日本で、盆行事の時期が異なる・・・。
・先祖の精霊(仏教的な祖霊)に対するお祭り。
・「盆踊り」が実施される旧暦の10日頃は、夜も明るい。
・先祖を迎え供養する「盆棚」や「精霊棚」を多数写真で紹介された。
    ー 飾り台の後ろに「掛け軸」を総動員して、棚の仕切りとして使われた。

2024年12月9日月曜日

(資料)今年の秋は観測史上で一番暑かった

おとつい(12/7)、二十四節気の「大雪(たいせつ)」だったせいではないが、ここ数日、冬の気配が増した。とはいえ、「大雪」当日のブログに触れたが、ファッション業界では、従来秋を 9~10月としたが、11~12月でもよいほどだという話題を記した。

テック情報サイト「GIZMOOD」の記事に、「日本の秋、今年は観測史上で一番暑かった」と次のよう 紹介している。2022年 ⇒ 2023年 ⇒ 2024年 の秋(9月〜11月)*の平均気温との差が、1898年以来の傾向と比べて特段飛び抜けていることが分かる。
(*)秋の季節区分: 気象庁は、カレンダー上、秋を 9月〜11月 としている。

■ GIZMOOD(抜粋)
「日本の秋、今年は観測史上で一番暑かった」(Kenji P. Miyajima、2024.12.09 18:00)
https://www.gizmodo.jp/2024/12/japan-fall-hot.html (グラフ参照)
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・気象庁の発表によると、今年秋(9~11月)における日本の平均気温は、1898年の統計開始以来最高を記録**しました。2022年から3年連続で過去最高を更新しています。
昨年(2023年)は2022年の記録を0.49度も上回りました。・・・そして2024年はその2023年の記録をさらに0.58度も上回っちゃいました。去年と今年だけで1.07度も上昇したことに。100年あたり1.43度のペースで気温が上昇しているなかでこの数値はすごいです。

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(**)気象庁「2024年秋(9月〜11月)の天候」
    ー https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/seasonal/202411/202411s.html


台風の上陸・接近推移
秋の伸長傾向と照らして、台風の本土への上陸や接近の推移を見てみる。次の資料は、ネットで見つけた平成22年版(2010年)の「防災白書」によるもので、上記の分析と比べて、だいぶ古いが・・・温暖化傾向を浮かび上がらせるかどうか・・・。

■ 内閣府(防災情報ページ)
「図2−3−55 台風の日本への接近数と上陸数の推移」(平成22年版 防災白書)
https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/h22/bousai2010/html/zu/zu078.htm
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グラフから、台風の上陸・接近の増加傾向が見られるわけではないような・・・。残り10数年分の飼料が足りないけれど。



(追記 12/16)
上記の内閣府「平成22年版 防災白書」(2010年)よりもう少し最近の「台風」情報を追記する。
次のグラフでは、1951年~2021年までの範囲が示されており、同じく気候変動の影響が見られない。

■ 一般財団法人「国土技術研究センター」(JICE)
「国土を知る / 意外と知らない日本の国土   台風の進路にある日本」
https://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary11

2024年12月8日日曜日

(資料)鴨(カモ)と雁(ガン・かり)

この時期、公園の小川に、カモ科のカルガモ(他にマルガモ:カルガモとマガモの交雑)や、サギ科のサギ(ダイサギ、コサギ、アオサギ)をよく見る。ときに、カワウ(ウ科)、バンとクイナ(クイナ科)、カイツブリ(カイツブリ科)などを見たこともある。

そこで、よく目にする「鴨(カモ)」と、詩歌に歌われる「雁(ガン・かり)」が、どんな関係かネットで調べてみた。両者は「カモ目 カモ科」に属する同じ仲間の水鳥という。
ー 以下、誤記などありましたら、ご容赦。

カモ
(鴨、英: Duck)
ガン
(雁、かり)
分類
(大きさ)

カモ目カモ科の鳥類のうち、
・体が小さいものの総称。

カモ目カモ科ガン亜科の水鳥のうち、
・カモより大きく「ハクチョウ」*より小さい一群の総称。
首の長さ

短い。

カモよりも少し首が長い。
S字を描いていることが多い。

(口ばし
口ばしは、少し丸みを帯びている。口ばしは、平たく、植物を食べるのに
適した形をしている。
羽色






繁殖期(春から夏)に、オスは派手な色彩を持つ種類が多い。 繁殖期が終わると、メスのような地味な模様に変わる。 ・「カルガモ」は雌雄同色だが、繁殖期にオスの背羽のラインがはっきりするようだ。 雌雄とも比較的に地味な色合い。







食性



基本的には草食だが、昆虫や小さな魚など、雑食性の種類もいる。(海ガモに魚を食べるものもいる)

主に植物性の餌を食べる。




繁殖形態


発情期になると新しい相手を
見つける、一夫多妻型。

一生同じ番(つが)いで過ごす、一夫一婦型。

群れ



群れで行動しますが、雁ほど大規模な群れを作ることは少ない。

大きな群れで行動することが多く、「V字編隊」で飛ぶ姿が有名。


渡り




カモの仲間には渡りを行わないものも多くいる。
・北方に生息する「カルガモ」の中には冬に暖かい地方に移動するものがいる。

渡り鳥として知られているが、
渡りの距離やルートは種類によって
異なる。
・雁が音:ガンの鳴く声、ガンの異名。(季語:秋)


(*)ハクチョウ: 図鑑には「コハクチョウ」、「オオハクチョウ」などで記載!
(参考)「アヒル(duck)」はカモ科の「マガモ」を原種とする家禽。「ガチョウ(goose)」はカモ科ガン亜科の鳥。

(追記 12/9)
先日(12/7)の野鳥観察(探鳥会)を欠席したが、観察結果をメール配信いただいた。その中に、会として初めて水鳥の「トモエガモ」(雌)**を1羽観察したとのこと。寝坊しなければ相まみえたのに、残念なことをした。
(**)トモエガモの雌: 図鑑の写真では、雌は、雄の派手な面構えと違って地味である。

2024年12月7日土曜日

大雪 2024

きょうは二十四節気の「大雪(たいせつ)」、雪が降り重なるころを指すが、暖冬というか、秋が長く続いて冬の気配が弱々しい。(先月11/22が「小雪(しょうせつ)」だったので、順番に大雪となったはずだが、そう単純でないようだ)

(本ブログ関連:”大雪”)

本当なら、早朝の野鳥観察(探鳥会)に参加するはずだったのに、寝坊して気付けば、集合時刻(7:00)を30分過ぎていた・・・間に合わない。昨深夜に冷えて、電気敷毛布の目盛りをいつもより1つ上げて温まり、眠りが深かったからか。
ー 今朝の気温は、7:00に3.8℃ ~ 8:00に6.7℃だった。

大雪の間を三つに分けた雑節の「七十二候」は次の通り。
12月なのに暖かいといったり、寒いといったり。たしかに陽気がとじられているのを実感するが、言い訳に使ったりもする。
・初候: 閉塞成冬(そら さむく ふゆとなる)  天地の陽気が塞がり、真冬となる
・次候: 熊蟄穴(くま あなに こもる)  が冬眠のため、穴に入り冬ごもりする
・末候: 鱖魚群(さけのうお むらがる)  が群をなして、川をさかのぼる

そういえば、季節感に年齢の観点が必要かもしれない。歳とともに寒さには敏感だ。

ファッション業界のシーズン区分け
ところで、ファッション業界ではシーズン区分けが変わってきているようで、次の通り「なんなら10月までが夏、11~12月が秋ぐらいの認識」という。気象庁の季節区分では、12月~2月は冬だというに。

■ WWD(Women's Wear Daily: ファッション業界紙)
「ファッション業界を長年悩ませる『長い夏に何を売るのか問題』 いいかげん答えを出しませんか?」(五十君 花実、2020/01/31 (更新:2020/02/02))
https://www.wwdjapan.com/articles/1021305
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・従来のアパレルのMD*カレンダーだと、一年間は梅春(おおよそ1~2月)(同3~4月)(同5~7月上旬)初秋(同7月下旬~8月)(同9~10月)(同11~12月)といったシーズン分けになっている。
・しかし、今の時代にこのシーズン区分けに共感するような消費者は皆無だろう。1~2月はまだ3~4月が5~9月が、なんなら10月までが11~12月がぐらいの認識が一般的だ。
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(*)MD: ファッション商品の総合プロデュース

2024年12月6日金曜日

これから冬の寒さが続く

きのうの「体操教室」で、指導の先生から「毎日外出している人?」との質問があり、みな一斉に挙手した。つられて手を挙げたものの、実際は、ひと月の3~5割在宅している。単純に、怠け者でしかないからだ。

もちろん、出歩くのは健康(肉体的、精神的)のため大切であると、ご指導いただいたのは言うまでもない。でも、きょうは寒い気がしてためらってしまった。一日、ストーブを点けて家にこもったのだ。

きょうの最高気温は 17.7℃(14:14)だったが、テレビの天気予報によれば、これから連日、本格的な「冬(12月)」の寒さ(12℃ ± α)に入るという。もう一段、防寒を意識した身づくろいが必要のようだ。

寒さが染み始めたこの時期にピッタリな童謡、「北風小僧の寒太郎」を聴いてみよう。初出は、NHKの「みんなの歌」(1974年)だそうで、ドラマ「木枯らし紋次郎」にヒントを得たという(Wikipedia)、・・・なるほど、「冬でござんす」、「寒うござんす」、「雪でござんす」って口調が。(「木枯らし紋次郎」の決め台詞に、「あっしにはかかわりのねえことでござんす」がある)

(本ブログ関連:”木枯らし紋次郎”)

■ Youtube(登録: KAZEKOZOU69)
「北風小僧の寒太郎」(作詞:井出隆夫、作曲:福田和禾子)ビクター少年合唱隊
https://www.youtube.com/watch?v=bNhuzeYEpIE

2024年12月4日水曜日

市民講座「身近な民間信仰」 ❶

公開講座の「身近な民間信仰」第1日目にあたるきょう、❶「家に祀(まつ)る神様仏様」の講演があった。講師は、府中市「郷土の森博物館」の学芸員、佐藤智敬氏である。(以下聞き間違えがありましたら、ご容赦を)

(本ブログ関連:”市民講座「身近な民間信仰」”)

多摩川の北側にある府中市から、北上して国分寺崖線にいたるまでの小金井市との両エリアにおける、「稲荷信仰」、「講」の2つの伝承について語られた。稲荷信仰は、私にとってかなり興味深いテーマだ。講は、今回初めて聞くことになる。
- 古い2万5千分の一地図上、上記エリアに桑の木が広く栽培されていたのに驚く。

(本ブログ関連:”稲荷”)

① 家の神様(仏様): 稲荷様について
・府中・小金井のエリアにおける、「屋敷神」(個人敷地内)の信仰は、ほぼ稲荷信仰だった。(府中市: 8割)
    ー 村共同体の稲荷信仰は、屋敷神から成長(引き継いだり)したものと考えられる。
・屋敷神としての稲荷様の神体は、藁(わら)で作った社(やしろ)や祠(ほこら)の中に置かれた丸い石だったりした。
・屋敷神は、有名な神社・寺院から、分祀・勧請(かんじょう: 分霊をいただいてくる)。
    ー 平安時代に、関東エリアに稲荷神はない。
    ー 江戸時代中期の新田開発に伴い、村の鎮守として登場。
・朱鳥居は、明治以降に登場したようだ。・・・?
・狐の上にいる稲荷の姿
    ー 神道の神体は、稲を背負う。仏教では、守護神の荼枳尼天(だきにてん)。
・家の神様から、効用を持つ神へ変わる。笠森稲荷=笠(皮膚病の瘡(かさ)ぶた)の平癒。
・「稲荷」の前に「~稲荷」と(正一位など)格付けは、近世中に行なわれた。

② 講(こう):宗教的な講(遠隔地への参詣のための集まり)
・農村にとって、天候は神頼みであり、お参りに行くため「講」が作られた。
    ー 講の発達:「御師」・「先達」と呼ばれる宗教者により流布され確立していった。
    ー 御師の札配りは、大正ごろまでつづいた。
・集団の参詣:ア)日帰りなど全員で行く、イ)代表者が行く(代参)などがある。
    ー 遠隔地へ行くのは金持ちだけ。
・宗教的な講であっても、途中あるいは参詣後、旅行の要素を含む行動があった。
・講の減少:ア)農業人口/田畑の面積の減少、イ)天気予報技術の発達などあって、参詣の必要性が減ったことによる。
    ー 郷土史: 民家の屋根裏から参詣の証である「お札(ふだ)」が大量に発見されることがある。


(付記)
民間信仰と関係ないが。早朝5:00の「NHK NEWS おはよう日本」に、気象予報士の近藤奈央さんが復帰しているのに気づいた。12/2からとのこと。

セキレイ

午前中の市民講座「身近な民間信仰 ❶」を受講後、街に出て簡単な昼食をとり、そのまま公園併設の「自然観察園」へ向かった。眩しいほどの陽射しの昼過ぎ(13:00ころ)のこと。

観察園の入口に掲示板があり、月ごとに開花の野草や木の実を紹介している。その中からいくつかピックアップして探すのだが、タイミングが合わぬことがある。しかも今回、順路の板橋の修復が未完のため、十分に巡るのがむつかしかった。(きょうも、ポケットサイズのコンデジカメラしか持ち合わせず、写真を撮るのを断念した)

観察園の東側にある「かがみ池」の奥岸に、1羽のセキレイの姿が見えた。遠目に、なんとなく黄ばんで見えた。たまたま望遠レンズ付きのカメラを構えている人がいたので尋ねたところ、「キセキレイ」とのことだった。

(本ブログ関連:”キセキレイ”)

隣接の公園へ足を延ばしたところ、小川の岸辺の小さな空間に、黒い過眼線を持つ「ハクセキレイ」 を1羽見つけた。割合近距離なので観察を続けたところ、ハクセキレイは例のウォーキングして、もう1羽と落ちあい草むらに消えた。しばらくして、あらわれた2羽は小走りに消えていった。波型に飛ぶ姿も見せてくれた。

(本ブログ関連:”ハクセキレイ”)

自然観察センター
きょう初めて、完全リフォームした「自然観察センター」の建物に入った。靴を脱いで入館する。自然観察園を見おろす高台にあって、観察園側が全面ガラス張りとなって見晴らしがよい。おまけに外にテラスまである。落ち着いた雰囲気で小休憩できそう。

2024年12月3日火曜日

雪は降らない(ジャングルのクリスマス)

12月。クリスマスの歌を探しに Youtubeを巡った。古い時代から今まで、暖炉の薪に火を点して、その明かりに部屋が暖まる団欒の光景が浮かぶ、そんなことを想像しながら次の歌と出会った。

(本ブログ関連:”クリスマス・ソング”)

デリック・ロバーツ(Derrik Roberts)の歌「雪は降らない(ジャングルのクリスマス):There Won't Be Any Snow (Christmas In The Jungle)」(リー・ポクリス、ポール・ヴァンス 作詞・作曲)だ。どうやら故郷を離れた場所から、クリスマスの楽しみを伝えている・・・そんな風に聞こえた。歌の合間に、熱帯の鳥の鳴き声が聞こえてくる。そして、雷鳴、銃声?が。呑気に狩猟でもしているのかと思った・・・。
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キラキラした銀色の紐飾りも、(暖炉の)火も無いし
それに、誓いのキスも無い
ジャングルのクリスマスだから、雪も降らない
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歌詞の最後に、友人の持ち物から、もうじき帰還すると語る手紙を見つけたので、それを宛先の女性に送りますという詞がある。

そう、鳥の声の合間に聞こえたのは、武器の音(砲音が轟いていた)、1960年代のベトナムのジャングルからのものだった。

■ Youtube(登録:The45Prof)
「1965 Derrik Roberts - There Won’t Be Any Snow (Christmas In The Jungle)」
https://www.youtube.com/watch?v=r2ILGzOTjSQ

2024年12月2日月曜日

コサギの群れ

昼過ぎ(13:30ころ)、気温 16.9℃ の穏やかな陽射しのなか、公園の紅葉を見ようと出かけた。
公園の東西を流れる小川に沿って進んでいたとき、思わぬ光景に出合い、なんと一度に(ある範囲内で)、「ダイサギ」、「コサギ」、「アオサギ」をまとめて見ることができたのだ。彼らを警戒させないよう、静かに両岸を往復して観察した。残念ながら、ポケットサイズのコンデジカメラで撮影したため、解像度をあげることができなかったけれど、以下に載せる。

(本ブログ関連:”ダイサギ、コサギ”)

ダイサギ(写真左)、コサギ(写真中央)、アオサギ(写真右)
・大型の「ダイサギ」が、首をねじって毛づくろいしていた。口角の奥行きを観察するのに手間取った。(写真は超ボケているが・・・)
・何と「コサギ」が群れていた。それも2羽+6羽の2グループを見た。こんなにたくさんのコサギと遭遇したのは初めてのこと。集団すべてでないが、嘴(くちばし)が黒く、足の指が黄色なのを確認した。
・2羽飛来した「アオサギ」の1羽が残り、コサギの群れ近くにたたずんでいた。(写真は超ボケているが・・・)


他に、赤茶色の少し長い嘴(くちばし)をした、黒色の水鳥と思われるものが、小川の上を下流に向かって一直線で飛んで行った・・・一体何だったんだろう。帰宅して図鑑を眺めたが、記憶に当たりそうなものを見つけられなかった。もしかしたら「カワウ」だったのかもしれない・・・が。

小川に沿った右岸の小道に続く「カエデ」は、見事に紅葉している。日影のせいか、深紅というより、やや黒ずみ沈んだ赤なのが惜しい。背の高い「イチョウ」は、日光を受けて青い空に黄色の葉を輝かせていた。

2024年12月1日日曜日

名勝小金井桜と野草たち

公開講座の「雑学大学」は、月2回開催されていて、内容は多彩。今回は、「玉川上水」*の両岸に、江戸中期の元文2年(1737年)に植樹した「ヤマザクラ」による「名勝(=景色のよい)小金井桜」の歴史と、樹下の野草たちについて講演会「武蔵野新田開発と小金井桜と野草たち」があったので参加した。講師は、日本樹木医会元会長の椎名豊勝氏である。
(*)玉川上水: 江戸前期の承応2年(1653年)に上水(=飲用)として築かれた。

以下、聴き間違いなどありましたらご容赦。

現在まで300年の歴史を持つ名勝小金井桜は、武蔵野の新田開発の歴史と重なる。名主の川崎平右衛門は、新田の運営や飢饉に際しての救済など、安定化のため農民への支援を惜しまなかったという。彼は玉川上水に、奈良の吉野山と茨城の桜川からヤマザクラを取り寄せた。

いまだに桜を見られるのは、これまで人びとが植樹を継続**してきたからであり、今後その歴史を継承したい。現在、上水の桜は、他の木々や下草と混在(雑木林化)している。それをどのように整理するか、「生物の多様性」(生態的特徴など)の観点から見直す必要がある。
(**)ヤマザクラの寿命は80年(100~150年)ほどといわれる(最盛は50年目ころ)。

今回、林床の下草を「里山」の考え方(農家・農地 ⇔ 里山(中間地帯・一部手が加わる)⇔ 山林)にもとづきどのように扱うべきか検討し、絶滅危惧から復活した野草が紹介された。
・放置すると、イネ科多年生常緑笹の「アズマネザサ」(シノタケ)の群落に林床が7~8割が覆われる。
・林床にヤマザクラの緑陰が広がれば、本来の自生草本類が育つ環境になる。
・林床で復活した絶滅危惧種(野草)の例:
    ー アマナ、 ニリンソウ、キツネノカミソリ、イチリンソウ、ノカンゾウ、ホタルカズラ

最後に、自然とどのように関わるべきかといった議論があることが紹介された。自然のまま、在りのまま手を下さないという考え方。あるいは、今回説明したように里山的な位置づけという考え方・・・だ。