ブログ本文&資料

2022年6月30日木曜日

今年も半年が終わる

きょう(6月30日)で、2022年の前半が終わる。あっという間のこと、時間に追い越された感じして感傷にふける間もない。なにしろ暑い一日だった。

そんなさなか、隣り町に用事があって出かける。自転車のサドルが金属疲労したのだろうか軋んで安定しない。帰り道、自転車屋でサドルを交換してもらった。ペダルに力が入る。そのまま毎週通っている体操教室そばの小池に寄ってみた。

カルガモが2羽泳いでいるのが見えた。番(つがい)なのか、それとも成長した若鳥たちなのか・・・わたしにはそれを見極める眼力はないけれど。いっしょに水中に頭を突っ込んでは、エサをとっている様子を眺めた。

昼間のこと、陽射しが強く水面がギラギラ反射してまぶしい。池は生垣で囲われていて、カルガモに無用な警戒心を与えることもない。かれらはドンドン近づいてきた。



(付記)
・番(つがい)という言葉から、ショーレム・アレイヘムの短編「つがい」を思い出した。状況を飲み込めぬまま結末を迎えるつがいの雄鳥の悲哀というか、作者の冷めた目というか・・・。

・喫茶店で涼をとろうとしたときに読んだ久世光彦の「泰西からの手紙」にあげられた、泰西名画の対比として、印象派絵画を礼讃した <白樺> 連中への不満に納得する。
わたし的にもっといえば、白樺の意図には、印象派的共感から「個性」を主張したあざとさを感じるのだ。当時、写実的・古典的な絵画の作家(画家)を読みくだくには、相当な力量が必要だったはず。(今は、ネットにいろいろな映像素材があるけれど)

2022年6月27日月曜日

関東・甲信 梅雨明け 2022

きょう、関東・甲信地方は、<統計開始以来、最も短い梅雨の期間(21日間:梅雨入り6月6日・梅雨明け6月27日)>となった。平年より22日早く、昨年より19日早い。なにしろ外出して、駅前のモスバーガーにすぐ飛び込んで、熱気をさまさざる得なかった。

(本ブログ関連:”2022梅雨入り”)

その後、図書館の読書室に寄って、Amazonで購入した古書の「泰西からの手紙」(久世光彦著、文芸春秋社)を読み始めた・・・雑誌「文芸春秋」に連載された図版のエッセイをまとめた集で、関心は「泰西名画」の印象について、夕日に照らされてどこか沈鬱でくすんだイメージがする感触に共感し、および第1、第2話に取り上げられた英国の画家「ターナー」と「コンスタブル」の絵について、特にコンスタブルの風景画にある瑞々(みずみず)しく描かれた樹影についてだ(第2話の文末に申し添えたにすぎないが)。

図書館から「植物のふしぎ」(英国王立園芸協会チーフアドバイサー ガイ・バーター著、北綾子訳)を借りる。植物についての一口ばなし集・・・英国のニレの樹を全滅に追い込んだ「立ち枯れ病」まで踏み込んでいないが・・・。

ところで、久世氏は著名プロデューサーとして名を馳せた方だったが・・・、現在どのように記憶されているのだろうか。読書室の利用者は、一人抜けして私ひとりだけ残された。さすがに暑いせいか誰れも来なかった。

■ 日本経済新聞
「関東甲信・東海・九州南部で梅雨明け いずれも過去最短」(2022年6月27日)・・・抜粋
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE270V70X20C22A6000000/
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・関東地方を中心に27日も高気圧に覆われ、全国各地で朝から厳しい暑さとなった。気象庁は同日午前、関東甲信、東海、九州南部の各地方で梅雨明けしたとみられると発表した。統計開始以来、最も短い梅雨の期間となった
関東甲信は平年よりも22日早く、最も早い梅雨明けとなった。
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■ 気象庁
「令和4年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)」(更新日:令和4年6月27日)
https://www.data.jma.go.jp/cpd/baiu/sokuhou_baiu.html

令和4年の梅雨明け
地方令和4年平年差昨年差平年昨年
沖縄6月20日ごろ1日早い13日早い6月21日ごろ7月3日ごろ
奄美6月22日ごろ7日早い11日早い6月29日ごろ7月3日ごろ
九州南部6月27日ごろ18日早い14日早い7月15日ごろ7月11日ごろ
九州北部7月19日ごろ7月13日ごろ
四国7月17日ごろ7月19日ごろ
中国7月19日ごろ7月13日ごろ
近畿7月19日ごろ7月17日ごろ
東海6月27日ごろ22日早い20日早い7月19日ごろ7月17日ごろ
関東甲信6月27日ごろ22日早い19日早い7月19日ごろ7月16日ごろ
北陸7月23日ごろ7月14日ごろ
東北南部7月24日ごろ7月16日ごろ
東北北部7月28日ごろ7月16日ごろ


2022年6月25日土曜日

探鳥会を欠席(時刻間違い)して、自然観察園を巡ったこと

このところ「日の出」が早い(本日 04:27:20、東京天文台地点)。当然、その少し前から外はうっすら明るくなっている。気のいい私は随分と前に目を覚まし、「野鳥観察(探鳥会)」出席の準備万端だった。

(本ブログ関連:”野鳥観察")

探鳥会の開始は 6:30 にもかかわらず、先日(6/19)の「自然観察会」開始の 9:00と間違えた。集合場所に着くと、太陽は高くさんさんと照り、犬と散歩する人通りが多いことからやっと気づいた。

ひとりぼっちになった私は、あずまやにある「アキニレ」の樹を観察した後、隣接する公園を抜けて「調布飛行場」にある「プロペラカフェ」へ久しぶりに行ってみることにした。大通り(大沢グラウンド通り)からカフェにつながる横道入口に<衛所>があって、カフェの開店時間はずっと先と知らされ断念する。また公園にふり戻った。

公園管理事務所の掲示板に、来月早々に「自然観察園」で<植物観察会>開催の案内があり、何ときょうが申込最終日と知って受付で申し込んだ・・・、まるで成り行きのように「自然観察園」へおもむき、園内(東側)をのんびり巡った。
(この間、熱中症に気を付けて、自販機でペットボトルの飲料水を3回購入・携帯したのはいうまでもない)

この時期らしい野草と巡り合った。

丘に咲く虎の尾に似たという「オカトラノオ」に、白い花ゆえに勇猛さとか獰猛さを感じない。咲き群れていると、むしろ辺りにゆったりした落ち着きさえ感じてしまう。

オカトラノオ

名前の通り「ハンゲショウ」の白を見ると、女性のうなじに塗った白化粧を思い浮かべてしまうのであります・・・。

ハンゲショウ

一輪だけ「ノカンゾウ」の花があって、それにしても花びらの先が疲れている。とはいえ辺りにふくらんだ芽が多くある。他にもこれから咲くのだろうか? 

ノカンゾウ

次の「ホタルブクロ」と「ヤマホタルブクロ」については、萼(がく)と萼(がく)の間にある付属体に反りがあるもの(ホタルブクロ)と、ないもの(ヤマホタルブクロ)の違いがあるという。写真は、詳細に観察した結果でなく、園内入り口にある順路図に記載された場所にもとづいて名を付したもの(間違っていたらご容赦)

ホタルブクロ?

ヤマホタルブクロ?

きょうの記述は記憶違いのため、上記の通り赤字訂正が多すぎた。

2022年6月21日火曜日

夏至 2022

きょうは、二十四節気の「夏至(げし)」。一年でいちばん昼(日の出から日の入りまで)時間が長い(14時間35分間)。けれど「国立天文台」資料*によれば、「分」レベルでは昨日・一昨日と共に同時間だった。
(*)位置(日本経緯度原点)https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2022/s1306.html

(本ブログ関連:”夏至”)

おとついの「自然観察会」で解説いただいた「ハルニレ」の木を再確認するため、きのう公園を巡った(小川の流れに勢いが増した印象)。ともに快晴だったが、きょうは薄暗い、じめじめした梅雨空模様。テレビで気象解説の森田正光氏が、関東地方の梅雨を「陰性の梅雨」と語っていた(ちなみに、現在豪雨の九州地方は「陽性の梅雨」とのこと)。

ところで、今夜の「月齢」は 21.6、「下弦」の月にあたる。やがて「新月」にいたるが、最近、月の満ち欠けを感じることがない。夜は家に籠って、外出することなんてとんとなくなった。

午前の「体操教室」の帰り、教室のそばにある小公園の池を観察した。先日の「自然観察会」で、この池にカルガモ親子がいたという情報があったが、成鳥が一羽だけ泳いでいるのを見ただけ。
Youtube(テレビ朝日のニュース、6/20)**に、「千葉県習志野市の京成線で駅の線路にカルガモの親子が現れ、線路外に誘導されるまでの10分間、電車がストップする騒ぎとなりました」という映像がある・・・ニュース情報なので、じきに見られなくなるだろうけれど。駅構内の線路上を子どもたちを連れて歩く母ガモはたくましい。
(**)https://www.youtube.com/watch?v=mqAofXEygPY

人間の親(母)子連れの場合、乳母車、ベビーカー、バギーは欠かせない・・・呼び名の違いがよくわからない。海外で暮らす日本人の話題に、外国は石畳や道路事情が良くないので、車輪の小さな日本製はガタゴト揺れるとのこと(海外のものは車輪が大きいそうだ)。

2022年6月19日日曜日

自然観察(11)

きょうは、今年2回目の「真夏日(30℃以上35℃未満)」になるかもしれない最高気温がぎりぎり29.7℃(14:28)に終わったけれど、たしかに暑かった。午前中、公園の「自然観察会」は熱気と湿気で大変で、厚手の長袖シャツを着て出かけたものの、袖をたくし上げざる得なかった(ヤブ蚊を用心しての長袖だったが、彼らが登場することはなかった)

(本ブログ関連:”自然観察会”)

膝痛から回復したつもりの膝が気になる。そんなわけで観察会の途中、幹事さんに「千代の富士のように『体力の限界』になって・・・」といいわけして、抜け出させてもらった(前回5/15もそうだった)。

観察会の始め、参加者から野鳥(ジョウビタキ、ツバメ、カルガモ、カラスなど)の最新情報が紹介されたりしたが、会長からもいろいろなお話があったなか、「ニレ(楡)」の木について、次のような解説があった。
・日本のニレの木に、「ハルニレ」と「アキニレ」の種類がある。
・ハルニレ: いわゆるエルム(elm)の木で、北海道に多くて南側にない。関東は少ない。
・アキニレ: 隣接する公園の川沿いにある東屋にあって、ハルニレに比べて葉は小さい。

観察
・ナンテン(樹): 白い花、落ちやすい。
・ワルナスビ: 葉の裏側にも棘(とげ)がある。
・ヒメジョオン、ハルジオンの区別: 葉の茎に付き方が違う。
・ツユクサ: 午前中に花が咲く(いわば半日草)。
・クスノキ(樹): 新芽が赤いのは紫外線防御か・・・。
・クワ(樹): 葉の形に変異が多い。
・コブシ(樹): 実は原始的な特徴を持った花。雄しべは螺旋状に付くとのこと。
・ホタルブクロ: ヤマホタルブクロとの違いを聞く・・・(萼片の形状が違うというが)
                (どこか似た気のするリンドウと、花を反対向きに咲かせているけど)
・ドクダミ: 白い花びらは「苞(ほう)」(多くの花びらを包む)・・・ cf.「萼(がく)
・ヤマユリ: 花弁と萼が同色で似て共に花びらのよう。

・ハルニレ(樹): 一部の葉の表に、虫が作った虫こぶ(突起物)がある。
                幹から出た枝の元が、固い板状のコルク質に覆われている。アキニレにない。
                春に花・実をつける(実の時間が少ない)。アキニレは秋に花・実をつける。


                ハルニレの葉は、左右非対称の形をしている。

イギリスの18世紀末~19世紀初頭のロマン派の画家(印象派に影響を与えた)に、ニレ(elm)の木を多く素材にしたジョン・コンスタブル(John Constable)がいる。彼の描いたニレの木が一体どんな種類だったのか知りたい。わたしにしたら、薄暗い「泰西名画」(本当は「西洋絵画」にすぎないのだが)の古めかしいイメージにつながる。

2022年6月17日金曜日

「とても私的な夜」と「Aqua(アクア)」

歌手イ・ソンヒが登場したこともある KBS 2TVの長寿音楽番組「ユ・ヒヨル*のスケッチブック」**で、穏やかな物腰で歌手たちと対話する司会者ユ・ヒヨル(유희열)が最近発表した曲と坂本龍一のものとが極めて類似していると話題になっている。ユ・ヒヨルは、歌手兼音楽プロデューサーでもある。
(*)ユ・ヒヨル: https://namu.wiki/w/유희열
(**)「ユ・ヒヨルのスケッチブック」: https://namu.wiki/w/유희열의%20스케치북

(本ブログ関連:”ユ・ヒヨル”)

朝鮮ドットコム/朝鮮日報日本語版
「韓国歌手ユ・ヒヨル、坂本龍一作品の盗作認める…『申し訳ない 何とぞご理解を』」(オ・ギョンムク記者、2022/06/15)より抜粋
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・歌手ユ・ヒヨルが日本音楽界の巨匠・坂本龍一の曲を盗作したことを認めて謝罪した
・ユ・ヒヨルは14日、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」の所属事務所「アンテナ」公式アカウントで、「『ユ・ヒヨルの生活音楽』プロジェクトの2番目の曲『とても私的な夜』と坂本龍一氏の『Aqua(アクア)』が類似しているという情報提供があり、これを検討した結果、曲のメインテーマが十分類似していることに同意することになりました」と述べた。
 ・ユ・ヒヨルは「長年にわたり最も影響受け、尊敬しているミュージシャンなので、無意識のうちに私の記憶の中に残っていた同様の進行方式で曲を書くようになりました」「発表時、私の純粋な創作物と考えましたが2曲の類似性は認めざるを得ませんでした」と説明した。
・ユ・ヒヨルは「LPリリースを延期し、坂本氏側と連絡して著作権関連の問題を整理します」「久しぶりに出す曲を待っていた方々を失望させてしまい、あらためておわび申し上げます」と謝罪した。
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(参考)類似Youtube映像:  https://www.youtube.com/watch?v=06otxBrFJyw
(追記)坂本龍一の日ごろの言動に照合して、彼らしい表向き決着を図ったようだ。

韓国では、盗作(표절)問題がわりと話題になりやすい。音楽業界だけでなく、食品、漫画・アニメあるいは番組制作においてもそうだった(例えば、むかしのプロデューサーたちが「釜山へ行ってくる」といえば、そこで日本の放送電波をキャッチすることであったし・・・)。それだけでなく、小説家においても盗作が問題になったりした・・・、「知性」とか「教養」といった「精神的」な趣きとかかわりが深い分野だけに厄介だ。
(追記)朝鮮日報記事:「日漫画盗作論争、ネイバーウェブトゥーン『連載中断』」
https://www.chosun.com/culture-life/culture_general/2021/09/18/5ZA5O4YLB5GXRABTKLXM5MES3Y/

(参考)小説の場合
本ブログでも以前(2015年6月)、作家申京淑(シン・ギョンスク)の作品に、三島由紀夫の『憂国』からの盗作疑惑が報じられたことについて取りあげたことがある。その後をフォローしなかったところ、下記(①、②朝鮮日報記事:上記ユ・ヒヨルの件と合わせて最近再掲載)のような展開をしていた。(彼女の夫は大学関係者で、難解な擁護論を語っていたのに驚いたことがある)

(本ブログ関連:”申京淑 盗作”、”申京淑(全体)”、”小説の盗作”)

なお申京淑は、盗作疑惑の指摘を受けた同年(2015年)に謝罪したものの、その後ある団体の長から告発を受けるにおよんだりしていた***。
(***)中央日報日本語版の記事(2015年6月)
https://japanese06.joins.com/JArticle/202147?servcode=400&sectcode=430
https://japanese.joins.com/JArticle/202148

① 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
「三島由紀夫「憂国」盗作疑惑の韓国人作家に不起訴処分」(パク・サンギ記者、2016/04/01)
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・盗作による詐欺および業務妨害容疑で告発されていた小説家、申京淑(シン・ギョンスク)さん(53)について、ソウル中央地検刑事6部(ペ・ヨンウォン部長)は先月31日、不起訴とする決定を下した。
・申さんが1996年に発表した短編小説『伝説』は、日本の作家、三島由紀夫(1925-70)の『憂国』をまねたものだという疑惑が浮上していた。これに対し、韓国社会問題研究院のヒョン・テクス院長は昨年6月、「申さんの盗作行為によって、『伝説』を出版した出版社の業務が妨害され、また申さんが盗作によって印税を得たのは詐欺罪に当たる」として告発した。
・検察の関係者は「出版社側が先に、申さんに対し出版を持ち掛けたため、申さんが出版社をだまして印税を受け取ったわけではなく、出版社側にも処罰を求める意思が全くないため、不起訴とすることにした」と説明した。
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② 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
「【記者手帳】三島「憂国」盗作騒ぎと未必の故意」(ユン・イェナ記者、2015/09/06)
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韓国の女性小説家・申京淑(シン・ギョンスク)氏の盗作問題にあらためて注目が集まっている。盗作が問題となった小説を出版した創作と批評社が、編集人と編集主幹名義で盗作を事実上否定し始めたからだ

 同誌の編集人でソウル大学名誉教授の白楽晴(ペク・ナクチョン)氏は27日、自らのフェイスブックを通じ「盗作疑惑が指摘された部分に、疑いの目が向けられるだけの類似性があることは確認したが、これを意図的なもの、つまり破廉恥な犯罪行為であると断定することには同意できない」と主張した。

 これに先立ち編集主幹で延世大学教授の白永瑞(ペク・ヨンソ)氏も同誌秋季号の巻頭言で「問題の作品の中に、盗作疑惑を呼び起こすに十分な類似性が見られるという事実は認めるが、その類似性を意図的盗作によるものと断定することはできない」との見方を示した。

 この結果、この問題はまた原点に戻ってしまった。今年6月、申氏が自らの短編小説『伝説』に日本の極右作家として知られる故・三島由紀夫氏の短編小説『憂国』の一部を盗用したとの疑惑が表面化した直後、出版元の創作と批評社が「問題とされる文章に類似性は認められるが、作品全体に占める割合は低いので盗作ではない」との立場を表明したところ、批判の高まりを受けてこの見方を1日で撤回した経緯がある

その創作と批評社が今回、再び盗作の否定に乗り出したわけだが、その主張のポイントは要するに「『見た目』はそうかもしれないが、『意図』はなかった」ということだ。この言い分は非常に巧みで絶妙なものだ。しかし批判する側が問題としているのはそのような点ではない。「誰が見ても盗作」と見えるものを「そのような意図はなかった」という論理で批判をかわそうとしているところに問題があるのだ

 このままだとこの問題は迷宮入りしてしまうだろう。文章を読んでそれを評する人間は、それを書いた人間の心の中まで見ることはできないし、また人間は誰でも自分の思いが自分でも分からない時が多い。これは現代の科学が教えるところでもある。
 
 この問題を最初に指摘した小説家のイ・ウンジュン氏は、問題となった申氏の『伝説』の文章と、詩人のキム・フラン氏が翻訳した三島由紀夫の『憂国』の複数の文章とを比較し、その上で「世間の常識」に判定を求めた

(本ブログ関連:”申京淑 盗作”)

 その結果はどうであったか。ここで全ての名前を挙げることができないほど多くの作家が、イ・ウンジュン氏の提起した盗作疑惑に同意した。当の申氏でさえも「盗作との指摘は正しいのかもしれない」と語った。しかし申氏はその一方で「私も自分の記憶が信じられない」ともコメントしたため、とても素直に反省しているようには見えなかった
 
 聖書には「太陽の下に新しきものなし」という言葉がある。無限ともいえる古今東西の作品から必要な栄養を吸収し、成長してきた21世紀に生きる韓国の作家たちが、完全にオリジナルの新しい作品を作り上げることは、もしかすると不可能に近いことなのかもしれない。

 ただしたとえそうだとしても「誰が見ても盗作に見えるもの」を「意図的ではなかった」という一言で片付けるのは、どう考えても厚顔無恥だ。刑法にも「未必の故意」という言葉がある。多くの知識と経験を持つ作家や創作と批評社の高名な関係者たちであれば、当然誰もが知っている言葉だろう。

 記者は今年5月にある作曲家にインタビューしたが、その際、その作曲家は「無意識の盗作を警戒するため」と前置きし「大衆歌謡や音楽はあえて聞かない」と語った。このように無意識による失敗をも警戒する態度と「盗作かもしれないが意図的ではないとはぐらかす態度。どちらが芸術家として本当にあるべき姿だろうか
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(参考)幽体離脱法
https://namu.wiki/w/유체이탈%20화법

2022年6月14日火曜日

電話用モデムEMTA、アニサキスとクジラ

3月に膝痛のリハビリを終えた後、4月から週一で <足の筋力を向上する> 体操教室に通っている。今後のことも考え、体操教室で筋力アップにはげもうと休みなく参加して来た。歳をとると足腰が弱まって、転倒(骨折)が心配なのだ。

きょうは体操教室の日。そんなとき、自宅の固定電話が通話できなくなった。ケーブルテレビにつながる電話用モデム(EMTA:Embedded Multimedia Terminal Adaptor)*が故障したようで、ケーブルテレビのサービス会社へ修理依頼したところ、本日訪問するけれど何時ころになるか決まったら連絡するという・・・、遅い場合、夜の9時と。
(*)EMTA(「要約市場」): https://48918.biz/274.html

工事がいつになるか不明のため、とりあえず体操教室へ欠席の連絡をした。その後が大変。電話用モデムを部屋のすみに置いていたため、いろいろ家具を動かしたり、周辺を掃除をしたりでよい運動になった。なにしろ、ケーブルテレビ、パソコン(インターネット)、固定電話を共通利用しているので、ケーブル類がほこりをかぶっている。

幸い午前中にエンジニアが来訪して、電話用モデムの交換で終わった。ホッとする・・・今回、部屋の片づけにもつながり、少しは整理整頓された気がする。


(付記)
先日(6/6)のテレビ朝日のニュース**で、近年、線虫アニサキスの幼虫による(魚の生食)食中毒患者数が増えているという。年度別推移のグラフで、10年前の倍以上になっているように見える。考えられる要因として、研究者によれば、線虫アニサキスの最終宿主が魚を捕食するクジラであり、そのクジラが増加している結果ではないかという。これはいろいろな意味で皮肉なことかもしれない。
(**)Youtube: https://www.youtube.com/watch?v=bU_70oDSsUw

実は体操教室の帰り道、回転すし屋に寄っている。DHAを多く含むという青魚が好物で、特にアジがお気に入りだ。アニサキスの話題で、サバとかイワシやイカが寄生されているといわれる。アジはそうでもないかと思っていたが、残念ながら厚生省の「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」***に、アジの名前もしっかり載っている。
(***)厚生省:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html

しばらく、回転ずしから足が遠のくことになるだろう。

2022年6月6日月曜日

芒種 2022、アミノ酸(砂や石に大量の水)、(追記)関東・甲信梅雨入り

きょうは二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」で、イネ科植物の種をまくころ。芒種の文字にある「(のぎ)」は、コメ、ムギなどイネ科の種の先端にある棘状の突起をさす。

(本ブログ関連:”芒種”)

そろそろ梅雨になれば、田植えの時期になるだろうけれど、武蔵野の台地は水田に向かない。わずか台地の崖線に沿って流れる野川の一部に水田の面影が残っているものの、農業としての水田は約50年ほど前に消滅したようだ*。
(*)水田跡碑物語: https://koganei-kanko.jp/maron/archives/10394

きょうは一日小雨で、日中・夜間になっても気温は 16℃前後でしかなく、厚着して過ごした。いずれ、きょうの記録見て、最高気温が19.6℃だったと驚くかもしれないが、それはきょうの日付に変わった深夜 00:02のことに過ぎない。肌寒い日だった。


(付記)アミノ酸
外出も何ごともない一日だったが、ネットニュースにすごい発見が報じられていた。「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」で採取したサンプルにアミノ酸が見つかったというのだ。

■ 読売新聞オンライン(2022/06/06)・・・ 要約
「『はやぶさ2』採取の石から15種のアミノ酸…宇宙由来の物質、地球の生命誕生に関与か」
https://www.yomiuri.co.jp/science/20220606-OYT1T50079/
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・宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」は、地球と火星の間を回る小惑星「リュウグウ」から計5.4グラムの石を採取し、2020年12月に地球に持ち帰った。日米の研究チームが石の一部の解析を進めている。外気に触れない状態で分析した結果、15種類のアミノ酸を検出した。構造が微妙に異なるものも含めると、30種類以上に上る
・中には、人間や動物などのたんぱく質をつくるアミノ酸もあり、体内でエネルギーを生み出す反応に関係する「アスパラギン酸」や、うまみ成分の「グルタミン酸」などが見つかった。
・成果は今後、論文として発表される見通し。
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同様のニュース
■ NHKニュース(2022年6月6日)
NHKのニュース記事では、詳しい分析を行っているのは国内8研究チームと書かれている。一方、上記の読売の記事では、日米の研究チームとされている。
「小惑星『リュウグウ』砂などから “生命に関係深い”アミノ酸」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220606/k10013659611000.html


(追記)リュウグウの砂や石に大量の水
■ 読売新聞オンライン(2022/06/10)・・・ 抜粋
「『はやぶさ2』採取、リュウグウの砂・石に大量の水…地球の海の起源解明に期待」
https://www.yomiuri.co.jp/science/20220610-OYT1T50171/
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北海道大や宇宙航空研究開発機構( JAXA)などの研究チームは、日本の探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから地球に持ち帰った砂や石に大量の水が含まれ、46億年前に太陽系が作られてから間もない頃の状態を保っているとみられると発表した。地球の海の水がどこから来たかや太陽系の成り立ちを巡る謎解明のヒントになる成果だ。成果は10日、科学誌「サイエンス」*に掲載された。
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(*)JAXA発表 https://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20190419_Science/


(追記)関東・甲信梅雨入り
(実は、6/7早朝の)TVニュースを見て知った。それも、西日本(沖縄・奄美を除く)よりも先に関東・甲信が梅雨入りしたというのだ・・・ PCしか見ていないと気づかない。

■ 気象庁
「令和4年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)」(更新日:令和4年6月6日)
https://www.data.jma.go.jp/cpd/baiu/sokuhou_baiu.html

令和4年の梅雨入り                                
地方令和4年平年差昨年差平年昨年
沖縄5月4日ごろ6日早い1日早い5月10日ごろ5月5日ごろ
奄美5月11日ごろ1日早い6日遅い5月12日ごろ5月5日ごろ
九州南部5月30日ごろ5月11日ごろ
九州北部6月4日ごろ5月11日ごろ
四国6月5日ごろ5月12日ごろ
中国6月6日ごろ5月12日ごろ
近畿6月6日ごろ6月12日ごろ
東海6月6日ごろ6月13日ごろ
関東甲信6月6日ごろ1日早い8日早い6月7日ごろ6月14日ごろ
北陸6月11日ごろ6月13日ごろ
東北南部6月12日ごろ6月19日ごろ
東北北部6月15日ごろ6月19日ごろ

2022年6月4日土曜日

野鳥観察(36)

早朝の野鳥観察(探鳥会)へ出かけるのに、日ましに気分が軽快になる。家を出れば、太陽の高度は22.6度で、前回(5/28)と比べて少々高く、辺りを暖かく明るく照らす。集合場所へ向かい西へ進むとき、反対に東へ向かうランナーたちが眩しそうに朝陽を手でさえぎっていた。

(本ブログ関連:”野鳥観察")

きょうも軽装(といっても長袖だが)だった。暑さを感じるまではないだろうと思ったが、結果として額に汗が滲みハンカチで拭いた。会の皆さんと一緒に行動することで、朝の心地よい運動にもなっている。感謝です。

ところで、幹事さんの集計によると、参加者数と探鳥の野鳥種類数が同じになった。そんな愉快なことがあったが、私としては、緑陰に隠れた鳥たちを見つけるのは手の打ちようもなく、平凡な観察に終わった。
今回、フィールド観察でプロフェッショナルな方が初めて参加され、「(緑の濃い)この時期、8~9割を鳴き声で判別している」と語っていたのに驚いた。

わが観察はいつも通り、ベテランの方からの解説をいただきながらの結果となった。
・ムクドリ: 一斉に木立から飛びつ(別場所で、ヒナが樹上で給餌を受けていたようだ)
・ヒヨドリ: つい「ヒヨ」といってしまう自分がちょいと恥ずかしい。
・スズメ: かれらだってカウント数に入れなくては・・・。
・ツバメ: 飛翔姿を見て、「ヒメアマツバメ」とベテランの方から解説いただいた。
・鳥の巣: 樹上に細枝を稠密に組んだ鳥の巣があった → 近くにカラスがいたが?
・ハシボソカラス: (↓写真)観察路にあるグラウンドの網の上で2羽が睥睨していた。
・ガビチョウ*: 終盤、喧噪な鳴き声が続いた。侵入生物なので残念な気がする。
(*)国立環境研究所の「侵入生物データベース」によれば、「江戸時代から輸入の記録があるが,野外では1980年代に北九州で観察されたのが最初」とのこと。最近のことと知って、かれらの賑やかな歌声に興がなかなかわかない。
   https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/20150.html

その他、植物「ドクダミ」、「ワルナスビ」について
① 会長が道ばたに生えた「ドクダミ」の花弁を見せて、4枚あるが大中小とあって、大と小、中と中の対になっていると解説いただいた。わが家の庭のドクダミが今年ついに復活した。どう駆除しようかと考えていた矢先、ドクダミも一生懸命生きていると感じた次第。
② 観察順路に「ワルナスビ」の花が咲いていた。ちょっと気を引くような不良っぽさを感じるのは、これも侵入生物だからなのだろうか。

(本ブログ関連:”ワルナスビ”)


2022年6月2日木曜日

江辺歌謡祭、21年ぶりの復活

歌手イ・ソンヒが、1984年に「Jへ(J에게)」を歌って歌謡界にデビューするきっかけとなった音楽祭「MBC 江辺歌謡祭(강변가요제)」(1979年~2001年)が、今年本格復活すると韓国MBCは次のように報じている。

(本ブログ関連:”Jへ”、”江辺歌謡祭”)

江辺歌謡祭は、シンガーソングライターたちによるコンテストイベントであって、いわゆる養成所(プロダクション、スタジオ、スクールなど)でアイドルを育成するシステムとは一線を画す。

■韓国MBC(iMBC記事)
「MBC 江辺歌謡祭、21年ぶりに復活… スター登竜門の名声をつなぐ」(iMBC ペク・スンフン記者、2022-05-30)
  https://enews.imbc.com/News/RetrieveNewsInfo/349351
(iMBC: インターネットMBC、MBCの子会社)
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わが歌謡界を代表するスターの産室であり登竜門と呼ばれた、MBCの江辺歌謡祭が21年ぶりに華麗に復活する。
(iMBC記事より)
昨年、江辺歌謡祭出身のレジェンド歌手たちが大挙参加した「江辺歌謡祭レジェンド」を開催したMBCは、今年はシンガーソングライターたちの創作曲で実力を競う形式の江辺歌謡祭を来る9月3日、江原道原州市の艮峴(カンヒョン)観光地の野外特設舞台で開催すると明らかにした。

今回の江辺歌謡祭は、満17歳以上の新人ミュージシャンなら誰でもジャンルの制限なしに、本人の創作曲によって参加することができ、大賞など受賞者には約1億ウォンの賞金と音源発売の機会が提供される。

過去、イ・ソンヒ、パク・ミギョン、チャン・ユンジョンなどわが歌謡界を代表するスターを輩出した江辺歌謡祭が、もう一度わが歌謡界を率いるシンガーソングライターを輩出するスター登竜門の地位を蘇らせることができるか関心が集まっている。

MBCは、江辺歌謡祭 参加者募集のための公募は、5月30日から約1ヵ月間、オンラインを通じて進行される予定であり、2回の事前公演審査とメンタリング*を経て、決選に進出する12チームを決めることになると明らかにした。
(*)メンタリング: 指導者による助言と育成(決勝に相応しい一定の指導)

今回の ”江辺歌謡祭 ニューチャレンジ” は、原州市、原州MBC、MBCが主管・主催して、文化体育観光部、韓国コンテンツ振興院が制作支援する。参加希望者は、江辺歌謡祭のホームページを通じてオーディション申請をすればよい。

江辺歌謡祭を準備しているMBC関係者は、「今回の江辺歌謡祭が、シンガーソングライターたちが本人の創作曲で自分の才能を思う存分発散し、コロナに疲れた観客たちにも新しい活力を吹き込む機会になるだろう」と期待を表した。

一方、1979年から2001年まで行われた江辺歌謡祭は、新人登竜門の固有名詞と思われてきた。79年第1回の紅参トリオから81年チュ・ヒョンミ、84年イ・ソンヒ、85年パク・ミギョン、88年イ・サンウン/イ・サンウ、89年パク・ソンジュ、95年パク・ヘギョン、99年チャン・ユンジョン、00年ビッグママのイ・ヨンヒョンも江辺歌謡曲祭が輩出した傑出したミュージシャンたちだ。
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同様のニュース
Newsen(パク・アルム記者、2022-05-30)
「江辺歌謡祭 21年ぶり復活『コロナに疲れた観客へ活力吹き込むこと』」
https://www.newsen.com/news_view.php?uid=202205300919431910