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2019年10月23日水曜日

結晶洞窟

地下深くに結晶に覆われた洞窟がある。巨大な結晶で、まるでSFに出てきそうな・・・そういえば、レンタルDVDで見た映画「ザ・コア」(地球の中心部分に核爆弾を仕掛けて、地磁気異常から地球を救うというとんでもない話だが)に、地中に水晶が林立する洞窟が登場した。まさに「地底探検」のよう。

地底に、荒唐無稽ではなく、素晴らしく巨大な結晶が存在する洞窟がある。NHKは洞窟好きで、たびたび国内外の洞窟探検ドキュメンタリーを放送する。その中に、洞窟最奥の壁一面に「硫黄」結晶が張り付いている、メキシコ鉱山「ヴィラ・ルース」の映像が紹介されたとき、硫黄好きな私は大いに喝采したものだ。再放送をVHSビデオに収録したりして・・・。

同じく、メキシコの鉱山「ナイカ」の洞窟(「クリスタル洞窟」という)の結晶についても放送された。透明度のある「石膏」の柱状結晶が複雑に交差しているのだが、それはSF映画もどきで巨大。調査研究の人間の姿が小さく見えてしまうほど。まるで舞台装置のようなスケールなのだ。

(本ブログ関連:”ヴィラ・ルース”、”ナイカ”)

今回、ニューズウィークの記事「ヨーロッパ最大の『結晶世界』、『プルピ晶洞』一般公開される」*(10/23)に、<スペイン南部の「プルピ晶洞」(1960年代に閉山した「ミナリカ」鉱山で、最近1999年に発見された晶洞>が紹介されている。結晶は、メキシコの「ナイカ」鉱山と同じく透明度の高い「石膏」で、尖った結晶構造に見える。
(*)記事: https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13248.php

両者の「石膏」は、透明度のある鉱物「透明石膏(セレナイト)」の結晶で、いわゆる石膏像にあるような真っ白なイメージと違う。ナイカと比べて、プルピ晶洞の透明石膏は規模が小さいようだが、今年の8月5日から一般公開されているという。ナイカの場合、地底深くあって研究者にも調査困難な環境のため、現在は地下水を入れ戻しているという(鉱山閉山のためとも)。その方が、貴重な結晶の保存のためにもいいことだろう。
ちなみに、観光ガイドにヴィラ・ルース洞窟の紹介があるが、硫黄結晶のできている場所は「硫化水素ガス」が充満しているわけで観光は絶対に無理・・・安全で観光可能なエリアが洞窟にはあるのだろう。

Youtube映像
・ナイカ鉱山(BBC): https://www.youtube.com/watch?v=HeiMfLmJtzk
・プルピ晶洞(EFE): https://www.youtube.com/watch?v=dItEmYzZknI


(追記)
ニューズウィークの記事タイトルにある「結晶世界」という言葉がたまらない。もし地上世界が結晶化したらどうなるか・・・、恐怖であり狂気的な光景だが、見てみたい気がしないわけではない。J.Gバラードの「結晶世界」は、作家の評価から文芸的とすることもあるようだが、鉱物好き(つまり結晶好き)にいわせれば、SF+アクション風な映画感覚で楽しんだ。

(本ブログ関連:”結晶世界”)