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2019年5月17日金曜日

森林浴

昨日のブログに「月光浴」について触れた。といっても、月のわずかな光を頼りに(長時間露光)撮影した写真集のことだが。月明かりに照らされた自然の姿が余りに幻想的で、神秘的なのに感動を覚えたものだ。

同じ「~浴」の名を持つのに、「森林浴」(Wikipedia:日本では1982年に当時の林野庁などによって提唱)があって、昔ブームになったことをブログに記したことがある。青葉繁る森(特に針葉樹林)を巡ると独特な香りがする。香りの物質を(ソ連の生物学者が発見した)「フィトンチッド(Фитонциды、Phytoncide)」といい、植物が防御反応で放出する揮発性物質という。

(本ブログ関連:”森林浴”)

日本ではYoutubeに関連映像が多数見受けられる。「Фитонциды」または「phytoncide」で検索してみると、本家のロシア(ソ連)では、効能が語られているようだが、英語版などは、日本発の映像が使われているようで(日本情報に敏感な韓国版もあるが)、欧米での普及はよくわからない。
また、日本版Amazonで「フィトンチッド」関連商品を検索すると、あまり知られていない商品が出てくる。肌に直接触れる物だけに若干の躊躇がある・・・。

現在の日本では、森林浴は一部信奉者だけの言葉として残っているのかもしれない。うっかりすると忘れられそうな観もある。(特に、若い人には余り知られていない気がする)

月光浴

帰宅道、東の空に月齢 11.2の月が浮かんでいる。なのに星一つ見えない。厚い雲が垂れているわけではない、むしろ空全体に青味すら感じて不思議な気がした。きっと、月明かりだけ通す薄い雲が空を覆っているのだろう。

先ほど見た旅番組で、タレントと何ごとも無頓着な漫画家が、夜の岬を訪れたとき、撮影用の照明を落とした瞬間、歓声をあげた。まるで、岬の先が「天の川」へ通じているようだというのだ。星明りの強烈さを、そのときのテレビカメラの感度では伝えられなかったという。

照らされて影ができるほどの、煌々とした月明かりも浴びたい。あるようでない経験だ。

昔のこと、写真集「月光」(石川賢治*、1990年)が話題になったことがある。微かな露光の月明かりを頼りに、サイパンの岬に打ち寄せる波を撮影(長時間露光)した「岬と波」(1985年)の写真はまことに印象的だった。月明かりに照らされて岬に砕ける波が、雲海のように(あるいは、夜光虫が輝いているように)見せるのだ。想像すらできなかった光の世界、光の妙味である。

(*)石川賢治「月光欲」のホームページ: http://gekkouyoku.com/


(Youtubeに登録のmansaku1966に感謝)

(付記)
ちなみに、「~浴」にあたる「森林浴」がある。Wikipediaによれば「日本では1982年に当時の林野庁などによって提唱」されたという。他のネットニュース(複数)に、日本発祥のブームとのこと。

(本ブログ関連:”森林浴”)