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2011年10月22日土曜日

ROSATの落下ルート

10/23、07~21時のROSAT地上軌跡
文科省のfacebookに掲載の、「総理官邸内危機管理センター内の『ドイツ人工衛星落下に関する情報連絡室』より」発表の「ドイツ人工衛星に関する情報について」を、次に転記する。(10月22日16:30 )

・ドイツ航空宇宙センター(DLR)の情報によれば、ドイツのX線観測衛星(ROSAT)は世界協定時の10月22日18時から23日12時(日本時間10月23日03時から23日21時)に大気圏に再突入すると予測されています。(略)

  
日本上空において大気圏に再突入する可能性は完全には否定できませんが、ROSATは、明日23日09時30分頃に南西から北東にかけて日本列島上空を通過する見込みです


・「日本上空の時刻(日本時間)」(Jaxa作図の軌跡図)
① 10/23、09:30頃
② 10/23、15:40頃
③ 10/23、17:10頃
④ 10/23、18:50頃


さてさて、「人間に当たる確率は『2000分の1』で、同衛星が2000回落ちると仮定した場合に1人に当たる頻度に相当する。陸上にいる特定の人物に当たる確率は15兆分の1という。」(YOMIURI ONLINE)とのことだが、何度聞いてもわからない。地上に人間は、決して均等に分布しているわけではないのだから。
果たして、日本に落ちるのか、落ちないのか。まして人に当たるのか、当たらないのか。

(本ブログ関連:"どうしよう、今度はドイツの人工衛星が落下だって")

ピーター・ブリューゲル

テレビ東京の「美の巨人たち」は、小林薫の淡々として飄々とした語り口で、美術作品を様々な視点で解説する番組だ。先週(10/15)、伝ブリューゲル「イカロスの墜落の風景」を紹介した。

(大)ピーター・ブリューゲルPieter Bruegel, 1525/30年-1569年9月9日)の絵は、芸術作品というより、身近に馴染みやすい、もっと言えば、庶民の体臭さえ感じる。北方ルネッサンス絵画の中で、遊ぶ子どもたちの姿を、収穫の農作業にくたびれて昼寝する農民の姿を、最も人間らしく描いた画家ではないだろうか。以前、本ブログで触れたこともあるが、思い出方々、思ったまま再度記してみよう。

私の中学時代に、国別・時代別の大部の美術全集が学校の図書室に並んでいて、借り出しては、退屈な授業の合間に眺めていた。その全集の中にブリューゲルの作品が収められていた。
当時、「農民画家」と呼ばれて妙な持ち上げ方をされていた。美術全集の中の彼の作品を見れば、そんな評価に違和感を感じたものだ。子どもなので、ボッシュの系列に位置づけられたりする奇想さに関心もあったけれど。

高校時代になると、画家別の手頃な全ページカラー印刷の美術全集が登場して、ブリューゲルもその1巻となった。いろいろな意味で、ファン層が拡大したと思う。

社会人になって、ブリューゲル研究の第1人者である、森洋子教授のオープン講座に出席したところ、なんと会場を中年女性が埋め尽くしていた。海外旅行先を主要商業都市から、競い合うように地方古都市に移していったように、ブリューゲルにも関心が向けられたのだなと複雑な気持ちになった。(ああ、中年女性を敵に回してしまった・・・)

農夫であれ、職人であれ、商人であれ、そして彼らの子どもも含めて、庶民という名に生きて、働き、いつか死ぬひとびとの本当の強さを、ブリューゲルは感じていたのかも知れない。神や神話との距離の同心円内に、庶民も見ていたのだろう。
歴史を超えて、日々働き生活する庶民は、保守的だが強固にその立場を守る。ブリューゲルの絵に、そんな庶民の力強い生活観がいきいきと見えてくる。とはいえ、彼は安易な接近や同調もしなかったろうし、シニカルな目も持っていたことだろう。庶民だって、そのことは承知していたと思う。

今よりも静かな時代、遠くの教会から鐘の音が聞こえてくる、そんな農村風景の中に身を置いて、ブリューゲルの絵を眺めてみたい。

私の好きな、ブリューゲルの絵は、「農家の婚礼」と「農民の踊り」だ。

(本ブログ関連:"イカロス")