俳諧(俳句)の季語に「五月雨(さみだれ)」があるが、旧暦の雨なので今の新暦でいえば6月中旬~7月中旬の梅雨の時期にあたる。東京が梅雨入り(6/7)して2週間ほどたつ。きょう明日、来週にかけて梅雨の長雨がつづきそう。
(本ブログ関連:”梅雨”)
夏の俳諧を、野鳥観察の趣味から探すと、もっぱら「ホトトギス」が紹介される。夏を知らせる陽の鳥(時鳥)に対して、五月雨(梅雨の雨)の鬱の気分に似つかわしくないようで、一緒になるのは少ないそうだ・・・ちなみに、ホトトギスは梅雨の長雨のなかでもしっかり鳴くというが。
(本ブログ関連:”ホトトギス”)
今回は第六巻、「第六 折々のうた」(大岡信、岩波新書)に、芭蕉の大パトロンであった杉山杉風*(さんぷう)」(正保4年[1647年] ~ 享保17年[1732年])の句で、<雨の日に観察した、平明で生活実感のある句> と解説される次の句がある。
(本ブログ関連:”折々のうた”)
(今回は趣味の野鳥や水鳥とは別に)雨水に濡れる蛙(カエル)の光景を詠ったもので、「梅雨時、江戸市中の戸口に蛙が泳いでいるのである。こせつかない**作風が好ましい。」とのこと。
---------------------------------------------
五月雨(さみだれ)に蛙(かはづ)のおよぐ戸口哉(かな) (杉風)
---------------------------------------------
(**)こせつかない: 気持ちにゆとりがあり、焦ったり・せわしくしない様子。
そういえば、最近住宅地でカエルの姿を見ない・・・当地、武蔵野台地は乾燥地帯だからだろうけれど。それに比べて、江戸時代の深川は、隅田川河口を埋め立ててできた土地でもあり、もともと水気のある場所だったといえるかもしれない・・・カエルが戸口にいてもおかしくないわけで。