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2025年10月15日水曜日

(資料)ブラトノイ

ブラトノイ
ロシアの集団「ブラトノイ」について、ネット上の資料を集めていたが中断したまま、とりあえず、今のところ収集したものを載せる。

(本ブログ関連:”ブラトノイ”、”エセーニン”)

■ 本ブログ ①
「ユダヤ教の現代がわかる 2019-1、ロシア無頼」2019年8月27日
書名は「ロシア無頼」(内村剛介著。高木書房)、1980年に発行されたもので、ソ連崩壊の10年ほど前のこと。ここでいう「ロシア」はその意味で、ソ連時代の根の深いところにある原初的意味合いである。なお、内村氏は戦後にシベリア抑留を経験している。
書名にある「無頼」の徒について、旧いロシアに誕生した(農奴や奴隷から導き出された)彼ら「ブラトノイ」の語源を紹介している。
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「ブラトノイ」=またの名を「ヴォール」ともいう。この語は「ブラートの人」「結び合った人」「血盟の人」を意味する。
「ブラート」=コネ。有用な結びつき。おそらくイディシ(ユダヤ人のことば)が起こりである。十九世紀からオデッサで用いられはじめたが、その後「一般」のロシア語にも用いられるようになる。オデッサは古来ロシア犯罪人たちの故郷、犯罪人たちの首都でこの状態は二十世紀三〇年代の終わりまでつづいた。この犯罪者たちの頭目に伝統的英雄が多々あり、それはしばしばユダヤ人であった。イディシの「ブラート」が採りあげられるようになるのは自然の成りゆきであろう。
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■ 本ブログ ②
「無頼」2019年8月30日
「ロシアにおける地下経済とマフィア ー 社会学的考察」*(青山学院大学 寺谷弘壬)に、ロシアの闇経済について紹介されている。(1993年に発表されたもののようだ)
(*)資料: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jarees1993/1993/22/1993_22_27/_pdf
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「マフィア」や「レケヅト」が日常的に使われる以前は、「ブラトノイ(Блатной = やくざ = 泥棒仲間)」や「ブラターリ(блатрь=泥棒)」が使われ、「ウォール(вор=悪党)」と「スゥカ(сука=雌犬=うらぎりやくざ)」の二派に分けられていた。
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生成AI「Google Bard」(現 Gemini の旧称)
Q.ロシアの「ブラトノイ」と呼ばれる集団の起源について、帝政ロシアまで遡って教えてください?
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A.ロシアのブラトノイと呼ばれる集団の起源は、帝政ロシアまで遡ることができます。19世紀後半の帝政ロシアは、貧困と不平等が蔓延し、政府は国民の生活を守る能力に欠けていました。こうした状況の中、犯罪組織が台頭し始め、彼らは暴力や恐喝によって利益を上げるようになりました。

当時、ロシアにはさまざまな犯罪組織が存在しましたが、そのなかでも最も有名な組織の一つが、シベリアで活動していた「カムチャッカ・ギャング」です。カムチャッカ・ギャングは、暴力と恐喝によって勢力を拡大し、ロシア全土にその恐怖を広めました。

カムチャッカ・ギャングは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ロシアの闇社会において大きな影響力を持つ組織となりました。彼らは、ロシアの経済や政治にも深く関与しているとされており、ロシア社会の安定を脅かす存在となっていました。

ソビエト連邦の成立後、カムチャッカ・ギャングは、政府の厳しい取り締まりによって、表立った活動は抑制されました。しかし、ソ連崩壊後の1990年代になると、マフィアの活動が活発化します。

ソ連崩壊後のロシアは、経済が混乱し、政府の統治力が弱まったことから、マフィアはさまざまな犯罪で利益を上げるようになりました。こうした状況の中、カムチャッカ・ギャングの流れを汲む組織が、再び台頭し始めました。

そのなかでも、セルゲイ・プラトノイによって結成された「ブラトノイ」は、ロシアのマフィアのなかでも最大級の組織となりました。ブラトノイは、麻薬取引、武器取引、恐喝、殺人など、さまざまな犯罪に関与しているとされています。

ブラトノイは、ロシア国内だけでなく、世界各地にも活動を広げています。2000年代には、アメリカやヨーロッパで、ブラトノイと関係のある犯罪組織による犯罪が相次いで発生しました。

ブラトノイは、ロシアの闇社会において大きな影響力を持つ組織です。彼らは、ロシアの経済や政治に深く関与しているとされており、ロシア社会の安定を脅かす存在となっています。

このように、ロシアのブラトノイと呼ばれる集団の起源は、帝政ロシアまで遡ることができます。19世紀後半の帝政ロシアで台頭した犯罪組織が、ソ連崩壊後の混乱を背景に、再び台頭し、現代のロシアの闇社会において大きな影響力を持つ組織へと成長したと考えられます。

具体的な歴史的経緯を以下にまとめます。
・19世紀後半の帝政ロシア:貧困と不平等が蔓延し、政府の統治力が弱まる。犯罪組織が台頭し始める。
・20世紀初頭:カムチャッカ・ギャングがロシアの闇社会において大きな影響力を持つ組織となる。
・ソビエト連邦成立後:カムチャッカ・ギャングは政府の取り締まりにより表立った活動を抑制される。
・ソ連崩壊後:マフィアの活動が活発化。カムチャッカ・ギャングの流れを汲む組織が再び台頭し始める。
・1990年代:セルゲイ・プラトノイによってブラトノイが結成される。
・2000年代:ブラトノイはロシアのマフィアのなかでも最大級の組織となる。

ブラトノイは、ロシアの闇社会において大きな影響力を持つ組織であり、ロシア社会の安定を脅かす存在です。彼らの活動を理解するためには、帝政ロシア時代から続く、ロシアの犯罪組織の歴史を把握することが重要です。

なお、ロシア語で「ブラトノイ」は「兄弟たち」を意味します。これは、ブラトノイが、犯罪組織のメンバー同士が兄弟のように結束していることを示す名称です。
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ロシアの国営通信社「RIAノーボスチ」が設立のロシア・トゥデイが運営するメディア
「ロシア語で『友だち』を表す10語:それぞれに微妙なニュアンスが」(ゲオルギー・マナエフ、2022.5.23)より抜粋
    ー https://jp.rbth.com/education/86306-roshiago-tomodachi-arawasu-10-go
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 ロシアでも、当然、男性間の友情は大いに賞賛されている。だから、ロシア語に「友人、兄弟、仲間、相棒」を指す言葉がいくつもあるのは不思議ではない。そして、それぞれに微妙なニュアンスがある。

1.Брат「ブラート」(兄弟)
 「Брат(ブラート)」は、もちろん、単なる友だち以上の関係を意味する。本当に親しく、いっしょにいくつかの試練をくぐり抜けたりした間柄だと、ロシア人はこの言葉で呼びかけ合う。そのいわゆる「指小形」に「братишка(ブラティーシカ)」があり、これはよりフレンドリーだ。

 一方、「братан(ブラターン)」は、リスペクトと権威のニュアンスを帯びる。

 カフカスの、イスラム教を信仰するロシア人は、すべてのイスラム教徒を「兄弟」とみなし、見知らぬ人にも使うことがあるので、ちょっと乱用気味だ。

 ロシアの路上で見知らぬ人から「ブラート」と呼ばれることも珍しくない。しかし、ほとんどの場合、その人はタバコや何らかの予備の品を欲しがっているだけかもしれないが。
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■ ブログ「本と奇妙な煙」(登録: kingfish)
「内村剛介インタビュー・その2 ロシアのヤクザ」(2017-03-22)
    ー 同ブログは  「『ブラトノイ』とは」より抜粋
    ー https://kingfish.hatenablog.com/entry/20170322
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【 「ブラトノイ」は普通日本風に「ヤクザ」と訳されているが 】
先ず語源的に言いますと、「ブラート」、いわゆる「袖の下」ということから来ています。(略)賄賂ですね。もともとの起こりはそこからなんで、「ブラトノイ」とは、したがって、「非合法な力によるところの絡めとり」と言いますか、「非合法な手段でもって権力を手に入れる」ということを意味しています。しかしながら、そこに篭められた彼らの意図というのは、最終的に麗しい世の中を作りたい、アナーキックな世界を実現したいという願いであって、「ブラトノイ」とはだからこの手段と意図とをいわばドッキングした存在にほかならないと言えると思います。つまり、権力に向かってはたしかにそれを「絡めとる」「掠めとる」わけですが、しかし、その後に目指すところのものは権力の無い世界であるということですね。(略)ここに見られる無頼性、そのアナーキズム的性格というものは、広くロシアの芸術や政治とも密接に繋がっていると言えるわけです。(略)
このロシア的無頼性というやつはどこから来たかと言いますと、そもそもロシアのように余りにも広大な土地に対して、人間の数が極めて少ない(略)
[強力なパワーによる]強制的な力をもってして人間を狩り集め[労働させるという発想になる](略)
中央集権的な力によって、その広い土地と人間とをドッキングさせるというのが唯一の方法だったわけです。
(略)
[16世紀ロシアでエンクロージャーが始まり権力者が「ここは俺の土地だ」と宣言した時に大人しく降伏したのが「クレポスノイ」(農奴)、それは我慢できん、ここを出て新しい土地を探すと逃亡したのが「コザック」]
こうして彼らは山野を開拓してそこに定着していくわけですが(略)そうすると、今度は彼らコザックの内部で「階級化現象」が生じてくるんですね。そして、この階級化したコザック社会のリーダーたちは、やがて寝返りを打ってモスクワの皇帝権力と癒着を始めるのです。(略)
すると、また息苦しくなった「コザック」の本流は、再びそこを逃げ出して外へ向かうんですよ。(略)
こうして彼ら不満分子が外へ向かって逃亡すればするほど、彼ら逃亡者によって開拓された土地、フロンティアは、最終的には全部ツァーリの財産として追認、回収されて、結果として帝政ロシアの領土が広がっていくという、非常によくできた円環的システムになっているわけですね。
(略)
 そして最後に第三の対応があります。つまり「ここは俺の土地だ。それを認めよ。いやならここから出ていけ」という強者の命令に対して、「そんなことは嫌だね。俺は頭を下げないし、逃亡もしない。俺は一匹狼で暮らすよ」と宣言し、これを実行した者たちです。つまり、屈服して土地に止まったような農奴にもならないし、また生まれ故郷を捨て、徒党を組んで外へ出て行ったコザックの道をも選択しない。しかし、そうかといって新しい領主にも従わない。自分はあくまでここに止まり、独りの力で立って見せるという誇り高い立場ですね。これがつまり「ブラトノイ」であって、いわゆるロシア・ヤクザの系譜の始まりもここにあると言われています。
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コンソメスープ、味噌汁、すまし汁、蕎麦・素麺のつゆ

ほんの一週間ほど前まで、冷蔵庫に水出し緑茶が入ったボトルを用意していた。それが、いまでは用済みとなり、洗浄して茶箪笥に仕舞っている。季節の変化に対して、生活の変化はいささか無情である。いまは、やかんで沸かした熱湯を魔法瓶にためて、熱い茶やコーヒーを当たり前のように飲んでいる。

子どものころ、父の会社の社宅に住んでいた。東京本社から人事異動に伴い転勤族がしきりに往来した。だから、少年仲間もよく替わった。あるとき、東京から来たばかりの友だちの家に行ったとき、きれいな容器に入れた、薄茶色で透明な熱いスープが出されたことがある。優雅な香りがして味わい深い初めての味覚だった。何だろうと思いながら飲み干した。後で知った、「コンソメスープ」の味だった。(後で考えると、はなたれ小僧たちに何でそんなものを出したのだろうと思う)

そのころ、汁物といえば、味噌汁、すまし汁、蕎麦・素麺のつゆくらいしか知らなかった。東京では、こんな洒落たものを飲んでいるのかと、子ども心に感心したものだ。

とはいえ、いまではコンソメスープは、顆粒や固形のインスタントなスープの素で代用している。正直なところ本物のコンソメスープを、どうやって作るのか考えたことはない。
いっぽう、味噌汁、すまし汁、蕎麦・素麺つゆについてはこだわりがあるけれど、そば屋で出されるような風味を代用できるインスタントなものに会ったことがない。ポット入りのものが販売されているが、全然違う。

やっぱり昆布と鰹節を使って、いちからやらねばならないのだろうか。