もし、昔の漫画雑誌*が残っていたら、いろいろ思い出すことがあるだろうけど、今となっては、漫画のタイトル(=主人公)しか浮かんでこないのが残念だ。月刊の漫画雑誌「冒険王」の「イガグリくん」(作 福井英一)を思い出す。柔道一直線の漫画で、子どもでも気付くくらい画風は洗練されたものでなかったけど、圧倒的に記憶に残っているのは、ストーリー展開にひかれたからかもしれない。
(*)漫画雑誌: 週刊漫画が出る以前、月刊誌として競ったのが「少年」と「冒険王」だった。
秋田書店の漫画雑誌「冒険王」は、光文社の漫画雑誌「少年」と比べて、正直二番手な感じがした。何しろ、「少年」には「鉄腕アトム」(作 手塚治虫)という強力な連載があったからだ。
それに、月刊のため次号が待ち遠しい対策だろうか、付録がてんこ盛りだったのが懐かしい。小判で、毎号5、6冊あったのではないだろうか。
ところで、坊主頭のイガグリくんが、子ども向けのアイス菓子「ガリガリ君」のキャラクター・イメージにつながってしまう。ガリガリ君は、どう見ても白いランニングシャツが似合いそうな、昭和のコテコテした雰囲気がする。今の子どもにとっては、夏場の駄菓子キャンデーといった愛着があるのかもしれない。
(付)
手塚治虫がライバルと目した漫画家たちとの秘話がYoutubeにあった。そのなかに、イガグリくんの作者で早世した 福井英一に関する話題が語られている。
「【パワハラ?】手塚治虫に○された悲運の漫画家がヤバい…【山田玲司/切り抜き】」
https://www.youtube.com/watch?v=w3zOJJAHKLA
「ライバル視(潰し)」に似た例をラジオで最近聞いたことがある。テレビによく出演する、ポップスからクラシックまで音楽解剖するピアニストがいるが、ショパン国際ピアノコンクールで受賞したピアニストに対して、おれのジャンルにかかわるなといった意味の発言をしたそうだ・・・。