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2014年11月18日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 清声濁声

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(11/12)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第80回として、国楽(伝統音楽)の音域を指す「清声濁声(청성탁성)」にまつわる話を紹介した。

始めに、国楽の音域、弦楽器「玄琴コムンゴ거문고)」と打弦の「匙(スルテ、술대)」について次のように紹介された。
・国楽の五つの音域で、中心となる音域を「中声(중성)」と言う。中声から1オクターブ高い音域を「清声(청성)」、1オクターブ低い音域を「濁声(탁성)」と言う。
・代表的な弦楽器「玄琴」は時々、打楽器ではと言われることもある。竹棒の「匙」で弦を叩いて演奏するためだ。弦を弾ませてきれいな音を出すのでなく、力いっぱい叩いて音を出すのが特徴。匙が弦を叩いて、筒の本体にぶつかる音も玄琴の音色を構成する。さらに、左手で弦をこすりつけて出すのもまた玄琴の音だ。バイオリンやハーフのような音色に慣れた人には、聞き慣れぬ音色かもしれないが、文化によってこのような違いもある。

▼ 玄琴散調から、国楽の拍子「チュンチュンモリ(중중모리)」を聴く。躍動感あって喜怒哀楽の部分に聞かれるとのこと。

次に、管楽器「大笒テグム대금)」の特徴であるリード部分の響きについて、次のよう解説された。
・「大笒」演奏の姿はフルートと似るが、その音色は全く違う。大笒の構造に、息を入れる吹き口の少し下方にもう一つ穴があって、<吹き口>と、音の高さを変えるためにおさえる<音孔>の間に位置し、これを「清孔(청공)」という。この清孔に、葦(あし)の茎内にある「ソクチョン(속청)」という白い薄膜(=リード)を張り付けて塞ぐ。息を吹くたびソクチョンに振動が伝わり、不思議な音がする。風になびく旗音に似た小さい音だ。フルートの音色に慣れた人には、練習不足で未熟な音に聞こえるかもしれないが、大笒演奏は、このソクチョンの見事な振動にかかっている。

▼ 振動の響きを重視した大笒演奏「清声曲(청성곡)」を聴く。この楽器は、音色も深く素晴らしいし演奏スタイルも格好いい。

最後に、白磁「月壺(달항아리)」の<破調>に似た造形から「奚琴ヘグム해금)」について、次のように説明された。
・月壺は、模様のない白磁の丸壺で、月のイメージから呼ばれた。しかし、完全な丸でなく、片方は丸く反対側はへこんだ形がほとんどだ。大きな月壺を作るとき、上下別々に作って貼り付けたため、窯の中で模様がつぶれたり、壺の形がへこんだ。丸い形を作れなかったのではない。優れた陶磁器は既によく知られていた。わざわざへこんだ形にしたのだ。
・中国の二胡に似た、二弦の擦弦楽器、「奚琴」にもそんな響きがあるようだ。

▼ 京畿民謡「臼引き打令(방아타령)」を奚琴演奏で聴く。中国風の響きがする。