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2014年6月7日土曜日

雨に唄えば

雨、雨、雨、一日中雨だった。おまけに、ひんやり冷える。梅雨は苦手だ。先日の夏もどきのうだる暑さは一体なんだったのだ。

帰宅して、カバンがじっとり濡れているのを見ると、雨はお洒落じゃない。雨降りに傘をささない国もあるそうだが、きっと雨上がりに空気がカラッと爽やかなのだろう。しとしと降り続くモンスーン気候とは違った異国の話だ。

映画「雨に唄えば(Singin' in the Rain)」(1952年)の名場面では、雨の夜、彼女を送った帰り道、脈ありと主人公が小躍りする、ミュージカル特有の歌と踊りが演じられる。雨は、どうやら人を上気させ、狂わせる。
でも、「雨に唄えば」って、登場人物の男女を入れ替えたらどうなるのだろう。デートの帰りに、女性がこんな風に雨道を飛び跳ねるとは思えない。やっぱり、男は調子者、小さな子どものときからそうだった。

雨音を聞いていると、ふと時間の経過を忘れる。主客が入り乱れる夢想の世界に通じる。雨は、一瞬の夢を見せ、雨だれに魂を吸い込んでいく。特に、深夜の雨に奇妙な胸騒ぎを覚える。