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2012年2月11日土曜日

水晶

地中の奥深くポケットのなかに生まれた水晶の輝きは、どんな宝石にもまさる。氷の山に発見されたとき、雪の結晶に相似して表面を6面に囲まれたそれは、氷の化石と考えられた。

水晶のきらめきは、群れとなって一層ます。ドビッシーの「月の光」に、仰ぎ見る光ではなく、きらめく結晶の輝きをイメージする。夜に散乱する水晶の光は、しかし悲しい歴史を思い出させる。
(Youtubeに登録のkaburagi10に感謝)

釣りに例えて、鉱物採集を水晶に始まり水晶に終わるというけれど、美しい水晶は鮒ほどに身近ではない。サイズを有した透明な単結晶はおろか、群晶となれば更に見つけるのは難しい。
坑道の奥、カンテラに照らされた水晶の美しさはいかばかりだろう。反射して、その存在を高貴に知らす水晶は幻想するしかないのだろう。

ところで、韓国の飲み物で好物なのは、「スジョンガ(수정과)」だ。ko-wikiに「水正果」と記載されているが、この味を初めて知ったのは缶入りの「水晶果」だった。水晶の名にこだわって、ますます好きになってしまった。もしかしたら、<水正>の代わりに<水晶>の名をあてた商標なのだろうか。
ソウルの奉元寺を訪れたとき、干し柿の入ったスジョンガをいただいた思い出がある。

(本ブログ関連:"ソウル4日目:奉元寺"、"(資料)霊山斎、奉元寺")