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2025年7月15日火曜日

(資料)藍銅鉱(らんどうこう)と銅藍(どうらん)

先日(6/18)、青色の高価な顔料「ウルトラマリン」*について触れたが、安価な鉱物顔料に「藍銅鉱(らんどうこう)」や「銅藍(どうらん)」由来のものがあると記した。
(*)ウルトラマリン: 岩石「ラピスラズリ」から精製された顔料。

(本ブログ関連:”ラピスラズリ”)

鉱物採集のとき、地質図を頭に入れておくべきなのだが、あまり意識していなかった。
・藍銅鉱: 銅の硫化物鉱床が酸化された地帯(酸化帯)の地表近く
・銅藍: 銅の硫化物鉱床の比較的浅い部分の富化帯(二次富化帯)で形成(二次鉱物)される

藍銅鉱と銅藍の <違い>と<見分け方> について、生成AIのGeminiにQ&Aしてみた。

Gemini ❶
Q-1.藍銅鉱と銅藍の違いを教えてください。
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A-1.藍銅鉱(らんどうこう)と銅藍(どうらん)は、どちらも美しい青色の鉱物ですが、化学組成、結晶系、産状などが異なります。

藍銅鉱 (Azurite)
・化学組成: 炭酸銅水和物 Cu3 (CO3)2(OH)2
​ ・結晶系: 単斜晶系
・色: 鮮やかな濃い青色(藍色)
・光沢: ガラス光沢
・硬度: 3.5 - 4
・劈開: 完全
・産状: 銅鉱床の酸化帯に、孔雀石などの他の二次鉱物と共によく産出します。自形の結晶をなすこともありますが、塊状で産することも多いです。
・用途: 古くから青色の顔料(岩群青)として利用されてきました。また、美しい結晶は装飾品としても用いられます。

銅藍 (Covellite)
・化学組成: 硫化銅(II) CuS
・結晶系: 六方晶系
・色: 濃い藍青色で、金属光沢を持ち、しばしば虹色光沢(玉虫色)を示すことがあります。
・光沢: 金属光沢
・硬度: 1.5 - 2(非常に軟らかい)
・劈開: 一方向に完全で、薄い板状に剥がれます。
・産状: 比較的産出量が少なく、黄銅鉱などの他の硫化鉱物に伴って産出することが多いです。自形の結晶は六角板状ですが、稀で、通常は鱗片状や塊状で産出します。
・用途: 銅の鉱石鉱物として利用されます。美しい金属光沢から、研磨して装飾品に用いられることもあります。

まとめ

特徴         藍銅鉱 (Azurite)                                       銅藍 (Covellite)
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化学組成 炭酸銅水和物 Cu3 (CO3)2(OH)2                 硫化銅(II) CuS
結晶系       単斜晶系                                                六方晶系
             鮮やかな濃い青色藍色                       濃い藍青色、しばしば虹色の光沢
光沢         ガラス光沢                                                 金属光沢
硬度         3.5 - 4                                                 1.5 - 2 (非常に軟らかい)
劈開         完全                                                         一方向に完全
主な産状 銅鉱床の酸化帯、孔雀石と共産                 他の硫化鉱物と共産、鱗片状や塊状
主な用途 顔料、装飾品                                         銅の鉱石、装飾品
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Gemini ❷
Q-2.鉱物採集で、藍銅鉱(らんどうこう)と銅藍(どうらん)の見分け方を教えてください。
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A-2.鉱物採集で藍銅鉱と銅藍を見分けるのは、見た目が似ているため注意が必要ですが、いくつかのポイントに注目することで判別できます。

1. 色と光沢:
・藍銅鉱 (Azurite): 鮮やかな濃い青色(まさに藍色)をしており、ガラス光沢を持ちます。光に当てると、キラキラとした透明感のある輝きが見られます。
・銅藍 (Covellite): より濃い藍青色で、しばしば金属光沢を持ちます。表面が油を塗ったようにテカテカと光ったり、虹色の光沢(玉虫色)が見られることがあります。

2. 硬さ:
・藍銅鉱: モース硬度は3.5〜4程度で、方解石(硬度3)よりも少し硬く、蛍石(硬度4)と同程度です。爪で傷つけることは難しいですが、小刀などで傷をつけることができます。
・銅藍: モース硬度は1.5〜2と非常に軟らかいです。爪で簡単に傷つけることができます。

3. 劈開(へきかい:特定の方向に割れやすい性質):
・藍銅鉱: 完全な劈開が1方向にありますが、観察しにくいことが多いです。むしろ、貝殻状断口(貝殻のような滑らかな曲線を描いて割れる)を示すことが多いです。
・銅藍: 1方向に完全な劈開があり、薄い板状に剥がれやすいのが特徴です。

4. 晶癖(しょうへき:結晶の形や成長の仕方):
・藍銅鉱: 短柱状、板状、塊状、鍾乳状など、様々な形で見られます。美しい自形の結晶を伴うこともあります。
・銅藍: 六角板状の結晶をすることがありますが稀で、通常は鱗片状や葉片状の集合体、または緻密な塊状で産出します。

5. 共産する鉱物:
・藍銅鉱: 銅鉱床の酸化帯で、孔雀石(緑色)= マラカイト褐鉄鉱などと共産することが多いです。
・銅藍: 黄銅鉱(黄色)閃亜鉛鉱黄鉄鉱などの硫化鉱物と共産することが多いです。

野外での簡単な判別方法:
・色と光沢を観察する: 鮮やかな青色でガラス光沢なら藍銅鉱、濃い青色で金属光沢なら銅藍の可能性が高いです。
・硬さを試す: 爪で引っ掻いてみて、簡単に傷がつくようなら銅藍の可能性が高いです。藍銅鉱は爪では傷つきにくいです。
・劈開を観察する: 薄い板状に剥がれるようなら銅藍の特徴です。
・共産する鉱物を観察する: 周囲に緑色の孔雀石が多く見られる場合は藍銅鉱、黄色の黄銅鉱などが多く見られる場合は銅藍の可能性が高まります。

これらの点を総合的に観察することで、藍銅鉱と銅藍を比較的正確に見分けることができるでしょう。ただし、微細な結晶や変質している場合は判別が難しいこともあります。
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