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2024年10月16日水曜日

はだいろ

きょうの日付、10月16日を「10(=ひと)月」の「16(=いろ)日」と語呂合わせした民間団体*がある。自分らしい色(自分色)を見つけ、色彩感覚を豊かにすることを目指す意のようだ。
(*)日本カラリスト協会: https://colorist.or.jp/2015/10/

ところで、児童の教材の色鉛筆やクレヨンで人の肌にあたる「はだいろ」を、他の名称に変更したことを聞いたことがある。三菱鉛筆のサイトの「よくあるご質問」に、次のような解説が掲載されている。

■ 三菱鉛筆
「はだいろがなくなった」
https://www.mpuni.co.jp/customer/ans_165.html
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2000年9月の生産から「はだいろ(肌色)」の呼称を「うすだいだい」に変更しました。
「はだいろ」の呼称は、人の肌の色へ固定観念を与える可能性があると指摘されていたことから、市場の混乱を避けるため、株式会社トンボ鉛筆、株式会社サクラクレパス当社の3社で協調し、一般的でわかりやすい、語感がよい、色を連想しやすい、日本人に馴染みやすい、他の業種にも混乱を来たさない、などという点から、和名「うすだいだい」英名「Light Orange」への変更を決定しました。
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絵本「ちびくろ・さんぼ」
肌の色には微妙な問題があるが、上記サイトでは直接触れていない。実は、人(人種)によって肌の色が違うのは事実である。
絵本「ちびくろ・さんぼ」(ヘレン・バンナーマン、岩波書店)に登場する主人公の黒人少年の肌の色と、タイトル(さんぼ:「サンボ」は蔑称を示す)の関係が問題となった。それは象徴的なできごととして広がった。

結局、差別本として「1988年、事実上すべての出版社がこの絵本の出版を自主的に取りやめてしまうことになった」(Wikipedia)。いわゆる出版メディアによる自主規制である。大手媒体が自主規制すれば、業界に対して禁止につながる。

子ども時代、「バター」**なんてものは貴重で、この物語の結果がうらやましくてしょうがなかった。読者は、少年の肌の色なんて考えもしなかっただけに、出版取りやめは意外であり、まさに横槍が入った感覚だ。
(**)本当の意味で「バター」を知ったのは、マーガリンを経験してからのこと。

絵本紹介と出版取りやめの経緯について、次に詳細に紹介されている。

■ Yahoo ニュース
「これほど親しまれ憎まれた本はなかった 発刊から120年、ちびくろ・さんぼと黒人差別」(南龍太、2020/6/2)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/6094fe39e45888b5f3f66524bb380bbbfb92fbc9