きょうは、9(ク)月4(ジ)日にちなんで、日本鯨類研究所(日鯨研)が制定した「くじらの日」だそうだ。同研究所のサイトを覗いたが、この日について特別なページが見あたらない。どうやら研究所として特別なイベントはないようだ。
そこで、上記サイトの「広報活動>捕鯨文化」へたどったところ、「捕鯨文化に関わる情報発信」*の記事中に、「くじら総合サイト『くじらタウン』」HP**があったので、リンク先に進み、「くじらの日」を検索した。
(*)捕鯨文化に関わる情報発信: https://www.icrwhale.org/kouhouhukyu.html
(**)くじらタウン(一般向け別サイト): https://www.kujira-town.jp/
ところで、わたしら子ども時代の鯨料理は大切な食経験だった。いくつか思い出してみる。
・ステーキ
よく食べたのが、「くじらのステーキ」(当時は「ステーキ」なんて名は付いてなかったけれど)。母親の懐かしい料理のひとつだ。市場から塊りで買ってきたものを、5×6cmのサイズ、5mmほどの厚さに薄切りし、醤油の入った壺にショウガとともに、たっぷり時間をかけて漬け込む。醤油味が滲みた肉を焼いて食べた。少々噛み切りにくいところもあったが、肉料理として楽しんだものだ。
・ベーコン
子ども時代のベーコンは、市場で買って来た薄切りの「くじらのベーコン」しか知らない。油っぽい白身を、赤い色で縁取りされていた。焼くと急に縮み始める・・・そのとき、身が柔らかくなり食べごろだった。
東京に来て、豚肉のベーコンを初めて知った。ベーコンはくじら肉だと思い込んでいたので、本物の豚肉ベーコンに馴染めなかった。ところで、スーパーなどで、パック入りのくじらのベーコンを見かけることがあるが、ちょっぴりな量で値段が高いのに驚く。
・尾羽毛(オバイケ)
名前を知らなかった。たまに食卓に出て来る不思議なものだった。一見、綿菓子のようだが、サクサクした食感があり、酢味噌を付けて食べた。どうみても子ども向きでない。親が、きっと魚屋の店頭で見つけて、つい買ってしまったのだろう。
・松浦漬け
缶詰でしか知らない。缶を開けると、ねっとりした薄茶色のアルコールの効いた酒粕の中に、軟骨だろうか、こりこりした食感のする小さな塊りがあった。これも、家族の食卓向きではない、まさに大人の酒のつまみといったところだ。でも結構つまんだりした。
学生時代、渋谷が薄暗くなるころ、道元坂に「元祖くじら屋」の明かりがぼんやり灯った、ビリヤードの帰り道、坂の下にあったこの店に、もしかしたら寄ったかもしれない。当時から、くじら専門の飲食屋として知られていた。