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2024年9月24日火曜日

三橋美智也「リンゴ村から」

ふと思うことがある。故里、故郷、そして田舎といった言葉を身の回りであまり聞くことがない。地方都市を巡る公開歌番組「NHK のど自慢」があって、かつて高橋圭三、宮田輝といった名司会者が、地域の香りを素人出演者たちから引き出してくれたものだが。
現在も続くこの長寿番組だが、最近テレビ離れしているせいか、日曜日の昼に見ることがほとんどない。

また、NHKの番組に子ども向けの「みんなのうた」があり、「のど自慢」が放送開始された 1946年より遅れて、1961年に開始しているが、これも長く続いている。あるとき、最近の「みんなのうた」に採用された新曲の歌詞に、故里、故郷、そして田舎といった言葉が少ないのではと気付いた。

「みんなのうた」の曲の歌詞を時代別に語彙分析したものがないか、さらに、故里、故郷、そして田舎といった言葉がどう変遷しているのか知りたいと思った。
以前、Googleの生成AI Gemini に問うてみたところ、次のような回答があった。(抜粋)

Q.これまで放送されたNHKの「みんなのうた」の歌すべてについて、歌詞から「ふるさと」、「こきょう」といった単語が減っているのではないでしょうか?
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A.NHK「みんなのうた」における「ふるさと」・「こきょう」ワードの減少傾向:歌詞分析からみる考察

確かに、近年放送されるNHK「みんなのうた」の歌詞において、「ふるさと」や「こきょう」といった単語が減少している傾向が指摘されています*。しかし、この傾向を断定的に捉えることは難しく、歌詞内容の変化には様々な背景が考えられます。
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(*)現象傾向を示す「文献」が紹介されているわけではない。

急激な集中化(ネットワーク化)がすすみ、距離感も意識も一体化してしまったという無難な解釈もあるだろうけれど。Geminiは、歌詞DBを使った分析方法(観点)について触れているが、この現象をまったく違った解釈できることもあるだろうと思ったりする。


ところで、三橋美智也が歌った「リンゴ村から」(作詞:矢野亮、作曲:林伊佐緒、1956年(昭和31年))がある。この歌をもとに映画化され、リンゴ園で働くことを決めた若者が、東京に上った女性を思い続けるストーリーが展開される。故郷を遠くに想う都市人間とは違って、逆から見る・・・田舎にまだ力があった時代だったのかもしれない。

おぼえているかい 故郷の村を
たよりもとだえて 幾年(いくとせ)過ぎた
都へ積み出す まっかなリンゴ

■ Youtube:「三橋美智也 リンゴ村から」(登録: nakaya0609)
https://www.youtube.com/watch?v=OklkbAQj_TQ