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2024年5月9日木曜日

うたた寝

昼過ぎ、ヒンヤリとしたなか、年配者向けの体操教室へ出かけた。ベストのボタンを留めたほどで、会場でも参加者の間で肌寒さが話題になったくらい。

開催時(14:00)の気温は、きのうの 20.8℃と比べて、きょうは 17.8℃ で低目だった。とはいえ、青い空に綿雲がいくつも浮かんで、爽快な天気だったのも事実。雲の下を、ジェット戦闘機2機が間をあけて、排気音を轟かせながら、東から西に向かって飛んで行った。

このところ、体操を終えて帰宅してしばらくすると、うたた寝してしまうことが多い。実に心地よく寝落ちしてしまう。ずいぶん寝入ってしまったと、掛け時計を見て勘違いすることしばしば。日をまたいで夜中ではと慌てるが、ガラス戸から明るい日が射しこんでいる。

芥川龍之介の掌編「黄粱夢(こうりょうむ)」*には、きび(黄粱 こうりょう)が炊けるほどの束の間に、若者の盧生(ろせい)が一生分の長い夢を見た話が語られている。一方、わたしときたら夢の覚えもない、目覚めても時刻を間違えるくらいがせきのやま。
(*)青空文庫: https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/88_15189.html

盧生は、道士(呂翁)に人生のはかなさを諭されたはずだったが、彼はそれでも諦めない。
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道士:「これであなたの人生の執着も、熱がさめたでしょう。得喪(とくそう)の理も死生の情も知って見れば、つまらないものなのです。そうではありませんか。」
・・・
盧生:「夢だから、なお生きたいのです。あの夢のさめたように、この夢もさめる時が来るでしょう。その時が来るまでの間、私わたしは真に生きたと云えるほど生きたいのです。あなたはそう思いませんか。」

呂翁は顔をしかめたまま、然りとも否なとも答えなかった。
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