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2020年10月18日日曜日

自然観察(3) ニガキは苦い

公園は朝から晴れて、草原(くさはら)はひんやりするものの夜露に濡れた風もなく乾いていた。幸いな天気のせいか、きょうの自然観察会は多数の参加者がつどった。(3回しか参加経験がないので、いうはおこがましいが、こんなに大勢そろったのに驚く)

観察会の植物分野のベテラン(リーダーの一人というべき方)からレクチャーを受けてメモしたものから以下に記す。聞き間違いがあるかもしれないがご容赦願いたい。(手帳11ページに及ぶ豊富な情報であり、その中から少しだけ・・・)

まず、経験の浅い入会者の務めというか洗礼というか、樹木「ニガキ(苦木)」の(次の写真の枝の分かれ目、矢印の先にある)<新芽>を味見をするよういわれ噛んだところ、次第に舌の奥あたりが苦くなった、しかも強烈に。会員からいただいた飴でしのいだのだが、苦味がしばらくのあいだ続いた。
・ニガキは、漢方薬「苦木(くぼく)」として苦味健胃剤の材料に使われるそうだ。ニガキの苦味は枝、葉にもあるが、漢方薬には樹皮などが使われるという。
(ちなみに、マグネシウム(Mg)は「苦土」と表現されて苦味を持つが、苦木の苦味は有機物「クアシン(C22H28O6)」によるもので、当然ながらMg元素を持たない。苦土と苦木の苦味の程度はどちらが大きいのか、ネットで検索したがよく分らない)

ニガキ
公園の原っぱ中ほどに木立があり、その中に「イイギリ(飯桐)」の木が赤い実をならしていた。実の様から「ナンテンギリ」ともいわれるが、次の写真のように赤い実を下に垂らしていて、「ナンテン」木の実のように上向きのものはないとのこと。また、イイギリの実は野鳥の「ヒヨドリ」に食べられるそうだ。
・飯桐(イイギリ)の飯は、葉を皿代わりにした意という。
・葉の広がるもとに小さな黒いつぶが2つほどあり(どうやら葉柄の途中にもあるとネットに記載がある)、それを「花外蜜腺」と呼ぶとのこと。アリを使って他の生物からの食害を防御しているようだ・・・。
・ところで、昔の金属金庫の内側に「キリ(桐)」の棚が作られていたが、桐の断熱性(燃えるのではなく、炭化するすることで防火)を利用したという。

イイギリ
観察会の最後に見たのは、「クサギ(臭木)」の木の赤い花だ。中心が黒い実で、周りの赤いのは花弁でなくて顎(がく)である。葉をつぶして臭いを嗅いでみるが、いわゆる青臭い臭いでしかなかった・・・。むしろ、つややかな赤い花の独特な姿、形に関心がいった次第。

クサギ

この他、いろいろ興味深い話題や感想を聞かせていただいた。
・「イヌタデ」:植物の名称に「イヌ~」が付く場合、劣った意を含むことがあるようだ。
・「ドングリ(団栗)」:「ドン」は「団」よりも「鈍」が似つかわしいかもしれないと感想を述べられた。

上記は樹木についてだが、野草についても解説がいっぱいあって・・・書ききれない。

(追記)
先日(10/16)の観察園外側で見たキク科の花は、現場で「ユウガギク」と同定していただいた。