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2019年7月8日月曜日

ユダヤの歴史を学ぶ-12

連日、あやしい天候が続いていたので、心配しながら市民講座「ユダヤの歴史を学ぶ」へ出かけた。この連続講座、今日で最終回となる。第12回の今回、「ユダヤ人、アメリカに渡る:アメリカ移民の20世紀」について、東京大学准教授 鶴見太郎氏から解説いただいた。(幸い帰りもよい天気だった)

20世紀前後に、アメリカへ渡ったユダヤ人移民の大半(7割近く)は、ロシア・東欧地域から来た人びとだった。彼らが、移民後どのような生活を送ったのかを紹介された。

・アメリカのユダヤ人(現在)
  - 人口:約600万人(総人口の2%)・・・ その内「(超)正統派(ハレーディーム)」(黒服)は12%程度
・ロシア・東欧地域からの移民となった要因
  - 貧困:従来の経済活動(商業・手工業・運輸業)では、工業化・資本主義化に乗れなかった
・移民として迎え入れる要因
  - 先発の親類・友人(イディッシュ語話者)の迎え要れ: 非合法(斡旋業者)による移民
・移民後の労働運動
  - ドイツ移民の支援もあった
・ユダヤ人の階級上昇: 高い教育水準
  - 1937年のニューヨーク市: 弁護士・判事の64%、歯科医の64%、医師の55%がユダヤ人
・ユダヤ人の教育環境(正統派など)
  - アメリカの教育法に従いながら宗教教育を行う
  - 男子: タルムードを読みこなせるまで、女子: 世俗科目に重点を置く(世間との親和性あり)
  - 早婚、子だくさん
・(超)正統派コミュニティの問題点
  - 若者に見られるコミュニティからの離脱: 支援組織(ex. Footsteps)がある
・ユダヤ・コミュニティ: 自律的に活動する

連続講座を聴講したことで、何か整理されたかというより、正直ますます混迷を深めたといってもよいかもしれない。ユダヤ人が、どのように各地に定着したか、どのように移動したか、そしてどのような階層だったのかがよく分からない。時代を先行した階層もあれば、とり残された階層もあったはず。そこが知りたい。