ブログ本文&資料

2018年5月16日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 ドドゥリ

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/9)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、宮中音楽の「步虛子보허자)」から分離して、編曲を繰り返した「ドドゥリ(도드리)」の話を紹介した。

始めに、宮中の音楽で、韓国固有の「郷楽」と、中国伝来の「雅楽」と「唐楽」について次のように紹介された。
・宮中音楽は、みな同じに聞こえるかもしれないが、次の区分がある。韓国固有の「郷楽」と、中国伝来の「雅楽」と「唐楽」だ。雅楽は、孔子などに祭祀を捧げるとき、唐楽は、宮中の宴で演奏した。雅楽と唐楽は、伝来以降1000年の歴史があり、半島の情緒を多く反映しており、音楽の発展にも貢献した。伝来当時、歌と演奏の曲だった「步虛子」だが、今は器楽曲で知られる。最近、歌詞を復元する試みもある。

▼ 「步虛子」の演奏を聴く。きらびやかさと一線を画した感じがする・・・拍数の効果か。

次に、宮中音楽「步虛子」の始まりの歌詞と、分離した音楽「ドドゥリ(도드리)」について次のように紹介された。
・「步虛子」は、空中を歩く意があり、神仙思想も推測される。歌詞は漢文で、< 天の門が開いて太陽が昇ると、海が先に赤くなり、赤い砂浜に良い気運が漂う。天の美しさを仰いで天の音楽を演奏すると、金色の鳳凰、銀色のガチョウが並ぶ > と始まる。宮中の酒宴で、国の平和を祈って歌った。曲の前半は拍子を変えながら演奏し、後半は同じ拍子を繰り返して演奏する。この繰り返し部分の拍子を、戻って入るの意の「ドドゥリ」という。また、ここだけを切り取った音楽を、同じく「ドドゥリ」という。

▼ 「ボホザ」の繰り返し部分を変形した「ドドゥリ」を、琴に似たカヤグムの演奏で聴く。素朴に響き渡る。

最後に、「ドドゥリ」の繰り返し部分から編曲された「千年万歳(천년만세)」について次のように紹介された。
・「ドドゥリ」の繰り返し部分を編曲した演奏は、当時、人気があり、多様な拍子が発生した。本来の「ドドゥリ」よりオクターブを高く演奏したものを<上>のドドゥリの意の「ウッドドゥリ」と呼び、元の「ドドゥリ」を<下>の意の「ミッドドゥリ」と呼んだ。ウッドドゥリから、寿命が千年も万年も続く祈願の曲「千年万歳」ができた。歴史ドラマの宴会場面にも登場する、軽快な曲だ。伝統音楽には、「ドドゥリ」の名の曲が多い。編曲が繰り返されたのを知って、音楽の楽しみが、より豊かになるだろう・・・とのこと。

▼ 「千年万歳(천년만세)」の演奏を聴く。おもわず拍子をとりたくなる軽やかさ。